女性特有の病気のひとつである子宮筋腫。状況により、投薬や手術などの治療が必要ですが、生命保険ではどのようにカバーできるのでしょうか。
また、子宮筋腫が見つかったときや治療中に保険に入れるのでしょうか?
この記事では子宮筋腫で受け取れる生命保険や、加入できる保険について解説します。
子宮筋腫になった場合、保険はいくらおりる?受け取れる金額の目安
子宮筋腫で入院や手術をした場合、医療保険や生命保険からどのくらいの保険金がおりるのか気になる人も多いでしょう。実際に受け取れる金額は、契約している保険の内容や入院日数、手術の種類によって異なります。
例えば、入院給付金が「1日1万円」の契約で5日間入院した場合には5万円、さらに手術給付金が入院日額の20倍のタイプなら20万円程度が支払われるケースもあります。
このように、子宮筋腫でも入院給付金や手術給付金などの保障内容によって、受け取れる金額が変わります。
入院給付金
子宮筋腫の治療のために入院した際、契約している保険の支払事由に該当する場合には、入院給付金が給付されます。
給付のタイプは、保険の商品やプランなどによって異なります。
おもに、入院1日につき1万円のように、入院日数に応じて支払われるタイプや、入院をしたら一律10万円のように、入院日数に関わらず所定の金額が支払われるタイプ、診察や入院などの治療でかかった自己負担額の実費を補償するタイプの医療保険も一部販売されています。
なお、近年は腹腔鏡手術などの普及により、子宮筋腫の治療でも入院期間が短くなるケースが増えています。そのため、入院日数に応じた給付だけでなく、一時金タイプの保障を検討してもよいでしょう。
手術給付金
筋腫のできた部位や大きさなどによっては、摘出手術を受けることがあります。医療保険などに手術給付金の保障がついていれば給付金が支払われます。
手術を受けたときに給付される金額は、保険の契約内容や手術の内容によって異なります。入院給付金の日額の10倍や20倍などとされている保険や、手術内容に応じて10万円・20万円・40万円などと金額が決まっている保険もあります。
子宮筋腫の場合、子宮筋腫に対する手術(子宮全摘出術や子宮筋腫核出術など)では医療保険で支払対象になるケースがありますが、詳細は約款や商品パンフレットでの確認が必要です。
女性疾病特約の給付金
医療保険や生命保険には、女性特有の病気を保障する特約を付けることも可能です。子宮筋腫は多くの保険会社で女性疾病に含まれますので、上述の入院給付金とは別に、女性疾病特約の給付金を受け取ることができます。
入院給付金の日額が2倍になる、入院一時金が上乗せされるような保険もあります。
例えば、日額8,000円の入院給付金に女性疾病特約を付けると、子宮筋腫で入院した場合に同額の8,000円が上乗せされ、1日あたり1万6,000円受け取れます。
先進医療給付金
先進医療の対象になる手術・医療技術を利用した場合には、先進医療特約の給付対象になります。
子宮筋腫の治療や摘出手術では、先進医療を用いるケースは一般的にはほとんど行われていませんが、もし利用する場合には、契約している保険の先進医療特約から、先進医療に該当する技術料部分は給付を受けられる可能性があります。
子宮筋腫の治療中・治療後でも入れる生命保険
では、これまでに子宮筋腫の治療を受けたことがある人や、現在治療を受けている人は、新たに生命保険に加入できるのでしょうか?
