雨の日の運転、気を付けるポイントは?
山田 弘樹
モータージャーナリスト、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、A.J.A.J.(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 >プロフィールを見る
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視野をひろく!速度を抑えて、いつでもブレーキが踏める準備が大切。
バケツをひっくり返したような雨、という表現がありますが、昔に比べて近年は突然そうした雨に遭遇することが多くなっているなぁと感じます。
最近、ワイパーを最高速にしても追いつかないほど降られたときは、スピードを落としながらライトをつけ、視認性が悪かったのでリア・フォグライトも点灯しました。
話は逸れますが、こうした大雨や、霧でもない限りはフォグ・ライトを付けるのは、後のクルマにとって眩しいので止めましょうね! ともかくできるだけリスクを減らして走ることを、私はくせにしています。
「速度・車間・ブレーキを踏む準備」の3つがポイント!
ちなみに雨の場合、晴天時の運転に比べると時間あたりの事故件数はなんと約5倍(!)になると言われています(首都高速道路株式会社調べ)。
中でももっとも多いのが、スリップによる事故だそうです。
雨の日は路面が濡れているから当然、ブレーキを踏んでからクルマが停止するまでの距離は通常時より遙かに長くかかります。ですから、1.速度は抑え気味に、2.車間距離はいつもより多めに、3.いつでもブレーキが踏めるよう心がけておきましょう。
「そんなの当たり前!」と思われるかもしれませんが、事故率が上がる原因は、こうした意識をもつかもたないかにあると思います。
雨の日は歩行者と自転車にとくに注意
お天気の良い日ですら、横断歩道を渡ろうとする歩行者や脇をすり抜ける自転車には気を遣いますが、雨の日はさらに注意が必要です。
歩行者は傘をさし足元を見ていること場合が多く、カッパを着て自転車を運転する人でも顔に雨がかかるため目を細めがち。雨音でクルマが近づいても気づかないケースもありますし、雨に打たれている分「早く帰りたい」と普段以上にスピードを出したり無理な走行をするケースもあります。
よってクルマ側としては、こちらの存在に気づいていない、見ていない前提で用心することが一番リスクを減らせます。横断歩道に歩行者や自転車がいなくても速度を落とすのには、こうした意味があります。
目の前だけなく路面にも注意を!
雨の日の道路を走っていると、目の前ばかりに気を取られがちですが、路面も少し気に掛けましょう。水たまりやマンホールは、同一車線内にある場合無理によける必要はないですが、これを乗り越えるときは軽く意識をしておく。そして、ハンドルはなるべく真っ直ぐ。
雨が降る度に路面のことを気に掛けていたら疲れてしまう…。
その気持ちもわかります。だからこそ、このコーナーではいつも言っていますが、運転するときは視野を広く持つこと。先の様子がなんとなくつかめていれば、余裕をもって走りをマネージメントすることができます。
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執筆者プロフィール
モータージャーナリスト
日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、A.J.A.J.(日本自動車ジャーナリスト協会)会員自動車雑誌「Tipo」の副編集長を経験。数々のレースにも参戦。2018年「スーパー耐久富士スーパーテック24時間」ではドライバーとして2位獲得。執筆活動、レースレポート、ドライビングスクール等の講師、メーカー主催イベントの講演など行う。