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2022年度以降から地震保険料が改定へ 全国平均0.7%引き下げ|ライフィ保険ニュース解説

執筆者:
加藤 梨里|ファイナンシャルプランナー、CFP(R)認定者、健康経営エキスパートアドバイザー

地震保険の保険料が改定される見通しになりました。改定率は地域や建物構造により異なり、全国平均で0.7%引き下げられます

地震保険料が高くなる地域、低くなる地域、構造の違いについてFPが解説します。

ニュースのポイント

  • 地震保険の保険料が全国平均0.7%引き下げへ
  • 最大の引き上げは茨城県や埼玉県、最大の引き下げは大分県
  • 改定は2022年度以降の見込み

地震保険料の基準料率が全国平均マイナス0.7%引き下げ

損害保険のデータを収集・分析し、自動車保険などの参考純率を算出している損害保険料率算出機構が、地震保険の基準料率を変更することを発表しました。改定の実施日は未定ですが、すでに2021年1月にも地震保険料の改定が実施されており、今回の改定は2022年度以降とみられています。機構の基準料率改定を受けて、各保険会社が実際の地震保険料を公表する見込みです。

最大の引き上げは茨城県・埼玉県など、引き下げは大分県

地震保険料の基準料率は、おもに地域と建物の構造によって決められています。これが「基本料率」という部分です。今回の改定によってこの基本料率が最も引き上げられるのは茨城県・埼玉県・徳島県・高知県の鉄骨造・コンクリート造の建物(イ構造)で+29.9%です。同機構によると茨城県の場合、保険金額1,000万円、保険期間1年で割引なしの地震保険料は現行の17,700円から23,000円へ、約5千円引き上げられる見込みです。

最も引き下げ幅が大きいのは大分県の木造の建物(ロ構造)で、マイナス47.2%です。保険料は上記の条件で現行の21,200円から11,200円へ、1万円引き下げられる見込みです。

実際に改定される際には、改定された基準料率をもとに各保険会社が改定後の保険料金額を正式に公表する見込みです(現時点での見込み額から変更になることがあります)。

5年契約の割引幅が縮小へ

地震保険は、保険期間が2年~5年の長期契約に割引があります。今回の改定ではこのうち5年の契約について、割引率が7%から6%へ変更されます。2~4年の契約は現行の割引率から変更はありません。

なお、2年・3年契約の割引率は5%、4年契約の割引率は6.3%です。

保険料の改定はすでに2017年~2021年にも実施

地震保険の基準料率は近年、すでに2017年、2019年、2021年の3回にわたり改定が行われてきました。基準料率に大きく影響する基本料率は過去の地震の発生状況や震源の状況などのデータをもとに算出され、定期的に見直されています。

直近3回の改定では、データに基づいた水準では大幅な引き上げが必要であったものを、地震保険に契約する人の保険料負担が急増することにかんがみて、本来よりも小さな引き上げ幅にとどまっていました。今回の改定はその当時に不足した保険料を補う目的があり、過去の不足を解消するために上乗せされる基本料率は、全国平均で+1.6%になります。

しかし同時に、2020年版の最新の地震関連データを反映することにより全国平均でマイナス2.3%の引き下げも必要になることから、過去の不足分による上乗せと相殺し、最終的な基本料率の改定率は全国平均でマイナス0.7%となります。

用語解説

地震保険の基準料率とは?

地震保険の保険料は、損害保険料率算出機構が設定する基準料率を基本として決まります。基準料率は「基本料率」、「割引率」、「長期係数」の3つによって決まります。
基本料率は、建物のある都道府県別、建物の構造の種別別に設定されるもので、各地の地震発生実績から将来の地震を予測した「震源モデル」などのデータを用いて算出されています。同じ都道府県でも、地震に比較的強い鉄骨造・コンクリート造の建物(イ構造)の方が、木造の建物(ロ構造)よりも基準料率が低く、保険料が低くなる傾向があります。 割引率は、耐震性能が優れている建物に適用されます。また、保険期間が2~5年の契約では長期係数が適用され、保険料が割引されます。 基準料率が改定される際には、損害保険料率算出機構が金融庁に届け出て、承認されると改定が決定します。改定された基準料率を反映した新しい保険料や改定日は、改めて各保険会社が公表するのがこれまでの慣例になっています。なお地震保険料は地域や建物構造などにより決まるため、保険料は各社一律です。

参考:損害保険料算出機構「地震保険基準料率 届出のご案内」
参考:損害保険料率算出機構「グラフで見る!地震保険統計速報」

この保険ニュースの解説者

加藤 梨里(かとう りり)

加藤 梨里(かとう りり) マネーステップオフィス株式会社代表取締役
CFP(R)認定者、金融知力インストラクター、健康経営エキスパートアドバイザー

カテゴリー:ライフィ保険ニュース解説
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