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炎天下の駐車で熱くなった車内、手早く冷やす方法をしりたい!
山田 弘樹
モータージャーナリスト、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、A.J.A.J.(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 >プロフィールを見る
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記事の目次
まずは窓を開けて全体換気を
最近では、四季を問わずに夏のような暑さを記録する日もありますよね。炎天下の駐車場では、お父さんだけ先にクルマに戻り、エアコンをかけて待っているというご家族も見かけます。ですが大人が一人だとそれもできませんよね……。
アプリやカーグッズのリモートエアコンなら快適な状態で乗り込める
JAFが2016年に行った車内温度の実験によると、車内温度が最も早く下がるのは、窓を全開にしてエアコンをつけながら走行した場合だそうです。
でもご質問もそうですが、そもそも問題は暑すぎて乗り込めない、乗り込みたくないということなんですよね。
前もってエアコンを作動しておける便利な方法としては、「エンジンスターター」というカーグッズがあります。
クルマと離れた場所からリモコン操作でエンジンをかけられるので、乗り込む前に車内をエアコンで冷やしておくことも可能なんですね。メーカー純正品もありますし、カー用品店で購入することもできます。ただし製品自体が1万円以上する上、取り付け工賃がかかることまで考えると、お手軽とまでは言い切れない?
また最近では、ホンダやトヨタなどスマートフォンと連動してリモートでエアコンをかけておくアプリなども登場し始めていますが、これもまだまだ一般的ではないですし、限られた人しか使えません。
ドアの開け閉めの裏ワザだけで効果はバツグン!
前もって冷やしておけない場合は、荷物を積み込んだらまず、車内のこもった熱気を外へ出す作業を行いましょう。これは有名な方法です。
やり方は、助手席側の窓だけを開けて、運転席側の扉を空気を押し出すように5~6回開け閉めするだけ。
ただこの際、隣のクルマや待っている子供に当たらないように、くれぐれも気をつけてくださいね。
JAFの実験によると、この換気で、エアコン+窓全開走行時の初期段階と同じくらいのスピードで車内温度が下がるとのデータが出ていますから、アナログと言えども効果はバツグン! こもった熱気を外に追いやってからエアコンを付ければ、お財布にも環境にも優しいですね。
チャイルドシートの熱対策も忘れずに
「でもこれだけじゃ、チャイルドシートの場合は十分じゃない!」
おっしゃる通りです。シート表面はもちろん、ベルトの金具などが熱を持っていると、火傷の恐れもあります。その場合は、最初からシートが熱くならないように対策をしておくのがよいと思います。
![後部座席のチャイルドシート 後部座席のチャイルドシート](/uploads/2021/09/car_sub_49943.jpg)
定番ですが、遮光効果のあるカーテンを後部座席の窓に付けておく。シート部分に、保冷剤入りのシートや日よけカバーを装着する。それらがなかったら、特に金属や樹脂部分を中心に、タオルや布で覆って日差しから守る。
このひと手間で、子供を乗せる際の不安やイライラが軽減されると思います。
炎天下の駐車場では、車内を手早く冷ます方法ばかりに意識がいきがち。ですが、蓄熱しやすい内装の金属部品や樹脂類が熱を持たないようにすることも重要です。
そしてサンシェードを使うのは、ポピュラーな方法ですよね。
蓄熱を防ぐことで車内での熱の発生源を減らすことができれば、空気が冷めるのもの早い。こうした対策をしておくことも忘れないでくださいね。
走り出しは、エアコン×外気導入で!
さて、クルマに乗り込んだら、ムッとした空気を入れ替えるためエアコンを外気導入にし、一番低い温度に設定しましょう。
窓は風が通りやすいように、右側運転席と左側後部座席のように対角線上に開けて走ると効果的。もちろん、お子様などの安全は十分に確認して下さいね。
1~2分ほど経ったら車内の熱気が出ていくはずですから、その後は窓を閉めてエアコンを内気循環に変えてください。ハンドルやダッシュボードはまだ熱が蓄積していますから、今度は内気循環で内装部品を冷やしていわけです。
この時、エアコンの吹き出し口は上目に向けると効果的。冷たい空気は温かい空気よりも重く、上から下へと降りていくからです。こうすることで上に向かった冷たい空気が、後部座席にもスムーズに回っていくでしょう。
車内が十分冷えたと思ったら、エアコンを適温に変えてくださいね。
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執筆者プロフィール
モータージャーナリスト
日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、A.J.A.J.(日本自動車ジャーナリスト協会)会員自動車雑誌「Tipo」の副編集長を経験。数々のレースにも参戦。2018年「スーパー耐久富士スーパーテック24時間」ではドライバーとして2位獲得。執筆活動、レースレポート、ドライビングスクール等の講師、メーカー主催イベントの講演など行う。