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更新:(公開:2023年6月26日)

賃貸の火災保険(家財保険)を指定されたら?自分で火災保険に加入できるのかと合わせて解説

執筆者

荒木 和音
ファイナンシャルプランナー、ファイナンシャル・プランニング技能士2級 >プロフィールを見る

賃貸の火災保険(家財保険)を指定されたら?自分で選べる保険と合わせて解説
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賃貸の部屋を借りる契約をするときには、火災保険(家財保険)の加入について貸主や不動産会社、管理会社などから指定されることがあります。

もし指定されたときには、強制的にその火災保険に加入しなければならないのでしょうか?補償や保険料を他の火災保険と比較して、自分で加入することはできるのでしょうか。

自分で火災保険に加入するときの方法や流れと合わせて解説します。

火災保険(家財保険)を不動産会社に指定されたら?

賃貸向けの火災保険は、家財の損害を補償する家財保険を中心に、貸主や第三者への賠償責任補償など、賃貸中のリスクに備える保険がセットになっているのが一般的です。

このため、賃貸向けの火災保険は「火災保険」または「家財保険」と呼ばれます。

部屋を賃貸で借りるときには、火災保険(家財保険)の加入が必須とされたり、保険の内容や契約先をオーナー(貸主・大家さん)や不動産会社などから指定されたりすることがあります。

基本的には自分で保険を選べる

賃貸の火災保険は、基本的には入居する人が自分で契約するもので、商品や保険会社などを自由に選ぶことができます。ですから、法律上は加入が強制というわけではありません。

ただ、物件のオーナーや管理会社によっては、部屋を借りるには賃貸用の火災保険に加入することを条件としていたり、賃貸借契約書上で火災保険の加入や補償内容などのルールが指定されることがあります。

どんな補償が指定されているか、まずは賃貸借契約書の内容を確認しましょう。よく指定されることがあるのが、おもに次の補償です。

借家人賠償補償

貸主に対する賠償の補償です。借りている人が起こした事故で部屋に損害を与えて、賠償責任を負ったときに補償されます。

  • <補償対象となる主な事故>
  • 火の不始末で火災を起こし、壁や天井を焼損させてしまった
  • 洗濯機のホースが外れて床が水浸しになり、フローリングが損傷した
個人賠償責任補償

貸主以外の第三者に対して賠償責任を負ったときの補償です。物件によっては、借家人賠償補償とは別に、個人賠償責任補償への加入が求められることもあるようです。

  • <補償対象となる主な事故>
  • 水漏れを起こし、階下の住人の家具や家電に損害を与えてしまった
  • ベランダから物を落とし、通行人にけがをさせてしまった

個人賠償責任補償は日常生活全般でのアクシデントが対象になる保険なので、賃貸向けの保険に限らず、自動車保険や傷害保険のオプションとして付けられることもあります。

自分で賃貸の火災保険(家財保険)に加入した方が保険料は安くなる?

自分で賃貸の火災保険(家財保険)に加入したからといって、必ずしも保険料が安くなるとは限りません。同じ補償内容であれば、加入経路に関わらず保険料に大きな差は出にくいこともあります。

「自分で選んだ方が安かった」というケースは実際にありますが、その多くは補償内容や保険金額の設定が異なることによるものです。不動産会社経由のプランは、補償が幅広くセットされていたり、家財の保険金額が一律で高めに設定されていることが多いため、結果として保険料も高くなる傾向があります。

裏を返せば、家財の少ない一人暮らしの方などは、保険金額を実態に合わせて引き下げたり、不要な補償を外したりすることで、保険料を抑えられる余地があるということです。不動産会社から紹介されるプランが2年契約で2万円前後が一般的であるのに対し、自分でインターネットなどから加入した場合、2年間で1万円前後に収まるケースもあります。

ただし、賃貸借契約で指定された補償条件(借家人賠償責任の保険金額の下限など)を満たしているかは必ず確認しましょう。条件を満たさない保険で契約すると、再加入を求められることもあります。

賃貸の火災保険(家財保険)に自分で加入するには?

