学資保険(こども保険)は、子どもの高校や大学などの進学時に合わせて学資金や満期金を受け取れる、積立型の保険です。契約中に親など保護者が万が一亡くなったときには、その後の保険料の支払が免除され、子どもの進学時には予定通りにお金を受け取れます。
お子さまの教育資金を積み立てるのが学資保険の主な機能ですが、学資保険以外にも教育資金に活用できる保険があります。それは終身保険です。
近年は学資保険の満期時の戻り率が低くなったという声も聞かれ、学資保険の代わりに終身保険を選ぶ方も増えています。
一般的には円建てに比べて外貨建ての終身保険の方が払戻率が高いと言われているため、外貨建ての終身保険を選ぶ方も増えていますが、外貨建ての終身保険の解約払戻金を教育資金に充てる場合には、為替レート次第で日本円での受け取り額が変わってしまうために、今回は円建ての終身保険について説明させていただきます。
学資保険以外に教育資金に活用できる保険(終身保険)とは?
学資保険では主に、高校や大学など子どもの進学にかかる教育費に備えられます。今回、学資保険以外におすすめさせていただく終身保険も、高校や大学など子どもの進学時にお役に立ちます。
高校や大学など子どもの教育資金にも活用できます
子どもの入学には、学校に納付する入学金や授業料、教材費などのお金がかかります。
こうした教育費の負担は、一般的には子どもが成長するにつれて重くなる傾向があります。そこで、子どもが進学するときに学資金や満期金として受け取るのが、学資保険の主な仕組みです。学資金や満期金はお祝い金・祝金とも呼ばれます。
終身保険は学資保険と同様に死亡保障の機能だけでなく貯蓄機能もあり、保険料を払い終えた後に解約した際には、払い込んだ保険料以上の解約払戻金を受け取れる場合があります。(お客さまのご希望されるタイミングで解約払戻金をお受け取りいただけます)
それでは、学資保険と終身保険の特徴を比較してみましょう。
学資保険と終身保険の特徴を比較する
◆学資保険と終身保険の比較
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学資保険 |
終身保険 |
保険期間 |
17歳・18歳・20歳・22歳など |
終身(一生涯) |
払込期間 |
保険期間と同一
※保険会社によっては短期払込ができる場合もあります |
10年・15年・17年などの短期払込
※お子さまの大学入学前に払込を終了 |
満期 |
あり |
なし |
親(契約者)が万一の際 |
以後の保険料の払込が免除される
満期保険金を満額受け取れる |
死亡保険金を受け取れる |
高校や大学入学金の準備 |
満期金を利用 |
解約払戻金を利用 |
学資保険は払い込んだ保険料の総額以上の受け取りを希望される方が多いのですが、学資保険の受け取る祝金や満期保険金の総額が、払い込んだ保険料の総額を下回ることもあります。
そのために、ご加入をご検討いただく場合には、各保険会社の設計書を必ずご覧いただき、ご希望の年齢(年数)に受け取れる金額が払い込んだ保険料の総額を上回るかどうかをご確認ください。
終身保険の払戻率をみてみる
終身保険も学資保険と一緒です。
ご加入をご検討いただく場合には、各保険会社の設計書を必ずご覧いただき、ご希望の年齢(年数)に受け取れる金額が払い込んだ保険料の総額を上回るかどうかをご確認ください。
終身保険は全ての商品が学資保険の代わりになるわけではありません。
終身払(一生涯保険料を払い込む)タイプの終身保険については、払い込んだ保険料の総額以上の解約払戻金を受け取れませんので、学資保険の代わりにはなりません。
終身保険は10年・15年・17年などの短期払込ができる商品を必ずお選びください。
お子さまが大学入学する際に払い込んだ保険料の総額以上の解約払戻金の受け取りをご希望の際は、遅くともお子さまが17歳までに保険料払込を終わらせるようにしてください。
保険料払込(15年間)の終了後に解約をした場合に払戻率が100%を超える商品の一例を見てみましょう。
◆オリックス生命「終身保険ライズ」
