自閉症スペクトラム障害(ASD)、アスペルガー症候群、注意欠陥多動性障害(ADHD)といった発達障害があると、生命保険や医療保険の加入が難しいと聞いたことがありませんか?
ご自身やご家族に発達障害があり、保険への加入に不安を感じている方もいるかもしれません。
生命保険は、発達障害のある人は加入できるのでしょうか?発達障害のある人に向けた保険とともに解説します。
発達障害でも生命保険・医療保険に加入できる?
生命保険や医療保険に契約する際には、健康に関する告知や診査が必要です。
告知や診査で問われる質問事項には、原則として「発達障害ですか?」のように具体的に障害の種類や名称を聞かれることはほとんどありませんが、発達障害のために定期的に診察を受けていたり、薬を飲んでいたりすれば、その旨を告知する必要があります。
告知した内容にもとづいて、保険会社が加入の可否を判断します。
告知によっては一般的な生命保険・医療保険に加入できることも
発達障害の治療中であることを告知したからといって、必ず保険に加入できなくなるわけではありません。症状や診断歴、判断能力の程度などに応じて、個別に判断されます。
ですから、発達障害があっても、標準的な生命保険や医療保険に加入できるケースもあります。
ひとくちに発達障害といっても、その種類は多様です。よく知られているものだけでも自閉症スペクトラム障害(ASD)、アスペルガー症候群、注意欠陥多動性障害(ADHD)がありますし、そのほかにも学習障害(LD)やチック障害や吃音症、発達性協調運動障害なども含まれます。
またそれぞれについて医師の診断を受けたことがあるか、グレーゾーンなのか、子どもの頃の発症か、日常生活に支障を来しているかなど、その状況には大きな個人差があります。
こうした事情を個別に審査をして、保険への加入が判断されているようです。
持病がある人向けの生命保険・医療保険に加入できることも
標準的な保険への加入を断られてしまった場合には、持病がある人向けの生命保険・医療保険を探す方法があります。
告知を緩やかにした「引受基準緩和型」は、2~5項目の告知事項に該当がなければ、加入できます。また、「無選択型」の保険は告知がないため、健康状態にかかわらず加入ができます。
ただし、いずれも標準的な保険に比べると保険料が割高だったり、保障内容が制限されることがある点には注意しましょう。
どのような保険で契約できる可能性があるのか、詳しいことは、保険会社や保険代理店などに問い合わせてみるとよいでしょう。契約可否の目安などについて相談に乗ってもらえることもあります。
発達障害でも入れる生命保険
しかしながら、発達障害に関する告知によって、標準的な保険に入りにくくなるケースもあります。個別に保険会社に照会するのが負担に感じることもあるでしょう。
そこで、発達障害のある人に向けた専用の保険もあります。
ここでは、そのひとつであるぜんち共済株式会社の「ぜんちのあんしん保険」を挙げてみましょう。
「ぜんちのあんしん保険」の保障内容
「ぜんちのあんしん保険」は特定の障害や病気がある人に向けた保険です。万一の死亡時、病気やケガでの入院や手術時、そしてトラブルにあったときの備えがセットになっています。
精神遅滞、発達障害、ダウン症、てんかんでの死亡や入院での保障が手厚くなっている、誤って他人の物を壊してしまった、ケガをさせてしまったときなどの個人賠償責任補償がついている、他人からのトラブルに遭ってしまったときに弁護士への法律相談や委任にかかる費用が補償されるなど、発達障害のある人の立場に寄り添い、ニーズに合った保障がパッケージになっています。
「ぜんちのあんしん保険」の加入条件
ぜんちのあんしん保険は、障害のある人とその家族で、満5歳~満74歳の人が加入できます。
※ご加入の際には、商品の詳しい内容をご確認ください。
「知的障害・発達障害・ダウン症・てんかんのある方向け」の医療保険
まずは現状を告知して、加入できるか確認を
発達障害のある人が加入できる保険は、障害の状況により選択が分かれます。
まずは標準的な保険で現状を告知したり、相談したりして、加入できるかどうか確認してみてはいかがでしょうか。標準的な保険が難しいときには、持病がある人向けの生命保険・医療保険や、発達障害の人向けの専用の保険を検討することができます。
ご自身・ご家族に合った保険を選んで、もしもの不安を軽減できるといいですね。
参考:厚生労働省「発達障害の理解のために」
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監修者プロフィール
ライフィ編集部
「お困りごと解決のためのお役立ち情報サイト」を目指し、生命保険・損害保険を中心に、健康や家計などさまざまな情報を掲載しています。メンバーは独自の視点でお客さまのお困りごとに日々耳を傾け、編集・発信しています。
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