賃貸の火災保険は、不動産会社や管理会社などを通して加入できますが、自分で保険会社や保険代理店を選んで加入することもできます。

自分で加入する場合の窓口は、大きく「インターネット」と「保険代理店・保険ショップ」の2つに分けられます。

インターネット

損害保険会社や保険代理店のウェブサイトから、自分で直接、火災保険に申込・契約する方法もあります。オンラインで申込の手続きから保険料の支払までを完了させることができ、窓口の営業時間を気にせず手続きを進められるのが特徴です。見積りだけを先に取って比較することもできるため、複数の商品をじっくり検討したい方に適しています。ただし、補償内容や保険金額を自分で判断して設定することになるので、申込の前に賃貸借契約書で指定条件を確認しておきましょう。

保険代理店・保険ショップ

入居する部屋の情報を伝えれば、その場で見積りや申込の手続きができます。指定されている補償条件を満たしているかを担当者に確認しながら選べるため、保険選びに不安がある方や、補償内容を相談しながら決めたい方に適しています。複数の保険会社の商品を扱う代理店であれば、条件を満たす商品同士を比較してもらうことも可能です。

なお、賃貸向けの火災保険は大きく「損害保険会社」の商品と「少額短期保険会社」の商品に分かれます。少額短期保険は保険料が比較的安い傾向にありますが、法令上、保険金額の上限や保険期間に制限がある点に注意が必要です。

例えば、少額短期保険の場合、借家人賠償責任補償の上限は1,000万円です。そのため、火災で部屋に大きな損害を与えてしまい、原状回復費用が1,000万円をこえる場合、補償が不足する可能性があります。

賃貸借契約で求められる借家人賠償責任の保険金額が1,000万円をこえる場合や、より手厚い補償を確保しておきたい場合は、損害保険会社の商品を選ぶことも検討しましょう。

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自分で賃貸の火災保険(家財保険)に加入するときの流れは?

賃貸の部屋を借りる人が自分で火災保険に加入するときは、次のような流れで加入します。

1.必要な補償条件を確認する

まず、部屋のオーナーや管理会社などから指定されている火災保険の補償内容や条件を確認します。

賃貸の募集に関する書類や契約書などをみてみましょう。特に、借家人賠償責任補償や個人賠償責任補償は加入が必須とされるケースが多いようです。

補償の種類だけでなく、細かな条件が指定されていることもあります。例えば「借家人賠償責任の保険金額は2,000万円以上」「保険期間は賃貸契約と同じ2年間」といった条件です。自分で選んだ保険がこれらの条件を満たしていないと、再加入を求められることがありますので、賃貸借契約書の記載を確認しておきましょう。

2.複数の保険を比較する

自分で火災保険を選ぶ際には、以下のポイントを中心に複数の商品を比較してみましょう。

火災保険を選ぶポイント
項目 ポイント
家財の保険金額 実際に持っている家財の量に合わせて設定すれば保険料を抑えられます。一人暮らしなら300万円程度が目安です。
借家人賠償責任の保険金額 賃貸借契約で下限が指定されていないか確認しましょう。1,000万〜2,000万円が一般的です。
個人賠償責任の保険金額 対人事故の場合は高額な賠償が発生する可能性もあるため、1億円以上の補償があると安心です。
破損・汚損の補償の有無 子どもが家具を壊したなど日常のアクシデントに備えたい場合はセットしておくのがおすすめです。
免責金額 免責金額が高いほど保険料は安くなりますが、少額の損害では保険金が支払われなくなります。

出典:ソニー損保「火災保険で家財の保険金額はいくらがいい? 金額の目安や決め方を解説

3.保険証券の写しなどを管理会社へ提出する

火災保険への加入を賃貸契約の条件としている物件では、火災保険に加入したことがわかる証明を求められる場合があります。

自分で火災保険に加入したら、保険証券や加入証の写しを物件の管理会社やオーナーに提出しましょう。

証券や加入証は、契約後に保険会社から発行、郵送されるほか、インターネット上で印刷できる保険会社もあります。

更新時に火災保険(家財保険)を乗り換えられる?