・保険金額:200万円 ・保険料払込期間(低解約払戻期間):15年 ・保険期間:終身 ・月払 ・口座振替扱
【男性】
保険会社 |
オリックス生命 |
商品名 |

終身保険ライズ |
契約時の お父さまの年齢 |
25歳 |
月払保険料 | 7,376円 |
15年間の累計払込保険料 | 1,327,680円 |
15年目(40歳)の解約払戻金額 | 1,377,680円 |
15年目の払戻率 | 103.7% |
18年目(43歳)の解約払戻金額(お子さまの大学入学時) | 1,411,400円 |
18年目の払戻率 | 106.3% |
30歳 |
月払保険料 | 7,684円 |
15年間の累計払込保険料 | 1,383,120円 |
15年目(45歳)の解約払戻金額 | 1,435,860円 |
15年目の払戻率 | 103.8% |
18年目(48歳)の解約払戻金額(お子さまの大学入学時) | 1,470,580円 |
18年目の払戻率 | 106.3% |
35歳 |
月払保険料 | 8,020円 |
15年間の累計払込保険料 | 1,443,600円 |
15年目(50歳)の解約払戻金額 | 1,495,580円 |
15年目の払戻率 | 103.6% |
18年目(53歳)の解約払戻金額(お子さまの大学入学時) | 1,530,860円 |
18年目の払戻率 | 106.0% |
40歳 |
月払保険料 | 8,392円 |
15年間の累計払込保険料 | 1,510,560円 |
15年目(55歳)の解約払戻金額 | 1,556,260円 |
15年目の払戻率 | 103.0% |
18年目(58歳)の解約払戻金額(お子さまの大学入学時) | 1,592,040円 |
18年目の払戻率 | 105.3% |
【女性】
保険会社 |
オリックス生命 |
商品名 |

終身保険ライズ |
契約時の お母さまの年齢 |
25歳 | 月払保険料 | 7,024円 |
15年間の累計払込保険料 | 1,264,320円 |
15年目(40歳)の解約払戻金額 | 1,312,900円 |
15年目の払戻率 | 103.8% |
18年目(43歳)の解約払戻金額(お子さまの大学入学時) | 1,345,120円 |
18年目の払戻率 | 106.3% |
30歳 | 月払保険料 | 7,322円 |
15年間の累計払込保険料 | 1,317,960円 |
15年目(45歳)の解約払戻金額 | 1,368,600円 |
15年目の払戻率 | 103.8% |
18年目(48歳)の解約払戻金額(お子さまの大学入学時) | 1,401,860円 |
18年目の払戻率 | 106.3% |
35歳 | 月払保険料 | 7,640円 |
15年間の累計払込保険料 | 1,375,200円 |
15年目(50歳)の解約払戻金額 | 1,425,840円 |
15年目の払戻率 | 103.6% |
18年目(53歳)の解約払戻金額(お子さまの大学入学時) | 1,459,940円 |
18年目の払戻率 | 106.1% |
40歳 | 月払保険料 | 7,978円 |
15年間の累計払込保険料 | 1,436,040円 |
15年目(55歳)の解約払戻金額 | 1,484,680円 |
15年目の払戻率 | 103.3% |
18年目(58歳)の解約払戻金額(お子さまの大学入学時) | 1,520,000円 |
18年目の払戻率 | 105.8% |
*1 15年目の解約払戻金額は、低解約払戻期間経過直後の金額を表示しています。
*2 18年目の解約払戻金額【お子さまの大学入学時】は、年単位の契約応当日前日の金額を表示しています。
なお、保険料払込期間中は、解約払戻金が抑制されている「低解約払戻期間」となります。保険料払込期間が15年の場合、ご契約から15年未満の解約については戻り率が100%を下回ってしまいますのでご注意ください。
イメージ図 死亡保障をそのまま継続した場合
契約者・被保険者 男性 30歳(お父さま)
