自転車を購入したときには、忘れずにしておくべき手続きがいくつかあります。自転車購入時に必要な手続きや保険について解説します。
自転車の盗難に備える制度と保険
自転車を保有しているときには、愛車が盗まれたりなくなってしまったりするリスクがあります。
警察庁のまとめによると、自転車が盗まれる犯罪の認知件数は年間約12万件で、年々減少傾向にあります※1。
盗難件数は不正開錠に強い自転車の鍵の普及が進んでいることなどによって減ってきているようですが、もしもの盗難に備えるためには、防犯登録制度や盗難保険もあります。
防犯登録
自転車を利用するときには、都道府県で防犯登録を受けることが義務化されています。保有する自転車について、利用する都道府県で登録します。防犯登録をしておくことで、盗難に遭ったときに盗難届の手続きが進みやすくなります。
警察署や交番で届出をするときには、事前に防犯登録をしたときに交付される防犯登録カードを持っていきます。また、路上に駐輪中に自転車が撤去されてしまったときにも、登録された所有者情報があると確認がスムーズになるようです。
防犯登録は自転車店、スーパー、ホームセンターなどにある防犯登録所で手続きができます。通信販売やインターネットで購入した自転車の登録もできます。
自転車盗難保険
自転車の盗難に備える民間の保険もあります。「自転車盗難保険」「自転車盗難車両保険」などの名称で提供されています。
盗難を補償する自転車盗難保険では、自転車が盗難被害に遭ったときなどに保険金が支払われます。自転車の購入金額を上限に、損害額の一部または全額が支払われるのが一般的です。なかには、自転車のパーツやアクセサリーなどの盗難も補償される保険もあります。
契約できるのは、防犯登録がされている自転車に限る、購入後1カ月以内のみといった制限があるものがほとんどですが、もしもの盗難に、お金の面で備えておくことができます。
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自転車の事故に備える保険
自転車に乗るときには、事故のリスクもあります。交通事故に遭うと自分がケガをしたり人にケガをさせてしまったりするリスクがありますが、そのようなときに備えて、自転車保険を活用できます。
自転車保険
自転車乗用中の事故で自分がケガをしたときや、相手にケガをさせたり、人のモノを壊したりして賠償責任を負ったときに補償を受けられるのが、自転車保険です。
商品によってセットされている補償の組合せが異なることがありますが、たとえばけがの補償(傷害保険)では、自転車事故によるケガで通院・入院をしたときにその日数分の保険金が支払われたり、手術をしたとき、また後遺障害・死亡の場合には一定額の保険金が支払われるものが一般的です。
また、賠償の補償は、対人事故を起こして相手にケガや死亡をさせてしまったときの治療費や慰謝料(対人賠償)、対物事故を起こして相手のモノを壊してしまったときの修理費用(対物賠償)など、賠償金額が支払われます。
自転車保険が義務化されている地域を自転車で通行するときには、賠償責任補償への加入が義務、または努力義務とされています。
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自転車の整備制度
自転車を利用するには、安全に運転できるように定期的に整備点検をすることも大切です。
TSマーク
自転車販売店などでは、自転車の点検・修理を行っています。自転車安全整備士という専門家に点検確認をしてもらうことで、自転車が安全に乗れる状態になっているかをチェックできます。
整備店などで有料の点検整備を受けると、TSマークというステッカーが貼付されます。緑、赤、青色の3種類のマークがあります※2。
TSマークには自転車の保険も付帯されていて、賠償責任補償と傷害補償が含まれています。TSマークの色によって、細かな補償内容や保険金額が異なりますが、新たに自転車保険などに加入することなく、もしもの自転車事故のリスクに備えることもできます。
自転車を購入したときの手続き
盗難に備える | ・防犯登録 ・自転車盗難保険 |
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自転車事故に備える | ・TSマーク、自転車整備点検 ・自転車保険 |
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自転車を買ったら早めにアクシデントへの備えをしておきましょう
自転車には盗難や事故などのリスクがあります。購入後には早めに手続きをして、いざというときのアクシデントに備えておきましょう。
防犯登録のように義務とされているものはもちろん、事故によるお金の負担には、自転車保険で備えることもできます。
今みんなが選んでいる保険は?
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※1 出典:警察庁「令和3年版 警察白書」
※2 出典:公益財団法人 日本交通管理技術協会「TSマーク」
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執筆者プロフィール
加藤 梨里(かとう りり)
マネーステップオフィス株式会社代表取締役
CFP(R)認定者、金融知力インストラクター、健康経営エキスパートアドバイザー
マネーに関する相談、セミナー講師や雑誌取材、執筆を中心に活動。保険、ライフプラン、節約、資産運用などを専門としている。2014年度、日本FP協会でくらしとお金の相談窓口であるFP広報センターにて相談員を務める。
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