クルマの買い替えを検討中、軽自動車の魅力は?
山田 弘樹
モータージャーナリスト、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、A.J.A.J.(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 >プロフィールを見る
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軽自動車はコンパクトで運転のしやすさが魅力!
いまや軽自動車の販売台数は、日本の新車販売台数の35%以上を占めるまでに成長しています。
その魅力はまず、ご家族が言うとおり維持費が安いこと。軽自動車の自動車税は’15年に値上がりをしましたが、それでも1万800円と、1000cc以下の自動車(2万9,500円)に比べて半分以下。
そして最近は豪華装備の軽自動車も増えましたが、基本的には車両価格が1000ccクラスよりも安く、車体の軽さやエンジン排気量の少なさから燃費性能に優れているために人気があります。
また車体が長さ3.4m、幅1.48m、高さ2.0m以下と限られているので、コンパクトで運転しやすいのも特徴ですね。
軽自動車の安全装備にも注目!
気になる部分があるとすれば、それは車体の小ささや骨格の小ささから来る「安全性」でしょう。たとえば接触事故が起きた場合、相手が自分よりも大きくて重たいクルマであれば、確かに不利なのは間違いありません。
ただし最近の軽自動車は常用する人たちが増えた結果車体がしっかり作られるようになってきましたし、エアバッグはもちろん、レーダーやカメラによる自動ブレーキの普及も進んで、未然に事故を防げる可能性がグッと高くなりました。
夜間に他車の有無で自動的にヘッドライトを切り替える「オートハイビーム」なんて装備も最近のトレンドです。
ただし安全装備は車両価格に直接跳ね返るものなので、車線逸脱時にクルマがハンドルを修正してくれたり、渋滞時に前車との車間を保って走ってくれるACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)機能などは、まだまだ軽自動車には普及していません。
軽でもターボつきでパワーアップ!
「力がない!」というのはイメージかもしれません。
軽自動車の排気量は660ccと決められていますが、これにターボチャージャーを付けることで馬力は65psまで発揮できますし、ターボのトルクを活かせば出足も力強く走ります(その分、ターボのない軽自動車に比べて燃費は少し悪くなります)。
ですからお母さんが安全性能にこだわるならば、欲しい装備が付いているクルマを色々検討してみるのはよいことでしょう。
ターボチャージャーとは?
エンジンを動かすには、ガソリン(燃料)と空気が必要です。
エンジンの空気は普通、車が走行するときの風を利用して吸い込んでいます(自然吸気)。対して強制的に空気を送り込み、力を出すための装置(過給機)をターボチャージャーといいます。ターボチャージャーと似た装置にスーパーチャージャーがあります。
これらの働きによって、排気量が少ないエンジンでも空気を取り入れられるようになり、大きな馬力が出せるようになります。
トルクとは?
トルクとは、エンジンがクルマを押し出す力です。トルクは瞬間的な力なので、これをどのくらいの時間発揮し続けるかでパワーが決まります。-
執筆者プロフィール
モータージャーナリスト
日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、A.J.A.J.(日本自動車ジャーナリスト協会)会員自動車雑誌「Tipo」の副編集長を経験。数々のレースにも参戦。2018年「スーパー耐久富士スーパーテック24時間」ではドライバーとして2位獲得。執筆活動、レースレポート、ドライビングスクール等の講師、メーカー主催イベントの講演など行う。