賃貸マンションやアパートに住んでいるときに水漏れ被害に遭ったら、どのように被害に対応すればいいのでしょうか?
壁や床の汚れやゆがみなど部屋の損害だけではなく、家具や家電、衣類など自分の持ち物が使えなくなってしまうことも考えられます。
ここでは、上の階の人が原因で損害を受けたときに賠償してもらう流れや、自分の火災保険(家財保険)を使って対応する方法について解説します。
上の階からの水漏れ被害に遭ったときの対応
マンションで上の階からの水漏れ被害に遭った場合、被害を最小限に抑え、その後の賠償や保険金請求をスムーズに進めるために、初動対応が重要になります。
まずは管理会社・管理組合に連絡する
水漏れに気づいたら、まず管理会社(賃貸の場合)または管理組合(分譲の場合)に連絡しましょう。上の階の住人に直接交渉するよりも、第三者を介したほうがトラブルの拡大を防ぎやすくなります。
管理会社や管理組合が原因の調査や応急処置の手配を行い、上の階の住人との連絡も仲介してくれるのが一般的です。
被害状況を写真や動画で記録する
水漏れの被害に遭ったとき、上の階などで事故を起こした側から賠償してもらう場合でも、自分の火災保険(家財保険)を利用する場合でも、事故の被害状況の確認が行われます。
どの家財にどのような損害が生じたのかがわかるように、水漏れ被害の状況を記録しておくとスムーズです。
被害場所の写真を撮っておいたり、壊れたものの内容、購入金額、購入時期などを記録しておいたりすると、確認資料として活用できる可能性があります。
水漏れ被害に遭った家財を処分する際には、処分しても問題ないか、事前に相手や管理会社、保険会社などに確認しておくのもいいでしょう。
水漏れの賠償は誰がどう負担する?
水漏れによる損害を誰が賠償するかは、事故の原因によって異なります。
上の階が原因の場合
蛇口の閉め忘れ、洗濯機のホース外れ、バスタブへの水の出しっぱなしなど、上の階の住人の不注意が原因であれば、その住人に損害賠償を請求できます。
相手が火災保険に「個人賠償責任補償特約」を付けている場合は、その保険から賠償金が支払われるのが一般的です。
ただし、賠償額の確定には被害状況の調査や示談交渉が必要になるため、解決までに時間がかかることがあります。
一方、上の階の部屋にある給排水管が老朽化して漏水した場合(専有部分からの漏水)は、その部屋の区分所有者に対して賠償請求するのが一般的です。
共用部分が原因の場合
水漏れの原因が共用部分の給排水管の老朽化や破損だった場合、建物の所有者(大家)や管理組合が賠償責任を負うのが一般的です。
分譲マンションでは、管理組合が加入しているマンション総合保険で対応できるケースがあります。共用部分と専有部分の区分は管理規約によって異なるため、まずは管理組合に確認しましょう。
マンションの水漏れによる賠償金額の相場は?
賠償額は、内装の復旧費や被害に遭った家財の価値、被害範囲などをもとに算定されるため、一律の相場はありません。
被害が壁紙の一部だけなら数万円〜数十万円程度で済むことも考えられる一方、床・天井・家具・家電まで広範囲に被害が及べば100万円をこえるケースも十分あり得ます。
ただし、賠償額は購入時の金額ではなく、使用年数に応じた消耗分を差し引いた時価で計算されるのが一般的です。
火災保険(家財保険)で水漏れ被害に対応する方法
水漏れの原因が上の階にあるなら相手から賠償を受けるのが原則ですが、実際には解決までに時間がかかるケースが少なくありません。
賠償額を確定するには、被害に遭った家財の特定や損害の査定、相手との示談交渉が必要です。相手が加入する保険会社の調査が入ることもあり、賠償金を受け取るまでに数週間〜数ヶ月かかることがあります。その間、壊れた家電や汚れた家具を使い続けなければならない状況も考えられます。
また、相手が個人賠償責任保険に加入していなければ自己資金での支払いとなるため、交渉が難航したり、支払い自体が滞ったりすることもあるでしょう。
こうした場合に役立つのが、自分の火災保険(家財保険)です。火災保険の補償に「水濡れ」が含まれていれば、上の階からの水漏れで使えなくなった家具や家電、パソコン、寝具、衣類などの家財について、契約している保険金額を上限に、修理や再購入にかかる損害額が支払われます。
持ち家(分譲マンション)の場合は、建物の補償にも水濡れが含まれていれば、壁紙や床材の張り替えといった専有部分の修繕費用も補償対象です。
自分の保険であれば相手との交渉を待たずに保険金を請求できるため、早期に損害を回復しやすくなります。
さらに、火災保険は「新価(再調達価額)」で契約していれば、同等の物を新たに購入するのに必要な金額が補償される点もメリットです。賠償だけでは買い替え費用を十分にまかなえないケースでも、カバーできる可能性があります。
水漏れ被害に遭ったら管理会社や保険会社などと相談しながら対応を
マンションやアパートで水漏れ事故に遭ったときには、上の階の人や保険会社などとやり取りをしながら、損害を賠償・補償してもらうことになります。
賃貸の場合には、管理会社や大家さん(貸主)との連絡も必要になるでしょう。示談交渉や賠償金などについて、相談しながら対応を進めるといいのではないでしょうか。
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執筆者プロフィール
荒木 和音(あらき かずね)
金融分野専門ライター
ファイナンシャル・プランニング技能士2級
保険代理店にて個人・法人向けの営業およびリスクコンサルティングなどに計10年以上従事したのち、金融ライターとして独立。大手証券会社・保険会社・大手金融メディアでの記事執筆・監修などを手がける。
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