義務化になる?オートライトはどんな機能?
山田 弘樹
モータージャーナリスト、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、A.J.A.J.(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 >プロフィールを見る
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「オートライト」の義務化と昼間点灯
注意していても、ついうっかり、ヘッドライトをつけ忘れて走っていた、もしくは消し忘れていた、というケースもあります。 それを防ぐ便利な装置が「オートライト機能」です。
オートライトは点け忘れ・消し忘れの心配がない
ライトのスイッチを常時AUTOに合わせておけば、周りの明るさに応じて自動的に必要なランプ類を点灯してくれますし、エンジンを切ると自動消灯するので、消し忘れの心配もありません。
あなたのクルマのウインカーレバーに「AUTO」の文字がありませんか? 書いてあれば搭載車ですよ。
この機能はヘッドライトを点けるかどうか迷いがちな夕暮れ時に効果を発揮するのですが、反面メーカーや車種により点灯・消灯の基準がバラバラなため、中には点灯・消灯のタイミングに違和感を覚える人もいるのは事実のようです。
そのためあえてAUTOは使わず、手動に切り替えて操作しているドライバーも見受けられます。
2020年から義務化。「オートライト機能」とは?
こうした現状に対し、さらに踏み込んだ「オートライト機能」搭載が義務付けられることが決まりました。
2020年4月以降に発売される「新型」乗用車については、ドライバーの意思とは関係なく、一定の暗さになると強制的に点灯。さらに、走行時に手動でライトを消すこともできなくなります。
メーカーごとに大きく異なっていた点灯基準も見直され、「周囲が照度1,000ルクス未満」に統一されることになりました。この照度は、オフィスの非常に明るい会議室内に相当するそうです。
2023年10月までに全ての新車に順次装着される見込みで、新たな「オートライト機能」装着車が増えれば、非装着車の点灯タイミングにも影響しそうですね。
世界は“常時点灯”の流れへ
ランプ類の点灯は、夜間に限ったことではありません。欧州では2011年から、すべての新型車に日中用のランプである「デイタイム・ランニング・ライト」(DRL/昼間走行灯)の取り付けが義務化されています。通称“デイライト”ですね。
この義務化は、もともと日照時間の少ないスカンジナビアから始まったそうで、実際に私もスウェーデンなど北欧の道路を走ったときは、その恩恵を感じました。昼間といえども薄暗い道路では、対向車が見えやすく、多くのクルマたちがこうして常時点灯している様子を見ると、時代が変わったのを肌で感じることができました。
日本でこのDRLは、保安基準の関係から正式に認可されていませんでした。しかし2016年の保安基準改正により、今は昼間走行灯として採用が認められています。
世界的には「常時点灯」することが既に大きな流れとなってきています。日本でも「オートライト機能」の義務化開始や、昼間走行灯の導入が進むことで「いつでも点けておく」のが当たり前になってくると思います。
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執筆者プロフィール
モータージャーナリスト
日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、A.J.A.J.(日本自動車ジャーナリスト協会)会員自動車雑誌「Tipo」の副編集長を経験。数々のレースにも参戦。2018年「スーパー耐久富士スーパーテック24時間」ではドライバーとして2位獲得。執筆活動、レースレポート、ドライビングスクール等の講師、メーカー主催イベントの講演など行う。