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Vol.7 ハーフ・シリアスでいく

ガラポンとは

八角形の箱を回転させ、当たり玉を引く福引き抽選器の通称。
一等の金色の玉を一発で当てることもあれば、末等の白い玉を引き続ける場合もある。
引手を一喜一憂させるが、手を回し続けなければ決して玉は出ることがない単純な仕組み。

友人たちのママライフ投稿に心がザワつくことも。

微笑ましい育児の様子に、素直にいいね!と思えない自分に愕然としたものです。 鈍感力を総動員したつもりでも、知らぬ間に追い込まれていたのでしょう。

ですが、そこはもういたしかたなし。 感情の揺れもひっくるめて、自分自身のことに集中するしか。

私が越えるべき壁は、繰り返す着床不全。

胚移植後から着床判定が出る2週間の過ごし方が肝かと考え、してはいけないこととすべきことを、改めてS先生に尋ねてみました。 答えは「サウナ以外(受精卵は熱に弱いため)ない。普通に過ごして」というもの。

慎重過ぎるほど、ほぼ寝たきりで過ごしたこともあれば、薬膳の食事療法を徹底した回も各2回ずつあります。 完璧に身体を仕上げた回ほど、結果が出ないとやさぐれます。

不妊治療の経験者K嬢が形容した『努力が報われない分野』なのだと、痛感したものです。

元来が社交好きで帰宅拒否症(笑)。 リフレッシュ法は1時間の半身浴。 ワインやコーヒーなどの嗜好品をこよなく愛すときています。

男性にも、各回ごとに一度採精の工程があり、プレッシャーを強く感じる方も多いと聞きます。

ですが、不妊の原因がどうであれ、各回ごとに通院、服用、注射、採卵手術、移植をこなさなければならないのは女性側。 正直「やってられん」状況です。

加えて、好きなことを絶つ小さな我慢の連続が大きなストレスになってきます。 「貴男は気楽よね」と夫にあたり、これは実によろしくない傾向。

5回目以降の胚移植からは、私にとっての『普通』に立ち返ろうと思い直しました。

見渡してみれば、治療に励む女性たちは、立ち仕事や昼夜逆転シフトなど職種も様々。 第2子以降を希望して通院する場合は、上の子の育児で安静になどしていられません。 「普段の生活で着床しない受精卵は、そもそも十月十日を持ちこたえられない」という意見も体外受精の無料カウンセリングで聞き、納得したものです。

心の在り方も、シリアス過ぎては身が持ちません。 『ハーフ・シリアス』ぐらいがちょうどいい。

ヨガ、鍼灸、サプリメント、漢方、子授かりのパワースポット巡り……。 妊活に良しとされているものは、数多あります。 時間と金銭には限りがあり、到底全ては行えず。 ピンときたものだけを『いいとこどり』していこう。

私の場合は、鍼灸と相性が合いました。 シビアな症例からの成功例を多く診てきた女性の先生の話を聞き、励まされたものです。

「我が子を迎えるまでの身体の準備期間なのだ」と、前向きな気持になれる日もありました。 自分自身のことに集中して身体を労わる生活は、目移りしてガチャガチャ過ごしてきた日々からすると、なんという清らかさ(笑)。

20代は無理が効き、30代もそこそこ元気。 親から授かった地の体力が、加齢と不摂生で目減りしてきた40代。 その時期に、本来あるべき状態に心身を底上げできたことは、今にして思えば救われました。

プロフィール
鄭美和

鄭美和(てい みわ)

フリーライター

1973年生まれ。女性誌、男性誌、音楽専門誌、ライフスタイル誌、CDのライナーノーツなどで文筆活動を展開中。
2017年、43歳の時に第一子を出産。本コラム「私のガラポン不妊治療」では、40歳から開始して約2年間に及んだ不妊治療を振り返る。

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