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更新:(公開:2016年4月25日)

医療保険の入院給付金は日額いくら必要?入院費用のデータをもとに解説

執筆者

荒木 和音
ファイナンシャルプランナー、ファイナンシャル・プランニング技能士2級 >プロフィールを見る

医療保険の入院給付金は日額いくら必要?入院費用のデータをもとに解説

医療保険に加入する際に、入院給付金の日額(入院日額)はいくら必要なのでしょうか?

医療保険に加入している人の入院日額の平均や、実際にかかった入院費用の平均額を参考に、入院日額の決め方について解説します。

実際に入院するといくらかかる?

医療保険の入院日額について考える際は「実際に入院したらどれくらいお金がかかるのか」を把握しておくことが大切です。ここでは、生命保険文化センターの最新調査データをもとに、入院時の費用の内訳と平均額を確認していきましょう。

入院時にかかる費用の内訳

病状や入院中の過ごし方によって個人差がありますが、主に以下のような費用がかかります。

医療費

入院時にかかる入院基本料のほか、手術代、検査代、診察代、投薬料などの治療費です。

公的医療保険が適用される治療であれば、自己負担は原則3割(70歳未満の場合)で済みます。さらに、1ヶ月の自己負担額が所定の上限をこえた場合には、超過分が払い戻される「高額療養費制度」を利用できます。

ただし、先進医療や自由診療は公的医療保険の適用対象外となり、医療費は全額自己負担です。

差額ベッド代

一般病室の利用料は入院基本料に含まれますが、4人以下の少人数部屋に入院したときには原則として差額ベッド代が別途請求されます。

差額ベッド代の金額は各病院が設定しており、全額が自己負担です。

厚生労働省によると、1日あたりの差額ベッド代は平均6,862円(2024年8月1日時点)です。人数の少ない部屋ほど料金が高額になる傾向があり、個室(1人部屋)の平均額は1日あたり8,625円です。

食事代

入院先の病院で提供される食事代は、法律により基本的に1食あたり自己負担額550円とされています(2026年6月1日以降)。

住民税非課税世帯など、所得によっては負担額がより低額に抑えられています。

病院の食事以外に自分で購入した食品は、全額自己負担です。

入院中の衣類・日用品代

パジャマ、スリッパ、歯ブラシなどの入院生活に必要な身の回り品の購入費がかかります。病室のテレビや冷蔵庫は利用料が別途必要なことも少なくありません。

家族のお見舞いの交通費や食事代など

家族がお見舞いに来る際の交通費や食事代のほか、子どもや介護が必要な家族と同居している場合は、家事代行やベビーシッターなどの費用が発生するケースもあります。

入院1日あたりの平均費用

生命保険文化センター「2025(令和7)年度 生活保障に関する調査」によると、過去5年間に入院した人の1日あたりの自己負担費用は平均24,300円です。

分布を見ると、「10,000〜15,000円未満」が21.5%と最も多い一方で、「40,000円以上」も15.1%を占めており、費用には大きな差があることがわかります。

直近の入院時の1日あたりの自己負担費用
入院時の1日あたりの自己負担費用

※【集計ベース】過去5年間に入院し、自己負担費用を支払った人 (高額療養費制度を利用した人+利用しなかった人(適用外含む))

※治療費・食事代・差額ベッド代に加え、交通費(見舞いに来る家族の交通費も含む)や衣類、日用品などを含む。高額療養費制度を利用した場合は利用後の金額

出典:生命保険文化センター「2025(令和7)年度「生活保障に関する調査」

入院1回あたりの平均費用

同調査によると、入院1回あたりの自己負担費用の平均は18.7万円です。

分布では、「10〜20万円未満」が37.0%で最も多く、次いで「5〜10万円未満」が19.7%となっており、全体の約7割が20万円未満に収まっています。一方で「30〜50万円未満」も14.0%あり、入院が長期化した場合や差額ベッド代がかさんだ場合には費用が膨らむこともわかります。

直近の入院時の自己負担費用
直近の入院時の自己負担費用

※【集計ベース】過去5年間に入院し、自己負担費用を支払った人 (高額療養費制度を利用した人+利用しなかった人(適用外含む))

※治療費・食事代・差額ベッド代に加え、交通費(見舞いに来る家族の交通費も含む)や 衣類、日用品などを含む。高額療養費制度を利用した場合は利用後の金額

出典:生命保険文化センター「2025(令和7)年度「生活保障に関する調査」

入院日額はいくら必要?

自分に合った給付金額を選ぶために、日額5,000円・10,000円・20,000円の3パターンで、それぞれどの程度の費用をカバーできるのかを見ていきましょう。

最低限の医療費に備えるなら日額5,000円

日額5,000円でカバーできるのは、主に高額療養費制度適用後の医療費自己負担分です。

高額療養費制度を利用すると、医療費の自己負担は月額約8〜9万円(70歳未満・年収約370〜770万円の場合)に抑えられます。30日入院した場合、1日あたり約2,700〜3,000円になるため、日額5,000円で十分まかなえる計算です。

ただし、実際の入院費用は入院日数や病状により大きく異なります。差額ベッド代のかかる個室(平均8,625円/日)を希望する場合や、長期入院のリスクが気になる方には不安が残る金額です。

そのため、日額5,000円で足りるのは、差額分を預貯金でまかなえるだけの貯蓄がある場合などです。または勤務先で加入している健康保険に付加給付などがあり、医療費の自己負担額を大きく軽減できる場合などに限られるでしょう。

