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Vol.6 鈍感力を総動員

ガラポンとは

八角形の箱を回転させ、当たり玉を引く福引き抽選器の通称。
一等の金色の玉を一発で当てることもあれば、末等の白い玉を引き続ける場合もある。
引手を一喜一憂させるが、手を回し続けなければ決して玉は出ることがない単純な仕組み。

不妊治療を巡る意見も当然様々です。

体質改善の一環で足を運んだマッサージ施術院では、経営者の男性整体師から初見でいきなり切り出されました。 「自分の患者さんにも不妊治療を経て子どもを授かった家族が数組います。が、いずれも重度の疾患を持った子どもが生まれ、それはそれはご苦労を」

さらに、たたみかけてくることには。

「体外受精によって生まれた子どもは、母親が投与された黄体ホルモンの影響から犯罪者になるケースが多いというデータも実証済み。高いリスクがあるという自覚と覚悟が貴女にありますか?」

パードン?!

今の自分なら、「医療に携わる貴方こそ、その言葉に自覚と覚悟はありますか?」と氏に問い正すはずですが、当時の私は唖然とし、返す言葉を失ったものです。

一方、アラフォー世代の女性たち(既婚・子ども有り)と集まった席で、こんな会話の流れになってしまったことも。

A子「不妊治療を何年も続けているうちに、辞め時を完全に見失っている人いるよね」 B子「あれはイタイ!費用と労力を養子縁組にシフトした方が社会貢献になることに気付けないんだろうね」 C子「自然に授からないということは、育児以外に才能を発揮せよということだと思う」 D子「身体をいじってるツケがきて、更年期が重そう」

みなさん、言葉がお強くていらっしゃる(苦笑)。

とはいえ、自分自身も当事者になるまでは、人工授精と体外受精の違いも知らなかったわけです。 人を傷つけるに至らずとも、頓珍漢な発言をしていたかと。

私の母に至っては、昔の文言である『試験管ベビー』のインパクトが重すぎて、不妊治療の知識も無いままに完全否定。 さらりと事後報告してからも、自分の娘が行ったということは絶対に信じたくないようです。

『当たり屋』みたいな強い言葉に遭ってしまった場合、どう対処していけばいいのか。

心が弱くなった時は、頼もしい不妊治療の経験者のK嬢に相談です。 彼女の答えは明快。「雑音は気にしない」というものでした。 『辞め時』に関しても「自分たち夫婦が決めること。バジェットが底を付いたら考える、ぐらいのスタンスでいればいいんじゃない」と。

溜飲が下がり、平常心に戻れました。 通院途中に少し侘しい感じの祠がありました。 手を合わせずにはいられない心境で、よく御参りをしていたものです。

願わくば、「自分自身に集中できますように」。

人の意見や溢れる情報に惑わされそうになる時は、私のなかにある『鈍感力』を総動員。 そんなイメージトレーニングを心がけるようになりました。

プロフィール
鄭美和

鄭美和(てい みわ)

フリーライター

1973年生まれ。女性誌、男性誌、音楽専門誌、ライフスタイル誌、CDのライナーノーツなどで文筆活動を展開中。
2017年、43歳の時に第一子を出産。本コラム「私のガラポン不妊治療」では、40歳から開始して約2年間に及んだ不妊治療を振り返る。

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