ペットショップなどで愛犬、愛猫といったペットを迎え入れた際には、その場でペット保険を案内されることがあります。
ここで初めてペット保険に加入するケースも多いかもしれませんが、どのような補償を受けられるのでしょうか?
ペットショップのペット保険の内容や、見直し時の注意点について解説します。
ペットショップ専用のペット保険とは?
犬や猫などのペットを迎え入れる人向けに、ペットショップなどではペット保険を取り扱っています。
ペットショップなどの店頭で扱っているペット保険は、通信販売やオンラインで加入するものと比べて、加入方法や一部の補償が異なることがあります。
迎え入れ時または所定の期間中のみ申込める
ペットショップや譲渡団体などが扱っているペット保険は、各事業者限定で提供されている商品です。
原則として、ペットを購入した店舗、または譲渡を受けた団体を通してのみ申し込むことができます。
インターネットやほかの代理店などでは申込ができないことが多いようです。
また、申込ができるのはペットを迎え入れた当日まで、または24時間以内、1ヶ月以内など、所定の期間中のみです。
期日を過ぎた後からは申込ができないものがほとんどのようです。
迎え入れと同時に補償が始まる
ペットショップなどの店頭で加入するペット保険は、迎え入れた当日または申込日からすぐに補償が開始するものが多いのも特徴の一つです。
一般的なペット保険の場合は、申込から補償開始までに所定の時間がかかるものがほとんどですが、店頭加入専用のペット保険の多くは、契約手続きから短期間で補償が始まります。
犬や猫などをわが家に迎え入れた後には、環境変化などが原因で体調を崩してしまうケースもあるようですが、そんなときにすぐに保険を使うこともできそうです。
迎え入れ初期は100%補償される
ペットショップなどで専用に扱っているペット保険の場合、補償開始から1ヶ月間は補償が手厚い傾向もあります。
このうち犬猫向けのペット保険の場合、補償開始から1ヶ月は補償割合が100%になる、支払われる保険金額の上限が高めに設定されているものが多いようです。
2ヶ月目以降になると、補償割合がペットショップ以外の一般的なペット保険に近い水準である70%または50%になるか、保険金額の上限が1ヶ月目よりは低くなるといった仕組みになっています。
2年目の継続時には、初年度の2ヶ月目~12ヶ月目のプランに準じた補償内容で継続されることが多いようですが、初年度の補償内容とどのような部分が異なるのかを確認、把握しておくことが大切です。
ペットショップで入った保険は解約できる?
ペットショップなどで愛犬・愛猫などを迎え入れたときに契約したペット保険は、後から解約することはできるのでしょうか?
解約やクーリングオフができる場合も
保険期間の途中で解約する際には、保険会社に連絡して所定の手続きを行います。
保険料を年払で払い込み済みの場合には、未経過の期間に対する保険料が一部返還される場合があります※。
※保険料の払い込みが月払の場合などには、保険料の返還に関わる扱いが異なることがあります。詳細は契約先の保険会社に確認しましょう。
申込から8日以内など、所定の期間内に契約の撤回をする場合には「クーリングオフ制度」を利用できる場合もあります。
利用の要件や手続きの方法は商品のパンフレットや重要事項説明書などに記載されています。契約先の保険会社に確認してみましょう。
なお、解約やクーリングオフによる申込の撤回をした場合には、補償は消滅します。
手続き後に病気やケガで治療を受ける場合、保険は適用されないため、解約・撤回は慎重に検討することが大切です。
ペット保険の見直しはできる?
ペットショップで保険に加入した後でも、他社のペット保険に切り替えなど見直しすることが可能です。
ペット保険の保険期間は原則として1年間です。保険期間中に他社の保険に切り替えるには、契約中の保険を解約して、新たに他の商品に加入することになります。
また、2年目以降には契約が自動更新されるのが一般的ですが、このタイミングで継続をせずに、他のペット保険に切り替える方法もあります。
ただし、ペット保険を見直す際には、主に次の点に注意しましょう。
ペット保険切り替え時には審査がある
他社のペット保険に契約し直す場合には、新しい保険会社での申込にあたって、健康状態の告知と審査が必要です。
愛犬・愛猫などに傷病歴がある、動物病院を受診してから間もないといった場合には、新契約の申込ができなかったり、契約に条件が付いたりすることがあります。
同じ保険会社で2年目以降の継続時にプランを変更する場合でも、変更内容によっては審査が必要になるケースがあるようです。
見直し前の健康状態によっては、希望のペット保険へ切り替えができない可能性もありますので注意しましょう。
申込から補償開始まで時間がかかる
ペットショップや譲渡団体以外でペット保険に契約する場合には、保険を使えるようになるまでに時間がかかることにも留意が必要です。
一般的に、補償が開始されるのは申込の翌月や翌々月などで、申込からおよそ1~2ヶ月かかります。
ペットショップなどで加入した際にはすぐに使えた場合でも、切り替えた新しいペット保険については、申込後すぐに利用できるとは限らないことを念頭に置いておきましょう。
保険の見直し時には切り替えのタイミングに注意
ペットショップで加入するペット保険は、迎え入れ当初の病気やケガへの補償が手厚くなっていることが特徴です。お迎え直後のもしもに備えることができますね。
更新のタイミングなどでは別の保険に見直すことができますが、ペットショップ専用の保険と一般向けに販売されているペット保険では、補償内容が一部異なることに注意が必要です。
また、ペット保険の補償を受けられるのは、契約が成立し補償が開始した後に生じた病気やケガです。
申込をしても審査に通らなかったり、希望する補償を受けられない可能性もあります。
また、申込手続きをした後であっても、補償開始前であればまだ保険が使えません。ペット保険の見直し時には補償のスケジュールを確認しながら見直し手続きを進めることも大切です。
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執筆者プロフィール
加藤 梨里(かとう りり)
マネーステップオフィス株式会社代表取締役
CFP(R)認定者、金融知力インストラクター、健康経営エキスパートアドバイザー
マネーに関する相談、セミナー講師や雑誌取材、執筆を中心に活動。保険、ライフプラン、節約、資産運用などを専門としている。2014年度、日本FP協会でくらしとお金の相談窓口であるFP広報センターにて相談員を務める。
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