入院時の費用に幅広く備えるなら日額10,000円

日額10,000円は、高額療養費適用後の医療費に加え、差額ベッド代や食事代など公的医療保険適用外の費用にも幅広く備えられる金額です。生命保険文化センター「2025(令和7)年度 生活保障に関する調査」では、加入者が「必要だと思う入院給付金日額」の平均は10,100円とされており、日額10,000円はこの水準にほぼ一致します。

実際、差額ベッド代の平均6,862円と食事代1,650円(1食550円×3食)を合計すると約8,500円で、日額10,000円ならこれらをおおむねカバーできます。2〜4人部屋(差額ベッド代2,700〜3,100円程度)であれば、給付金の中から衣類・日用品や家族の交通費を捻出する余裕も生まれるでしょう。

保障と保険料のバランスを重視したい方や、個室にこだわらず2〜4人部屋で問題ないと考える方に適した金額といえます。

入院中の収入減少が気になるなら日額20,000円

日額20,000円は、入院費用だけでなく、働けない期間の収入減少の補填も視野に入れたい場合に適した金額です。

同調査によると、入院1日あたりの自己負担費用と逸失収入(仕事を休むことで得られなくなった収入)を合算した総額は平均30,100円です。日額20,000円の給付金を受け取ることができれば、自己負担費用の7割程度をカバーできるため、収入減少の影響を和らげることが期待できます。

特に自営業・フリーランスなど傷病手当金がなく、入院すると収入が途絶える可能性がある方や、住宅ローンなど毎月の固定費が大きく、家計に余裕がない方は検討してみる価値があるでしょう。

ただし、日額を10,000円から20,000円に引き上げると、保険料はおよそ2倍になります。家計が圧迫されないよう、無理なく払い続けられるか必ず確認しましょう。

自分にあった入院給付金日額の決め方

入院給付金日額を決める際は、以下のポイントを意識すると良いでしょう。

  • 貯蓄でどこまでカバーできるか
  • 入院中の収入減少をカバーする手段はあるか
  • 差額ベッド代をどう考えるか
  • 他の保障との重複はないか

入院給付金だけで入院費用をすべてカバーしようとする必要はありません。預貯金に余裕がある場合や、傷病手当金や健康保険の給付が充実している場合は、日額を低めに抑え、差額は貯蓄で補うという考え方もあります。

一方で、貯蓄が少ない場合や自営業やフリーランスなど公的保障が少ない場合、個室を希望する場合などは日額を高めに設定した方が、入院時に安心して治療に専念できるでしょう。

新たに保険に加入する際は、保険料の負担が重くなりすぎないよう、既に加入している保障内容を確認し、不足分を補う形で日額を設定するのがおすすめです。

入院給付金以外で入院費用に備える方法

また、入院費用に対する保障は入院日額だけに限りません。貯蓄を充てたり、医療保険の他の給付金で対応したりすることも可能です。

入院時に給付を受けられる主な保障を挙げてみましょう。

手術給付金

入院中に手術をした場合には、医療保険から手術給付金を受け取れる可能性もあります。

多くの医療保険では、入院給付金と手術給付金が基本保障にセットされているためです。

手術給付金は、手術の種類などに応じて入院日額の5倍、10倍、20倍など所定額が支払われます。

手術給付金がセットされている医療保険に契約していれば、入院給付金とは別に、手術給付金を受け取れます。

入院一時金

医療保険には、入院給付金が一時金で支払われるタイプの商品があります。

入院日数に関わらず、契約時に定めた金額が一律で支払われます。

日帰り入院や1泊2日など短期間の入院でも5日分などまとまった金額を受け取れるタイプや、日額の給付金とは別に上乗せで一時金を受け取れるタイプなどもあります。

生命保険文化センターの調査によると、20代から50代では入院日数が「5~7日」というケースが多いため、短期間の入院でも医療保険からまとまった金額を受け取れると、自己負担を抑えられそうです。

特定疾病保障特約・女性特約

がん・心疾患・脳血管疾患や女性特有の病気など、特定の病気による入院に対しては給付金の日額が上乗せされる医療保険もあります。

がん入院特約、特定疾病保障特約(「三大疾病特約」、「七大疾病特約」などの場合もあります)、女性疾病入院特約などがセットされているプランや、オプション付加した場合に保障を受けられます。

実費型の医療保険

入院日額ベースではなく、入院などの治療にかかった費用に応じて給付を受けられる実費型の医療保険もあります。

これらのタイプでは、入院日数に関わらず、入院治療にかかった費用の実費が補償されます。

手術や入院前後にかかる費用への補償を付加できるものもあります。

こうした補償を付けることで、入院中の差額ベッド代のほか、留守宅の清掃代行サービスや家族のベビーシッター・介護サービスなどにかかる費用に備えることもできます。

入院給付金でカバーできる範囲をイメージして治療費の備えを

入院時には治療費のほかに食事代や差額ベッド代など、入院生活に関わるお金がかかるのが一般的です。

公的保険による補助を受けても自己負担がかかる場合に、医療保険で備えておけると安心です。

入院給付金以外の給付を受けられることもありますので、医療保険を検討する際には入院日額がいくら必要かだけでなく、手術や特定の病気への保障も選択肢に含めて考えてもよいでしょう。

今、みんなが選んでいる
今、みんなが選んでいる

出典:生命保険文化センター「2025(令和7)年度「生活保障に関する調査」

出典:厚生労働省 中央社会保険医療協議会 総会(第613回)「主な選定療養に係る報告状況

出典:厚生労働省「入院時の食費・光熱水費について

出典:厚生労働省「健康保険及び国民健康保険の食事療養標準負担額及び生活療養標準負担額

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