ニュートラル「N」はいつ使う?【前編】緊急時の使い方
山田 弘樹
モータージャーナリスト、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、A.J.A.J.(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 >プロフィールを見る
記事の目次
「滅多に使わない」が正解!
先に答えを言っちゃいましょう。
「滅多に使わない」が正解です! 緊急時のみ使うものです。ですからあなたがこのような疑問を持つのは当然です。
たまに信号待ちなどでニュートラルポジションに入れて、クリープ(ブレーキを離すとクルマが進む現象)をキャンセルしている人がいますよね。
これを見たとき「自分もやった方がいいのかな?」と思うかもしれませんが、無理にやる必要はありません。
エンジン故障など緊急時に使う
では緊急時って、いったいどんな時でしょう?
例えば、エンジンが故障してしまい動けなくなった時。
ATシフトレバーをN(ニュートラル)に入れて外からクルマを押せば、車輪には駆動がかからないので動かすことができます。
牽引してもらう時も、Nに入れてサイドブレーキを解除すれば、タイヤがスムーズに転がってくれます。
「N」でエンジンからギアが切り離される
これは、Nに入れると、通常はクラッチを介してかみ合っているエンジンとATのギヤが機構的に切り離されるためです。
アクセルを踏んでもエンジンの動力が伝わらないのはパーキング(P)と同じですが、Pはクルマを停める目的でタイヤをロックしてしまいます。
走行中に使わない緊急モードとして利用を
ただしエンジンがかからなかったり、関係する部品が壊れているとATレバーそのものが動かせないクルマも最近は増えてきました。
そういうときは慌てず、シフト付近にある解除ボタンを押すか、ロードサービスを呼ぶといった対処をしましょう。
つまりNレンジは、「走行中には使わないモード」だと考えて頂いてかまいません。
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執筆者プロフィール
モータージャーナリスト
日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、A.J.A.J.(日本自動車ジャーナリスト協会)会員自動車雑誌「Tipo」の副編集長を経験。数々のレースにも参戦。2018年「スーパー耐久富士スーパーテック24時間」ではドライバーとして2位獲得。執筆活動、レースレポート、ドライビングスクール等の講師、メーカー主催イベントの講演など行う。