・保険金額:200万円 ・保険料払込期間(低解約払戻期間):15年 ・保険期間:終身 ・口座振替扱 ・月払保険料:7,684円
・15年間の払込保険料累計額:1,383,120円
※上記解約払戻金額は、年単位の契約応当日前日の金額を表示しています(*時の解約払戻金額は、低解約払戻期間経過直後の金額を表示しています)。
終身保険の資料(「パンフレット」と「設計書」)を請求する
※保険料等は2025年4月1日現在のものです。
※払戻率(%)=解約払戻金÷払込保険料累計額×100
※商品内容についての詳細は、「パンフレット」「特に重要な事項のお知らせ/商品概要のご説明/ご契約のしおり抜粋」「ご契約のしおり/約款」を必ずご確認ください。
※解約した場合、以後の保障はなくなります。
※低解約払戻期間中に解約した場合の主契約の解約払戻金は、抑制されています。低解約払戻期間経過後に解約した場合でも、すべての保険料の払込みがないときは、解約払戻金は抑制されます(低解約払戻期間は保険料払込期間と同一です)。
※解約払戻金の額は、契約年齢、保険料払込期間、経過年数などによって異なります。
学資保険と終身保険、どちらを選んだらいいの
学資保険と終身保険のどちらを選ぶかは、各々のメリット・デメリットを比較したうえで決めていただくことをおすすめします。 主なメリット・デメリットは以下の通りです。
◆学資保険と終身保険のメリット・デメリット
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メリット |
デメリット |
学資保険 |
・満期時に約束された金額が受け取れる
・契約者の死亡時には保険料の払込みが免除される |
・満期時に保険契約が終了してしまう
・契約者の死亡時すぐには保険金を受け取れない(満期までは受け取れない) |
終身保険 |
・死亡保険金額および解約払戻金額は約束された金額が受け取れる
・契約者の死亡時には、すぐに保険金を受け取れる
・子どもの大学進学時に保険を解約をしなかった場合、それ以降も解約払戻金が増え続ける(保険契約を継続できる) |
・保険料払込期間中に保険を解約すると、解約払戻金が払込保険料の累計額を下回ってしまう(低解約返戻金型の場合)
・学費が必要な時期に解約払戻金が100%以上の払戻率になるように保険料の払込期間を設定する必要がある
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親がもし亡くなった時にも備えられる
学資保険や終身保険が現金や預金などによる貯蓄と大きく異なるのは、死亡保障の機能があることです。契約中に万が一、契約者である親が亡くなったとき・高度障害状態になったときには、学資保険はその後の保険料の払い込みが免除され学資金や満期金を受け取れます。終身保険は申込時に設定した保険金を受け取れますので、生活資金にも役立てることができます。
預金などの貯蓄では、もしも親が亡くなったときにはそれまでに貯めた金額しか残すことができませんが、学資保険や終身保険はそれまでに払い込んだ保険料にかかわらず、予定通りに子どもが教育資金を確保できるのです。
貯蓄と合わせて教育資金の準備に、学資保険・終身保険の検討を
このように、子どもの教育資金が準備できる学資保険と終身保険。 最後に学資保険と終身保険で迷っている方のために、どちらに向いているかアドバイスです。
学資保険が向いている方 | 終身保険が向いている方 |
・満期保険金を契約時に決めたタイミングで受け取りたい ・万が一の準備(死亡保障)と教育資金の準備(貯蓄)を分けて考 えたい | ・受け取るタイミングや金額を自由に決めたい ・万が一の準備(死亡保障)と教育資金の準備(貯蓄)の両方を一 緒に考えたい |
大切なお子さんの将来に備えて、家計の貯蓄やほかの保険の状況をふまえて学資保険と終身保険を検討してみてはいかがでしょうか。 学資保険と終身保険どちらを選ぶかは、それぞれの特徴を理解し、ご自身(ご家庭)の考え方に合っているかで決めてみてください。
終身保険の資料(「パンフレット」と「設計書」)を請求する