もうすぐ3歳、ジュニアシートへの切り替え時はいつ?
山田 弘樹
モータージャーナリスト、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、A.J.A.J.(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 >プロフィールを見る
記事の目次
年齢は目安に!子どもの体に合っているかのホールド感で見極めを。
子供のことについては、成長差があるとはいえ周りの動きが気になって焦りますよね。まずは正確な知識や情報を得て、その不安をなくすところから始めましょう!
まずは使用条件をチェック!
さて、質問の「今のチャイルドシートがいつまで使えるか?」ですが、まずは適応範囲を確認してみてください。製品によってそれは異なりますが、新生児から使われていたのなら年齢は4歳くらい、体重18kg以下、身長105㎝以下といった基準が多いのではないでしょうか?
本体には情報が記載されたシール等が貼られているはずですので、これをチェックしましょう。そして「年齢はあくまで目安」であり、お子さんの体重や身長がこの基準をオーバーしていると、買い替え時となります。
ジュニアシートとチャイルドシートの違いとは?
そもそも、ジュニアシートって何なのでしょう?それは一般的に3歳から10歳頃まで使用するシートを指します。そして今は、背もたれとヘッドレストの付いた、チャイルドシートに似たタイプが主流です。
ちなみに背もたれのない座面だけのタイプ( ブースターシート)も、ジュニアシートの仲間です。
ジュニアシートとチャイルドシートとの違いは、子供をどのようにシートに座らせるかです。これまではシート本体に付いた5点式ハーネス(シートベルトのことですね)を装着していたと思いますが、ジュニアシートでは代わりに車のシートベルトを利用します。
その仕組みをわかりやすく言えば、身長の足りない子供のポジションを嵩上げ・調整することで、大人用シートベルトを使えるようにしているのです。
「チャイルドシートの方が安全そう」というイメージは、おそらくこのベルトの違いからきているのでしょう。
子ども体に合っているか?シートを選ぶ基準はホールド感
まだ肩幅も小さいお子さんに大人用ベルトを使うのが不安な場合は、今までと同じ5点式ハーネスを備えた、背もたれとヘッドレストのあるジュニアシートを試着してみてください。
シートベルト利用タイプに比べコンパクトさは欠けますが、今まで通りガッチリ子供をホールドします。成長に合わせてパーツを外し、ゆくゆくはブースターシートとして使用することもできます。
シート選びで大切なのは、まずお子さんの体に合っているか?ということ。面倒なようでもこれは、実際に商品を試せるお店で確認して欲しいです。またシート選びをするときは、安全基準適合の『Eマーク』が付いている製品かどうかも確認してくださいね。
ブースターシートデビューはもっと先、小学校にあがってから
最後にひとつ、注意しておきたいことがあります。
ジュニアシートの一種であるブースターシートは、コンパクトで軽く、価格も数千円という手頃さが魅力です。適応年齢3歳からと書いてあるものが多いので、買い替え候補に入れる方もいるかも知れません。
ですが、ブースターシートを使うのは、できれば子供の身長が125㎝を超える頃を待ってからにしていただきたいなと思います。
というのもブースターシートは、子供が座った時のポジションを約10㎝ほど上げて大人用のシートベルトを使えるように補助してくれるのですが、肝心のシートベルトは、概ね身長135~140㎝以上の大人に合わせた仕様となっているからです。つまりそれに満たない身長の人が装着しても、本来の安全性は期待できないのです。
逆算すると、125㎝以上の子供がブースターに座れば問題ありませんが、それ以下の子供にはシートベルト着用の意味がないということになります。
また3、4歳くらいの子ですと、クルマの中で寝てしまうことはよくあります。ヘッドレストのないブースターシートは、頭がグラグラした時に支えてくれるものがなく、シートベルトが首に食い込む危険も。ブースターシートデビューは随分先ですが、小2~小3あたりと考えた方がよいと思います。
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執筆者プロフィール
モータージャーナリスト
日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、A.J.A.J.(日本自動車ジャーナリスト協会)会員自動車雑誌「Tipo」の副編集長を経験。数々のレースにも参戦。2018年「スーパー耐久富士スーパーテック24時間」ではドライバーとして2位獲得。執筆活動、レースレポート、ドライビングスクール等の講師、メーカー主催イベントの講演など行う。