初めてのドライブレコーダー【前編】装着するメリットとは?
山田 弘樹
モータージャーナリスト、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、A.J.A.J.(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 >プロフィールを見る
記事の目次
ドライブレコーダーは自動車事故の証拠記録以外にもさまざまなメリットがある
われわれ自動車メディアの中でも、ドライブレコーダーは急速に身近なものとなってきています。
私たちモータージャーナリストを始めとした自動車メディアで働く者は、メーカーから最新の自動車を借りて(広報車といいます)、これを試乗・撮影するなどして記事や映像を作るのですが、万が一事故が起こった際にそれがどのような状況であったのかをきちんと確認するため、数年前からメーカーが多くの広報車にドライブレコーダーを装着するようになったのです。
交通事故の決定的な証拠に
このようにドライブレコーダーの一般的な利用価値は、事故が起こったときの記録にあります。
保険会社を挟むとはいえ当事者間のやりとりで「信号は赤だった」「いや、黄色だったはず」などというやりとりの食い違いはよくある話。これを解決する際に、画像の記録は決定的な証拠となります。
もちろんこの映像記録は証拠の提出義務はありません。ですから自分に不利になるような内容が記録されていた場合は提出をしないでも構いませんが、相手もドライブレコーダーで映像を記録していた場合は隠しようもないことなので、もはや装着している方が得策だと言えるでしょう。
事故以外の現場記録にも
またドライブレコーダーは、活用次第で様々なメリットを生み出せます。
たとえば目の前で事故や事件性のある事象が起こったとき。現場記録としてその映像を提供することができるのです。
実際私の関係者も、目の前で事故が起きたとき被害者側の方に自車の映像メディアを渡してあげたといいます。これならば連絡先をやりとりするだけで、時間がなくても状況整理に協力することができますね。
後方記録の機能であおり運転の予防にも
さらに最新のドライブレコーダーは前方だけでなく後方映像の記録ができるものも出てきています。
これを装着することで今話題の「あおり運転」車に対して記録を取ることができますし、自車がドライブレコーダー装着車であることをステッカーなどで後方車両に理解させることができれば、あおり運転被害も未然に予防することができるのではないでしょうか。
もっともあおり運転は双方に理由がある場合も多く、これについてはまず第一に、「交通の流れを遮断しないスムーズな運転」を心がけることが大切です。この話については、また別の機会にお話をしましょう。
さて後編では、ドライブレコーダーにはどんなタイプがあって、どのようなものを装着したらよいのか? に迫ってみたいと思います。
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執筆者プロフィール
モータージャーナリスト
日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、A.J.A.J.(日本自動車ジャーナリスト協会)会員自動車雑誌「Tipo」の副編集長を経験。数々のレースにも参戦。2018年「スーパー耐久富士スーパーテック24時間」ではドライバーとして2位獲得。執筆活動、レースレポート、ドライビングスクール等の講師、メーカー主催イベントの講演など行う。