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Vol.11 「飲む」ってスゴイ!嚥下(えんげ)のリハビリ

ギランバレー症候群体験記

ギランバレー症候群は、自己免疫疾患の一つで、ウイルスや細菌がきっかけとも言われている。
両足の筋力低下、しびれ、運動麻痺、呼吸麻痺にもなりえる病気にかかり、治療を経て、リハビリ、回復に至るまでをコラムで振り返る。

神経の回復で感じる体の重さ

まだまだ本調子でない私は、自分の身体が重くて重くて苦しい時があった。布団などの重さではない。
横たわっているだけでも、身体そのものが重く、息苦しく感じた。

神経が回復するにつれて、その「重み」を感じた。
医師や看護師に何か話しかけられても、首を横に振るのがやっとだった。
神経の戻り始めは、身体の負荷が厳しいと感じる瞬間でもあった。

イメージとしては、宇宙飛行士が無重力の宇宙から地球に戻って来た時、
宇宙飛行士は自身で立つこともできずに、抱えられているシーンを目にする時がある。
もちろん宇宙飛行士として経験したことは無いが、それに近いイメージである。

美味しい!!10日ぶりに感じた味覚

入院生活に日常はなく非日常で、日頃当たり前に行っていた事ができない。その一つが「食べたり、飲んだり」である。
病の峠を越えて、身体の神経も徐々に正常になり、リハビリも卒なくこなせるようになると、
点滴のみの生活から、自身で食事をする生活に戻していかなければならない。
そのプロセスに「嚥下(えんげ)」のリハビリがあった。

嚥下(えんげ)とは、食べものを飲み込むことで、医学的にはそしゃくによって食べ物をかみ砕き、
唾液と一緒に舌から喉、食道を通って胃まで運ぶ一連の動作をいうそうです。

体の「重み」に苦しみ始めたころ、「嚥下(えんげ)」のリハビリが始まった。
実際に物を口にするのは、10日ぶりくらいなのだが、もう数ヶ月もご無沙汰しているように感じた。
スプーンにゼリーをひとかけら乗せて「あーん」という感じで、口に運ばれる。
今でも鮮明に覚えているのは、「スプーンが冷たい!」と感じたことである。同時に神経の回復も実感した。

担当医師:「飲み込んでみてくださ〜い、大丈夫ですか?」 
私:「OK、大丈夫。」
そう、ゼリーが食道を通り、胃に落ちるのを確かに感じた。

次に汁物である。みそ汁のようなものを一口すする。
「美味~い」
久しぶりに味を感じた。この世にこんなに美味しいものがあるのだろうか、と大げさではなく、心の底から思えた。

「飲む」ってスゴイ、人間ってスゴイ

改めて「人間の動きってすごいな」と感じたこと、それは飲物を飲む動作である。

コップに飲物を入れて、そのコップを静かに口に運び、適量を飲むために、コップを傾け、
丁度良いタイミングで止め、コップを元の位置に戻し、静かにテーブルの上に置く。

病気になり、神経機能が失われ、動かなくなった身体が少しづつ戻っていく過程は、
人間の体の精妙さ、味覚・温度や重みの感覚の繊細さなど、「神経そのもの」の体験の繰り返しであった。

プロフィール
岩本 晃一

岩本 晃一(いわもと こういち)

株式会社ライフィ 理念経営推進室
2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP

1968年、神奈川県生まれ。大学卒業後、住宅メーカー、生命保険の営業職を経験。
45歳で娘が生まれ、その8か月後にギランバレー症候群を発症。本コラムでは、治療から回復までの体験を振り返る。

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