就業不能保険とは? 病気やケガでの入院・在宅療養で一定期間以上働けなくなったとき、毎月お給料のように給付金を受け取れる保険です。 生命保険会社が取り扱うものが「就業不能保険」、損害保険会社が取り扱うものが「所得補償保険」と呼ばれています。保障内容は似ていますが、保険金額の上限や受け取り方などに違いがあります。 いずれも、「働けない状態」は病気やケガで入院しているか、医師の指示で在宅療養しており、仕事ができない状態をさします。ただし精神疾患が原因の場合は対象外とされることがあります。 給付金は一般的に毎月一定額を受け取るしくみですが、一括でまとめて受け取れるものもあります。また給付金を受け取るまでには60日・90日・180日などの支払対象外の期間があり、この期間を過ぎても働けない状態が続いている場合に受け取れます。 就業不能保険選びのポイント 就業不能保険(所得補償保険)を選ぶ際には、主に次の4つに注目してみましょう。 1「就業不能状態」の定義は?入院や在宅療養だけ? 「就業不能状態」の定義は保険会社により異なります。主に、医師の診断・指示により入院または在宅療養が必要で、働けない状態であることとされています。さらに対象の疾病が限定されているものや、入院期間が一定以上であることを条件としているものもあります。 2うつ病などの精神疾患は保障の対象? うつ病などの精神疾患で働けなくなった場合は、保険会社により給付金の対象外になることがあります。また、一定期間以上の入院、障害等級認定を要件としているものもあります。 3受取金額の設定は?満額タイプとハーフタイプ 給付金の受取開始時点から満額を受け取れる「満額タイプ」と、1年6か月の支払削減期間は半額、その後は満額を受け取れる「ハーフタイプ」があります。 4給付金は何回受け取れる?無制限の場合と条件がある場合 病気やケガで働けない状態から回復するまで、かつ保険期間内であれば無制限で受け取れるものが一般的です。中には、精神疾患では受取回数に限度が設定されているものなどがあります。 ファイナンシャルプランナーが解説!あなたにぴったりの就業不能保険とは ファイナンシャルプランナー加藤 梨里 病気などで働けなくなったときに給付金を受け取れる就業不能保険(所得補償保険)は、働き方や収入に合わせて選ぶのがコツです。 会社員や公務員の方は、就業不能状態が180日以上など長期間にわたると給付金を受け取れるものや、最長1年6カ月間は給付される金額が半額になるタイプなどを、公的な健康保険の「傷病手当金」の上乗せ保障として活用できそうです。休職した際に受け取れる傷病手当金の額を確認して、就業不能保険(所得補償保険)の給付金額を設定するとよいでしょう。 自営業の方など、働けなくなったときの公的な保障が少ない方は、支払制限期間が60日など比較的短いものや、給付開始から満額受け取れる就業不能保険(所得補償保険)を選ぶと、収入の減少を速やかに補えるのではないでしょうか。