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自動車コラム「知識はなくてもクルマは走る」 自動車コラム「知識はなくてもクルマは走る」

ブレーキが固いクルマが苦手。クルマによって操作感が違うのはなぜ?

執筆者

山田 弘樹
モータージャーナリスト、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、A.J.A.J.(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 >プロフィールを見る

ブレーキが固いクルマが苦手。クルマによって操作感が違うのはなぜ?

マイカーに慣れているため、レンタカーなど普段と違うクルマを動かすと、アクセルやブレーキの効き方の違いに戸惑ってしまいます。 私はペダルを強く踏み込みのが苦手なので、ちょっとの力でブレーキやアクセルが効くクルマがよいと思っています。クルマ(の操作系)には、理想的な固さ・重さなどあるのでしょか?

(30代会社員・女性)

クルマのメーカーや用途で操作感は変わる

「クルマによってブレーキやアクセルの重さが違う」
これは正しい感じ方です。

ではこうした操作感の違いが、なぜ起こるのか? そこには様々なパターンがあります。

なぜ操作感に違いが出るのか?

まずは自動車メーカーによって、使っている部品が違うため、タッチやフィーリングが変わります。またメーカーごとにテストドライバーの評価や安全に対する方針も異なるため、味付けに差が出て来るのです。

さらに、クルマの用途によっても操作感は変わってきます。
主に街中を走るクルマの場合は、タイヤも細くてブレーキも小さい。小さな踏力でも十分に止まれることから、ブレーキ(に対する踏む力)は、軽めな場合が多くなります。また信号などでストップ&ゴーを繰り返しても運転しやすいように、アクセルが軽めな場合もあります。

対して高速巡航を多用するクルマの場合は、急加速を防ぎ、微妙な加減速を行いやすくするために、アクセルを重ために設定している傾向があります。同様にブレーキも、微調整や急ブレーキに対応するため、シッカリ感が強くなっています。スポーツカーなどはその典型ですね。

ただ近年は、小さなクルマでも高速道路を安定して走れるように、大きなクルマでも街中を快適に走れるようにと、その操作感に平均化が取られるようになってきています。特にハンドルなどは、電動化によってパワーステアリングの効きが、速度によって調整されるのがポピュラーになってきました。

それでもシートなどはまだまだ男性中心の考え方で、女性には大きく、ポジションの自由度がないと感じられるクルマが多い気がします。

操作感の違いは慣れてしまうのが一番!

さてひとつめの結論です。

クルマによってブレーキやアクセルの効き方、重さが違う場合は、どうすればよいのか?ずばり慣れてしまうのが一番です。自分のクルマと感覚が違うと戸惑いますが、これをスムーズに動かせるよう、意識して運転してみて下さい。

確かに最初は運転しにくくても、人間の体はじきに慣れてしまうもの。この意識を持つと持たないとでは、大分運転しやすさも変わってくると思います。
今のクルマであればテイストが違いがありこそすれ、これに慣れるまでにものすごく時間が掛かることはほとんどないはずです。

まずは落ち着いて、安全運転からそのクルマの特徴をつかんであげるようにしましょう。

少しの力で強く効くブレーキは危ない!?

そしてもうひとつ。

「ちょっとの力でブレーキやアクセルが効くクルマがよいと思っている」というお話は、ちょっと待った! です。
特に「少しの力で強く効くブレーキ」は、危ないとボクは思います。

弱い踏力でもブレーキが強く効くと、微調整ができなくなってしまうんです。こういうブレーキだと、速度の低い街中はいつもクルマの動きがギクシャクしてしまいます。

またドライバーがちょっとビックリしただけでも、ガツン! と止まってしまう。緊急事態に思い切り踏んだら、ブレーキをロックさせてしまいかねません。だから実際には、こういうブレーキがないんですね。

質問者さんはもっと弱い力でブレーキを効かせた方が、運転が楽なのに、と思っていることでしょう。でも普段は調整幅が広く取れ、いざというときシッカリ踏み込めるように、ブレーキは踏力が設定されているんですよ。

ブレーキを踏み込む運転姿勢や感覚を知っておくことが大切

運転姿勢

ですから、運転するときは姿勢が大切なのです。

普段から腰をシートの奥までぴったり付けて、いざという時にブレーキをガツン!  と踏んでも、体が支えられるようにしておくことが大切なのです。

ブレーキを思い切り踏んでみる。こうした練習は普段できません。
しかしJAFを始めとした様々な安全運転講習会では、ABS(アンチロック・ブレーキシステム)が“ガツガツガツ!”と作動するまでフルブレーキングをする体験走行メニューなどが随時開催されています。参加できるタイミングでぜひ、一度は体験して頂きたいと思います。

アクセルの操作感もクルマによってさまざま

アクセルについては、正直重ためのクルマと軽めのクルマの、両方があります(もちろんちょうどよいものも)。

現在のニーズでは、圧倒的に軽めの操作感が好まれるようになりましたが、メルセデス・ベンツやロールス・ロイスといった高級車はその昔、これをわざと重めに設定して、ゆっくりと確実な加速感が得られるようにしていました。

これも一般論ですが、パワーのあるクルマはアクセル重ため。もしくは操作に節度感がある。逆にパワーの小さなクルマは、エンジン回転を素早く上げるために軽めのアクセルが多かった。コスト的に、アクセルの部品にお金を掛けられないという理由もあるでしょう。

ただ先にも述べた通り現在は、操作感の平均化が図られてきています。また小排気量でも出足のよいクルマが増えたことで、昔のように安っぽいアクセルフィールは減ってきています。そして近い将来EVが当たり前になったときは、またそのフィーリングが変わることでしょう。

  • 執筆者プロフィール

    モータージャーナリスト 山田 弘樹

    山田 弘樹(やまだ こうき)

    モータージャーナリスト
    日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、A.J.A.J.(日本自動車ジャーナリスト協会)会員
    自動車雑誌「Tipo」の副編集長を経験。数々のレースにも参戦。2018年「スーパー耐久富士スーパーテック24時間」ではドライバーとして2位獲得。執筆活動、レースレポート、ドライビングスクール等の講師、メーカー主催イベントの講演など行う。
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