「前向き駐車」はどっち向きに停めるのが正解?
山田 弘樹
モータージャーナリスト、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、A.J.A.J.(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 >プロフィールを見る
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答えは「前からとめる」!
なるほど!これは理由が推測できればわかることですね。
私も直接こうした看板を揚げる駐車場の方からお話を聞いたことはないですが、よく見ると場所によっては「停車時は騒音防止のため、エンジンをお切り下さい」という一文が看板の下に書かれていたりします。
塀に排気ガスや排気音を向けないための配慮
つまりスーパーマーケットなどの駐車場で「前向き駐車」をお願いしているのは、排気ガスが塀に掛かってすすけてしまったり、壁の後ろ側にある住宅やお店などに住む方々にマフラーからの排気音が向けられるのを、少し防ぐためですね。
駐車時ではクルマが切り返しをしたり、前進・後退したりする際に、何度も細かくアクセルを踏みます。そこで少しでも騒音を壁や柵の後ろ側へ行かせないために、クルマを「前からとめる」ようにお願いしているのでしょう。というわけで答えは「前からとめる!」
実はバックで駐車する方がカンタン
ただクルマというのは、前から駐車するのが意外と難しいもの。
なぜならそこには「内輪差」が生じるからなんです。これがわからずに狭い駐車場でずーっと前後している方も、ときどきいますよね。
特に日本の駐車場は、スペース自体は広くても、一台分の枠まで大きく取っていることはなかなかないですから、たとえばアメリカのようにドーン!と前向き駐車しやすい環境ではありません。
対して後ろ向き駐車は狙いが定まれば、フォークリフトのように前輪を大きな角度で動かせるため、意外と楽なんです。最近ではバックソナー(衝突警報)やバックカメラも付いていて、よりやりやすくなっています。
そして駐車場を出るときに前向きというのも、気持ち的には楽ですよね。
最初に少し手間をかけておけば後が楽、というのはとても日本的な考え方だと思います。
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執筆者プロフィール
モータージャーナリスト
日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、A.J.A.J.(日本自動車ジャーナリスト協会)会員自動車雑誌「Tipo」の副編集長を経験。数々のレースにも参戦。2018年「スーパー耐久富士スーパーテック24時間」ではドライバーとして2位獲得。執筆活動、レースレポート、ドライビングスクール等の講師、メーカー主催イベントの講演など行う。