賠償責任保険は、思わぬアクシデントで人にケガをさせてしまったり、人のものを壊してしまったりして、法律上の損害賠償責任を負ったときの費用に備える保険です。
個人向けには、自動車保険や火災保険、傷害保険などのオプションで加入できるのが一般的で、「個人賠償責任特約」「日常生活賠償特約」などの名称で提供されています。
賠償責任保険では、日常生活上のアクシデントで負う賠償責任について、大きく分けて1.人のケガや死亡への賠償、2.人のモノを壊したことに対する賠償の2つに備えることができます。
賠償責任保険でどんな備えができる?
賠償責任保険は、日常生活で思わぬアクシデントによって人にけがをさせてしまったり、人のモノを壊してしまったりして、損害賠償責任を負ったときに保険金がおりる保険です。
現在、個人向けには自動車保険、火災保険、傷害保険、自転車保険などの補償のひとつとして提供されており、これらを契約する人がおもに検討したい保険(オプション)です。
おもに、次の2つに備えることができます。
1.人にけがをさせた、死亡させてしまったときに賠償するお金に備えられる
日常生活で人にけがをさせた、死亡させてしまったなどで賠償責任を負ってしまったときに、支払うべき賠償金が保険からおります。
たとえば自転車に乗っていて歩行者にぶつかってケガをさせた、ペットの犬が他の人にかみついてケガをさせてしまったようなケースでは、ケガをした相手の治療費や休業の補償、慰謝料などを賠償することがあります。
その結果後遺障害が残ったり、死亡してしまったりすると、高額な賠償責任を負うこともあります。そんなときの負担に備えることができます。
保険によって異なることもありますが、保険に契約している本人が他の人をケガさせてしまったときだけでなく、子どもなど家族によるアクシデントでも対象になるのが一般的です。
2.人のモノを壊してしまったときに賠償するお金に備えられる
思わぬアクシデントで、人のモノを壊してしまった場合にも、賠償責任保険がおりることがあります。
たとえばお店で商品を誤って落としてしまった、会食中に飲み物をこぼして他の人の服を汚してしまった、子どもが遊んでいるときに他人の家の窓ガラスにボールをぶつけて割ってしまったようなケースです。
これらについても、相手に賠償するためにかかった修繕費用などが保険からおります。
上記の賠償責任の補償内容は、「個人賠償責任特約」などとして提供されている場合にはほぼ共通しています。
自動車を持っている人が契約する自動車保険、自宅にかける火災保険、ケガに備えて契約する傷害保険、自転車に乗る人が契約する自転車保険には、賠償責任保険が補償のパッケージに含まれているか、オプションで付加できることが多いです。
自動車事故、賃貸に関する賠償責任は対象外
個人賠償責任保険は、日常生活で起きる思わぬアクシデントに対応できる保険ですが、全ての事故に対応できるわけではありません。
ほとんどの個人賠償責任保険では、自動車による事故や、賃貸借上で生じた賠償責任は対象外としています。
自動車やバイクの保険には「対人賠償」「対物賠償」があり、自動車事故によって負った賠償責任を補償します。また、賃貸住まいの人向けの火災保険(家財保険)には、水漏れなどで大家さんへの賠償責任を負った時を補償する「借家人賠償」があります。
日常生活のさまざまなアクシデントに備えて賠償責任保険の検討を
このように、賠償責任保険はご自身やご家族が日常生活でのトラブルによって賠償責任を負うリスクに備えることができます。
基本的には単独で契約するものではなく、自動車保険などのオプションとして加入しますから、ご自身が契約している保険でどこまでカバーできるかを確認したいですね。
以下の記事では、賠償責任保険の内容や注意点などについて詳しく解説しています。ご自身やご家族の生活スタイルに合わせて、賠償責任保険を検討したいですね。