賃貸契約の更新時に、火災保険を乗り換えることもできます。入居当初は借りられる部屋を急いで探していた、引越し前に忙しくて取り急ぎオーナーや不動産会社などに指定された火災保険に契約することもあるでしょう。

そんな場合でも、特別な条件や指定がない限り、基本的に更新時には自分で選んだ火災保険に契約できます。

補償内容の変更もできる

契約先や保険商品を乗り換えるのではなく、契約中の火災保険の補償内容だけを変更する方法もあります。

例えば入居中に家族や持ち物が増えたので家財の保険金額を増やす、子どもが独立して同居家族が減ったので保険金額を減らす、地震保険を追加するといった変更が可能です。契約先の保険会社や保険代理店などに相談してみましょう。

保険の補償内容を見直したり、契約先の保険会社を変更すると、更新後の保険料が安くなるケースもあります。

ただし、手続き中にアクシデントが起きて補償が受けられない事態にならないよう、乗り換え手続きの際には無保険になる期間が生じないように注意しましょう。

賃貸で火災保険(家財保険)を指定されても、自分で保険を選べる

賃貸の火災保険は、不動産会社やオーナー、管理会社などから特定の商品や補償を指定されることがありますが、基本的には自分で選ぶことができます。自分で保険を選ぶ場合は、賃貸借契約で指定されている補償条件を満たしているかを事前に確認しておきましょう。補償内容を調整すれば、不動産会社などが指定したプランより保険料を抑えられることもあります。

なお、入居時に不動産会社指定の保険へ加入した方でも、更新のタイミングで別の保険に乗り換えることは可能です。乗り換えの際は、旧契約の終了日と新契約の開始日に空白が生じないよう注意してください。

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  • 執筆者プロフィール

    ファイナンシャルプランナー 荒木 和音

    荒木 和音(あらき かずね)

    金融分野専門ライター
    ファイナンシャル・プランニング技能士2級
    保険代理店にて個人・法人向けの営業およびリスクコンサルティングなどに計10年以上従事したのち、金融ライターとして独立。大手証券会社・保険会社・大手金融メディアでの記事執筆・監修などを手がける。

賃貸の火災保険(家財保険)に関するよくある質問

  • 不動産会社に火災保険を指定されました。違法ではないのですか?
    特定の保険会社への加入を強制し、他の保険を一切認めないという対応は、独占禁止法に抵触するという見解もあります。ただし、火災保険への加入を賃貸契約の条件とすること自体は、大家さんの正当な権利であり、違法性は低いと言えます。契約・勧誘の内容に疑問がある場合は、最寄りの消費生活センターなどに相談してみましょう。
  • 自分で火災保険に加入する場合、いつまでに手続きすればいいですか?
    入居日(賃貸借契約の開始日)までに補償が開始されるよう手続きを済ませましょう。入居日と補償開始日の間に空白期間があると、その間に事故が起きても保険金が支払われません。インターネット申込であれば即日〜数日で手続きが完了するものもありますが、管理会社に保険証券や加入証の写しの提出を求められることもあるため、余裕をもって1〜2週間前には手続きを始めておくと安心です。
  • 火災保険に加入していれば、退去時の原状回復費用もカバーされますか?
    火災保険の借家人賠償責任補償は、火災や水漏れなど偶然の事故で部屋に損害を与えた場合の賠償をカバーするものです。退去時に請求される通常の原状回復費用(壁紙の汚れや床の傷など)は補償の対象外です。原状回復費用は敷金から充当されるのが一般的ですので、混同しないよう注意しましょう。
  • 不動産会社指定の火災保険を途中で解約して、別の保険に乗り換えることはできますか?
    可能です。賃貸契約の更新時に限らず、契約期間中でも解約して別の保険に切り替えることができます。解約すると、残りの保険期間に応じた保険料が返還されるのが一般的です。ただし、乗り換え先の保険が賃貸借契約で指定された補償条件を満たしているか、事前に確認しておきましょう。また、解約日と新しい保険の開始日に空白が生じると、その間の事故が補償されません。新しい保険の補償開始日を先に確定させてから解約手続きを行うと安心です。
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