スモールランプとヘッドライトの使い分け、切り替えのタイミングは?
山田 弘樹
モータージャーナリスト、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、A.J.A.J.(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 >プロフィールを見る
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スモールランプよりヘッドライトを点けよう!
「なんとなくスモールランプとヘッドライトを使い分けています」とのことですが、このようにされている方、意外と多いのではないでしょうか?
大抵の場合ライトのスイッチは、奥に一段回すとスモールやテールランプ類、もう一段回すとヘッドライトが点く仕組みになっていますよね。
ですから、薄暗くなったらまずはカチッと一段ひねってスモールランプを、と考えるのは自然な流れでしょう。
スモールランプの役割は車の幅を知らせること
でも、ちょっと待ってください。
ヘッドライトの目的は、暗い環境での走行時もドライバーの視認性を高め、また周囲にも自分の存在を分かってもらうこと。
これに対し、実はスモールランプには違う役目があるのです。
スモールランプは、別名「車幅灯」と言います。「ポジションランプ」ということばなら聞いたことあるんじゃないでしょうか? ここからも分かるように、これは車の幅を知らせるためのランプなんですね。
たとえば他車とすれ違うとき。また路肩などでの停車時に、自車の幅を伝えたいときにスモールランプを点灯させるのです。
もちろんあたりが暗くなると、スモールランプでも自分の存在を他車に知らせることはできます。でも積極的に安全を確保するなら、迷わずヘッドライトを付けることをお勧めします。
「他の灯りが目につきはじめたころ」が点灯のタイミング
ではヘッドライト点灯のタイミングはいつがいいのか?
これについては各ドライバーの感覚に委ねられているのが現状です。でも道路交通法では、「夜間=日没時から日の出時まで」と点灯基準が明確に決められているのです。
とはいえ普通は日没時間なんて毎日チェックしていませんし、夕暮れ時の事故発生率が高いことからも、日没を迎えてからでは遅い…というのが正直なところ。
実際にこの時間帯で無灯火の車とすれ違うときは、ちょっと危ない感じがしますよね。
ちなみにJAF(日本自動車連盟)では、日没の約30分前からの点灯を推奨しています。
体感的には、信号機や他の車のブレーキランプといった周囲の灯りが目に付き始めたら、ライトを点灯するのがよいと思います。
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執筆者プロフィール
モータージャーナリスト
日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、A.J.A.J.(日本自動車ジャーナリスト協会)会員自動車雑誌「Tipo」の副編集長を経験。数々のレースにも参戦。2018年「スーパー耐久富士スーパーテック24時間」ではドライバーとして2位獲得。執筆活動、レースレポート、ドライビングスクール等の講師、メーカー主催イベントの講演など行う。