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Vol.2 運命の日の衝撃!聞き覚えのない「ギランバレー症候群」と宣告された日

ギランバレー症候群体験記

ギランバレー症候群は、自己免疫疾患の一つで、ウイルスや細菌がきっかけとも言われている。
両足の筋力低下、しびれ、運動麻痺、呼吸麻痺にもなりえる病気にかかり、治療を経て、リハビリ、回復に至るまでをコラムで振り返る。

すさまじいしびれと聞いたことのない病名

翌朝、目を覚ますといつも通り鏡に向かった。
「ありゃ~!」と思わず声を上げる。

なんと顔面がマヒしてまぶたが垂れ下がり、口の周りの筋肉もあきらかに緩んでしまっている。

妻が私の声に驚き飛び起きて来た。
「すぐに病院へ行って!私は子供の準備をしてからすぐに追っかけますから、、、。」
お互い準備にとりかかる。

私は、それでも病院の後に会社に行かなければと思い、ワイシャツを着始めるが、まったくボタンを閉めることができない。
手がしびれて指先に力が全く入らない。
(ショック・・・!)
今までに味わったことのない感覚、ゆがんだ顔、完全にパニックになっていた。

しばらくして、やってきたタクシーに飛び乗り近くの総合病院へ。

医師の診断は淡々と

病院で受付を済ませ、待合室で順番を待つが、順番がなかなか回ってこない。

家族に状況報告や、会社や取引先などに連絡をするべく病院の外と待合室を行き来していたが、今度は足がしびれてきた。
足にバネをつけて歩いているような、フワフワして踏ん張れない心地。

このとき「これはただ事ではない・・・。」という予感が脳裏を駆け巡った。
指先などの先端から少しずつ、少しずつ何らかのウィルスに蝕まれていく感覚。

その後、子供を親に預けた妻と合流し、ほどなく診察の順番となった。
医師に前日からの一連の症状を伝えると、即座に、しかもはっきりと、

「ギランバレー症候群だと思います。」
「ギ、ギランバレー・・・!?」

聞いたこともない病名に緊張が走る。聞き返す間もなく、医師は、

「全身の神経を冒す病気です。このまま入院しなければなりませんが、この病院にベットの空きがないのと、緊急性を伴うので、今から近くの大学病院の救急病棟に連絡を入れておきます。自身で呼吸ができなくなった場合は、人工呼吸器をつけて治療していくこととなります。退院はリハビリ含めて早くて3ヶ月、長ければ1年になります。後遺症が残る確率は10~20%あります。」

気持ちいいくらい、はっきりとした口調で説明してくれたのが印象的だった。

唖然としつつ、とにかく急がなければ、と早々にタクシーで大学病院へ向かった。
移動中のタクシーは時間にして15分程度であったが、まさに修羅場だった。

自分は体が動かなくなっていくのを感じながら、勤務先へ状況を伝えなければならないと必死。
一方で、妻は突然のことにパニック状態。

妻:「これからどうすればいいの?!」
私:「ちょっと待って今、メールしなくちゃ。皆に連絡しておかなきゃ。しばらくメールもできなくなるかもしれないから・・・。」

人工呼吸器という言葉に植物人間状態をイメージし、「死をも覚悟した」まさに必死の交信である。

プロフィール
岩本 晃一

岩本 晃一(いわもと こういち)

株式会社ライフィ 理念経営推進室
2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP

1968年、神奈川県生まれ。大学卒業後、住宅メーカー、生命保険の営業職を経験。
45歳で娘が生まれ、その8か月後にギランバレー症候群を発症。本コラムでは、治療から回復までの体験を振り返る。

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