個人年金保険とは? 個人年金保険は、現役時代に保険料の一部を積み立て、契約時に定めた年齢になると5年間や10年間など一定期間にわたって一定額の年金を受け取れる貯蓄型の保険です。 受け取る期間は、定年退職後から65歳になって公的年金を受給し始めるまでの一定期間、あるいは公的年金の上乗せとして長期間のケースが一般的です。 商品によっては、公的年金のように生きている限り受け取れる「終身年金」を選べるものもあります。 積み立てた保険料の一部は、保険会社が債券などで運用します。そのため、契約から一定の期間を経てからであれば、将来に受け取る金額は支払った保険料と同等かそれ以上の金額になるケースが多いようです。ただし、短期間で解約すると元本を下回る金額しか戻ってきません。 年金の受け取り開始前に亡くなった場合には、死亡給付金が支払われます。 個人年金保険選びのポイント 個人年金保険を選ぶ際には、おもに次の4つに注目してみましょう。 1年金の受け取り期間は?確定年金か終身年金 個人年金保険の受け取り期間は、おもに5年や10年などあらかじめ期間が決まっている「確定年金」と、生涯にわたって受け取れる「終身年金」があります。 確定年金は生死にかかわらず必ず決まった期間にわたって年金を受け取れ、受取総額が事前に決まっていますが、受け取り期間が終了すると年金の受給はありません。 終身年金は生きている限り受け取りを続けますが、受け取り開始から短期間で亡くなると年金の受取総額は少なくなります。 ただし、「保証期間付き終身年金」のように、一定期間は生死にかかわらず年金を受け取れるものもあります。 2運用通貨は?円建てか外貨建て 個人年金保険には、日本円建てのものと外貨建てのものがあります。 外貨建ては、おもに米ドル、ユーロ、豪ドルのものが販売されています。外貨建てのものは円建てに比べて運用利率が高い傾向がありますが、為替レートにより、円換算した時の年金受取額が変動するリスクなどがあります。 3積立利率は?固定or変動 支払った保険料の一部を、保険会社は資金運用していますが、運用の利率があらかじめ固定されているタイプと、変動するタイプがあります。 4年金額は?定額or変額 将来に受け取る年金額があらかじめ決まっている定額のタイプと、受け取るまでの間の運用成果に応じて変わる変額のタイプがあります。 ファイナンシャルプランナーが解説!あなたにぴったりの個人年金保険とは ファイナンシャルプランナー加藤 梨里 老後資金を準備するために活用できる貯蓄型の保険には複数あります。このうち個人年金保険は、保険料の一部を積み立てて所定の年齢から年金を受け取るのがおもな機能です。万が一亡くなったときに、契約時に定めた保険金がおりる死亡保険と異なり、契約から年金受け取りまでの間に死亡したときには、それまでに払い込んだ保険料総額をもとに給付金がおります。 ほとんどの商品は契約時に医師の審査や健康に関する告知が不要です。持病があるなどの理由でほかの貯蓄型保険に契約できない人でも加入しやすいでしょう。 また一部の商品を除き、「個人年金保険料控除」という所得税の所得控除の対象になります。一般的な生命保険や医療保険とは別に、年間4万円まで、支払った保険料額に応じて所得税の軽減を受けることができます。 将来の資金準備を考える際には、個人年金保険のこうした特徴も知っておくと上手に活用できるのではないでしょうか。