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Vol.4 ドラマじゃない!監視と緊張のリアルな「救急病棟24時」

ギランバレー症候群体験記

ギランバレー症候群は、自己免疫疾患の一つで、ウイルスや細菌がきっかけとも言われている。
両足の筋力低下、しびれ、運動麻痺、呼吸麻痺にもなりえる病気にかかり、治療を経て、リハビリ、回復に至るまでをコラムで振り返る。

朝も夜もない「救急病棟」

この空間では、男女の区分もなく、ベット上での治療や用足し以外、常にカーテンは空けっぱなし。

くもりガラスで外の景色も見れず、トイレ、洗面に鏡もなく、もちろんテレビもない。当然、携帯も持ち込み禁止。
持ち物検査は毎日。
必要なもの以外一切置いておくことはできず、持ち込めるのは、着替え、洗面用具だけの必要最低限なものだけ。

面会時間も厳しい。午後3時から夜7時以外は何人たりとも面会不可。
わざわざ遠方から面会に来てくれた勤務先の社長も、時間外のだったので門前払いをくらったらしい。(社長、申し訳ありません!)
家族であっても、時間ちょうどになるまで入室不可。

そう、救急病棟は入退室チェックが非常に厳しく、一般病棟のように自由に行き来することはできない。
しかも病棟出入口の電動扉は、許可なければ一切中へは入れてもらえない。

そんな状況下では、自ら点滴をむしり取り、看護師に罵声を浴びせ、勝手に歩き出してしまう患者がいたのも事実。
ベットにカギ付の腰巻ベルトで行動制限されている人もいた。
患者は、勝手にベットから離れることはできず、トイレに行く時にもナースコールするのが必須。

まるで「24時間監視の刑務所」のようにも思えた。

心筋梗塞や脳梗塞で倒れた人、
酔って電車に接触し、片方の耳がちぎれかかった人、
薬を飲んで自殺をはかり未遂で済んだ人、
痰を10~20分ごとに吸い出さないと呼吸ができなくなってしまう人、
寝ている時以外うめき声を出し続けている人、
人工呼吸器で声が出せず、文字盤で会話をしている私と同じ病気の20代くらいの男性、
などなど、重篤な患者さんが担ぎ込まれ、駆けつけた家族間で重苦しい空気が流れているのを何度も見た。

静かな廊下に、突然看護師の走る足音。何度聞いても緊張感を感じてしまう日々であった。

ナースコールは命の綱

ベット上での「管」の数は、日々増えて、最大9本に。

  • ナースコール(1本):腕(ガーゼでしばりつけ)
  • 酸素吸入(1本):鼻・口
  • 酸素量・脈拍数検知(1本):指(はさんだ状態)
  • たまった胃液を吸い出すバルーン(1本):口
  • 尿の管(1本):下から
  • 心電計(3本):胸まわり
  • 点滴(1本):腕

これらの管が絡まり外れてしまう危険もあり、自力では、寝返りも打てない状況。

ナースコールはまさに「命の綱」
手の感覚はほぼなくなっており、包帯で腕にしばりつけられているナースコールのボタンを「残った腕の力でを押し込む」感じであった。

そして入院して1週間は、身体の神経が末端から麻痺していた。

血液製剤を投与し、その後の様子見をするのみ。
治療方針を信じて、ひたすら回復を祈るだけであった。

プロフィール
岩本 晃一

岩本 晃一(いわもと こういち)

株式会社ライフィ 理念経営推進室
2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP

1968年、神奈川県生まれ。大学卒業後、住宅メーカー、生命保険の営業職を経験。
45歳で娘が生まれ、その8か月後にギランバレー症候群を発症。本コラムでは、治療から回復までの体験を振り返る。

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