子宮筋腫があっても入れる保険についてみてみましょう。
標準的な生命保険
一般的な生命保険や医療保険は、加入するときに健康状態の告知が必要です。
保険会社によって異なりますが、一般的には直近数か月〜数年の診療・入院歴を告知する必要がありますので、子宮筋腫の治療中や入院中には、保険加入ができない可能性があります。
加入できても、保障に制限がついたり保険料が割増されたりといった条件付の契約になることもあります。
しかし、子宮筋腫の手術から5年以上経っている、治療が完了しているようなケースなら、標準的な生命保険に加入できる可能性があります。
引受基準緩和型
現在、子宮筋腫の治療中であると、標準的な生命保険の加入は難しくなることがありますが、持病がある人向けの「引受基準緩和型」の保険は加入できるかもしれません。
例えば、子宮筋腫があるが薬の処方や通院治療のみをしており手術をしたことがない、医師から入院や手術を勧められていないといったケースが考えられます。
引受基準緩和型の保険は告知項目が少ないため、治療の状況が告知での質問事項に当てはまらなければ、保険に加入できる可能性があります。
ただし、保険料は標準的な生命保険に比べて割高です。
無選択型
いずれの保険にも加入の見通しが立たないときには、告知のない「無選択型」の保険を選ぶのもひとつの方法です。無選択型の保険は、一定の年齢・加入金額などの条件を満たせば、健康状態による加入可否の選択を行わず申し込むことができます。
ただし、保障内容が一部制限されていたり、保険料が引受基準緩和型の保険以上に割高であることは注意が必要です。
子宮筋腫の経過観察中でも告知が必要
これまでに子宮筋腫が見つかったことがあるものの、経過観察中で治療を受けたことはない、入院や手術を受ける予定がないといった場合には、標準的な医療保険や生命保険に加入できる可能性があります。
ただしそのようなときでも、原則として生命保険の加入時に告知は必要です。標準的な保険では、検診結果で『子宮筋腫』と診断されている場合、たとえ自覚症状がなく治療もしていなくても、健康診断での異常所見として告知対象になるケースが一般的です。所定の期間内に健康診断や人間ドック、婦人科検診などで異常を指摘されたことがあれば、その旨を告知するよう求められることが多いためです。
加入できた場合には、子宮に関わる病気は部位不担保(※)になる、条件付の契約になる可能性があります。
(※)部位不担保とは、一定期間その部位に関する病気については給付金の支払い対象外となる条件のことです。
子宮筋腫の手術費用は?生命保険でどこまでカバーできるか
子宮筋腫の手術費用は、手術方法や入院日数によって異なります。一般的には、健康保険適用後の自己負担額は数万円〜十数万円程度になるケースが多いとされています。
また、日本では公的医療保険の「高額療養費制度」によって自己負担額に上限が設けられているため、一定以上の医療費負担は軽減されますが、生命保険や医療保険に加入している場合には、入院給付金や手術給付金を受け取れる可能性があるため、子宮筋腫の手術費用を生命保険で補うこともできます。
子宮筋腫が見つかったときへの備えを、生命保険で対応
40~50歳代の女性では、子宮筋腫はそれほど珍しい病気ではありません。しかし、治療のために入院や手術をすることになれば経済的な不安を感じることもあるでしょう。
多くは公的な医療制度で医療費の負担が軽減されますが、民間の生命保険で補える部分もあります。
日本では公的医療保険の「高額療養費制度」により、医療費の自己負担額には上限が設けられており、子宮筋腫の手術でも一定以上の負担は軽減されます。具体的には、健康保険による3割負担に加え、高額療養費制度を利用することで1か月あたりの自己負担額に上限が設けられます。また、事前に「限度額適用認定証」を申請しておくと、窓口での支払いを上限額までに抑えられます。
マイナ保険証でオンライン資格確認に対応している医療機関を受診する場合は、事前の「限度額適用認定証」の申請や持参は原則不要です。マイナ保険証が使えない医療機関や、マイナ保険証を持っていない場合には、従来どおり限度額適用認定証の申請・提示が必要になることがあります。
すでに子宮筋腫の治療中であると、新たな保険への加入に制約が生じることがありますが、告知内容によっては、標準的な保険に加入できたり、持病がある人に向けた保険を選ぶ方法もあります。
治療の経過や現在の状況によって、加入できる保険の選択肢は異なります。詳しくは、保険会社や保険を取り扱う代理店などに相談することで、ご自身が加入できる保険のイメージがつくのではないでしょうか。
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執筆者プロフィール
曽布川 美穂(そぶかわ みほ)
FPサテライト株式会社
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、日本FP協会 CFP認定者
FPサテライト所属ファイナンシャルプランナー 働きながらCFP取得。お金にまつわる記事の執筆・監修や個別相談を行っている。
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