犬や猫などのペットがケガ・病気で動物病院を受診する際には、治療費や検査費用などさまざまな費用がかかりますが、ペット保険ではどこまで補償されるのでしょうか?
ペット保険の補償の対象になる治療費や検査費用などへの補償について解説します。
ペット保険で何が補償される?
ペット保険では、動物病院でかかった病気やケガの治療費や、治療に必要な検査費用などが補償されます。
これらについて、動物病院でかかった費用の50%や70%など、契約時に定めた補償割合が保険金として支払われるしくみになっています。
病気やケガの治療費
病気やケガの治療費や、入院費用、手術費用などは、基本的にペット保険の補償対象になります。
なお、ペット保険の商品やプランによって、入院・手術・通院に対する補償範囲が異なります。
治療に必要な検査費用
治療を行うにあたって、血液検査やCT検査、MRI検査などの検査が必要になった場合は、通常はその検査費用もペット保険の補償の対象になります。
補償されるのは医学的に治療上で必要と判断された検査です。
健康な状態の時に、健康状態を確認するために行う定期検診や健康診断などの検査費用は対象外です。
ペット保険で補償されない費用は?
病気やケガ以外の用件で動物病院を利用した際には、ペット保険の補償を受けられない場合があります。
補償されない主な費用には、一例として下記が挙げられます。
※一般的な例です。詳細は保険会社によって扱いが異なる場合があります。
予防目的の診療(健康診断・予防接種など)
予防接種や健康診断など、病気の予防や健康増進にかかわるものは、動物病院で行ってもその費用はペット保険の補償対象外です。
病気やケガではない体のケア
ペット保険では基本的に病気やケガの治療でかかった費用を補償するため、ペット保険の制度上、病気・ケガにあたらない身体のケアに関する費用は、補償の対象外です。
※他の傷病の治療のために、動物病院内で処置が行われた場合は補償対象となる場合があります。
その他の費用
その他、治療やペットの処置に関連する費用には、ペット保険の補償対象外になるものがあります。
ペット保険では補償されない病気は?
ペット保険は病気やケガを補償するのが基本ですが、一部の病気は対象外となるものがあります。主に、以下が挙げられます。
既往症・先天性異常など
ペット保険で補償されるのは、補償期間中に発生した病気やケガです。
このため、契約前やペット保険の補償が開始する前にかかっていた病気・ケガ・先天性異常は補償の対象外になります。
ワクチン等で予防できる病気
ワクチンなどの予防接種により予防できる病気や感染症については、補償開始後であっても補償の対象外です。
予防接種を受けていなかったためにかかってしまった場合には、治療のために動物病院を受診しても基本的にはペット保険の対象外になることが多いようです。
※一般的な例です。保険会社により、扱いが異なる場合があります。
保険会社により対象外となる病気も
一部の治療については、保険会社や商品により、補償の対象・対象外の扱いが異なる場合があります。
主なものとしては歯周病やそれらに関連した歯石取りなどの歯科治療、椎間板ヘルニア、パテラ(膝蓋骨脱臼)などが挙げられます。詳細は各保険会社で確認することが重要です。
補償内容を知ってペット保険の検討を
ペット保険の補償は、基本的には動物病院でかかった病気やケガの治療費や、治療に必要な検査費用が対象です。
動物病院ではほかにも予防接種や健康診断、各種検査、身体のケアなど、愛犬や愛猫などの健康管理のためにさまざまな処置を受けることがありますが、ペット保険の補償対象外となる費用は飼い主さんの自己負担になることに留意しておきましょう。
具体的な病気や検査内容が補償対象となるかどうかは、各保険会社で確認するといいですね。
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執筆者プロフィール
加藤 梨里(かとう りり)
マネーステップオフィス株式会社代表取締役
CFP(R)認定者、金融知力インストラクター、健康経営エキスパートアドバイザー
マネーに関する相談、セミナー講師や雑誌取材、執筆を中心に活動。保険、ライフプラン、節約、資産運用などを専門としている。2014年度、日本FP協会でくらしとお金の相談窓口であるFP広報センターにて相談員を務める。
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