「窓口精算」に対応しているペット保険では、動物病院での治療費の支払い時に加入しているペット保険の保険証を提示すると、保険金を差し引いて精算が完了します。
ペット保険の窓口精算のしくみやメリット・注意点を解説します。
ペット保険の窓口精算とは?
ペット保険の窓口精算サービスは、動物病院の受診時に、契約しているペット保険の加入者証などを提示すると、保険金を差し引いた自己負担額のみ支払うことで治療費の精算が完了するしくみです。
ペット保険には窓口精算の他に、保険会社に直接請求をする後日精算があります。
後日精算は治療を受けた後に、診療費明細書や領収書などを準備の上、保険会社所定の請求フォームや請求書などから申請を行います。
ペット保険の保険金請求の流れ
窓口精算を利用することで、ペット保険会社へ保険金請求手続きをすることなく、窓口で支払う治療費の負担が抑えられます。
一部のペット保険会社が窓口精算サービスを提供しており、提携している動物病院の受診時に利用できます。
窓口精算のメリット
ペット保険の窓口精算サービスは、保険金の請求手続きの手間が抑えられることや、受診時に支払う治療費の負担が抑えられるなどのメリットがあります。
受診時に保険金請求まで完了できて便利
窓口精算サービスを利用する際には、対応する動物病院の窓口でペット保険の加入者証・保険証などを提示します。
窓口で保険契約の有効性が確認できたら、診療費から保険金を差し引いて精算してもらえます。
受診したその場で保険金との精算が完了するので、受診後にペット保険会社へ保険金の請求手続きをする必要がありません。
病院への受診頻度が増えると、その分請求手続きの回数や頻度も増えることになります。また、窓口で支払った治療費が少額だった場合には場合は、ペット保険の請求手続きが後回しになってしまうこともあるかもしれません。
窓口精算を利用することで、治療費の負担だけではなく請求手続きの負担も軽減できそうです。
医療費の立替が不要で受診時の負担が少ない
動物病院の受診時には、治療費からペット保険の保険金を差し引いた自己負担分があれば、その分のみが請求されます。
ペットの医療費は基本的に飼い主さんの自己負担となるため、動物病院でかかる治療費は病気やケガなどの状況によっては数万円、数十万円など高額になることがあります。
クレジットカード払いなどに対応している動物病院では、受診時に高額な現金を用意する必要は必ずしもありませんが、家計には負担に感じることがあるかもしれません。
そのようなケースで窓口精算を利用できると、請求額が抑えられるため、受診時に高額なお金を用意していなくても、精算を完了できそうです。
窓口精算の注意点
便利なメリットと合わせて、窓口精算の注意点も確認しておきましょう。
窓口精算できる病院が限られている
治療費の支払いを窓口精算で完了できるのは、対応している動物病院に限られます。
対応していない動物病院を受診した場合には、窓口精算サービスのあるペット保険に契約していても、治療費は通常通り窓口で支払い、保険金の受け取りには請求手続きが必要です。
大手ペット保険会社のペット保険の場合は全国6,000前後の動物病院と提携していますが、かかりつけの動物病院が窓口精算に対応しているか、あらかじめ確認しておくと安心です。
対応している動物病院を検索できたり、かかりつけの動物病院が窓口精算に対応していない場合に、対応病院への登録を推薦できるペット保険会社もあります。
年間の利用回数限度に注意
ペット保険の多くには、年間で利用できる限度額や限度日数(回数)が決められています。
請求が限度額・限度回数を超えると、超えた分やそれ以降の治療費は自己負担になります。
限度回数が設定されているペット保険の場合には、注意が必要です。
請求した金額の累計が保険の限度額以内であっても、請求回数が年間の限度回数に達した時点で、以後の補償は受けられなくなります。
窓口精算の利用イメージ
窓口精算は受診時の請求額が抑えられ気軽に利用できる反面、ひんぱんに利用した結果、思いのほか早くに年間の限度回数に達してしまうケースもあるようです。
通常の保険金請求でも同じですが、年間(保険期間中)にあとどれくらいペット保険の補償を受けられるのかを確認しながら利用することが大切です。
窓口精算を利用すれば保険請求がスムーズに
窓口精算サービスを利用すると、動物病院の受診時にその場で治療費と保険金が精算され、請求手続きの手間や窓口で支払う金額が軽減されます。
受診の都度に保険金を請求するのが面倒、受診時に持参するお金の金額を抑えたいといったときに活用できそうです。
なお、窓口精算サービスのあるペット保険に契約していて、窓口精算に対応している動物病院を受診した場合でも、保険金の請求を通常通りに後日行うことも可能です。
かかった治療費の金額やペット保険の限度額・限度回数などの状況をみながら、保険金を請求するかどうかを後で検討してもよいでしょう。
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執筆者プロフィール
加藤 梨里(かとう りり)
マネーステップオフィス株式会社代表取締役
CFP(R)認定者、金融知力インストラクター、健康経営エキスパートアドバイザー
マネーに関する相談、セミナー講師や雑誌取材、執筆を中心に活動。保険、ライフプラン、節約、資産運用などを専門としている。2014年度、日本FP協会でくらしとお金の相談窓口であるFP広報センターにて相談員を務める。
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