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【専門家が解説】ライフィ保険ニュース解説 【専門家が解説】ライフィ保険ニュース解説

2022年10月から地震保険料が改定 全国平均0.7%引き下げ 構造・地域により引き上げも

執筆者

加藤 梨里
ファイナンシャルプランナー、CFP(R)認定者、金融知力インストラクター、健康経営エキスパートアドバイザー >プロフィールを見る

10月から地震保険料が改定 全国平均0.7%引き下げ 構造・地域により引き上げ

2022年10月から、地震保険の保険料が改定されます。昨年にすでに改定が決まっていたもので、全国平均で0.7%引き下げられます。地域や建物構造により改定率が異なります。

地震保険料が高くなる地域、低くなる地域、構造の違いについてFPが解説します。

ニュースのポイント

  • 地震保険の保険料が全国平均0.7%引き下げへ
  • 木造で最大1万円引き下げ、耐火構造では最大6100円引き上げ
  • 5年間の長期契約の割引率が縮小

地震保険料が全国平均マイナス0.7%引き下げ

損害保険各社は、10月から地震保険料を改定します。改定は損害保険のデータを収集・分析する損害保険料率算出機構が昨年に参考純率を改定したことによるものです。

地域や建物構造により異なりますが、全体平均では0.7%引き下げられます。

耐火構造では茨城・埼玉などで引き上げ、東京・千葉は変わらず

鉄骨造・コンクリート造など耐火構造の建物(イ構造)では、多くの地域で保険料が引き下げられます。
保険金額1,000万円、保険期間1年で割引なしの地震保険料は、大分県で現行の11,800円から7,300円となり、4500円引き下げられます。

一方で埼玉県では同条件で+6,100円、徳島県・高知県・茨城県などでは+5,300円引き上げられます。
静岡県、神奈川県、東京都、千葉県では改定後も保険料は変わりません。

木造では茨城・埼玉などで引き上げ、大分・宮城・山梨などで引き下げ

木造など非耐火構造の建物(ロ構造)でも、大分県で大幅に引き下げられます。

保険金額1,000万円、保険期間1年の保険料は現行の21,200円から11,200円へ、1万円引き下げられます。
また、大阪府、三重県、愛知県、山梨県、宮城県などでは同条件で1,700円、静岡県、神奈川県、東京都、千葉県では1,100円引き下げられます。

逆に、茨城県・埼玉県では+4,500円引き上げられます。

5年契約の割引幅が縮小へ

長期契約の割引率は、一部引き下げられます。地震保険には、保険期間2年~5年では長期係数による割引がありますが、改定により5年の長期係数が4.65→4.70に変更されます。

このため、5年契約での割引幅が縮小します。2~4年の契約は現行の割引率から変更はありません。

長期係数の改定は、保険料率の改定とともに保険期間の始期が10月1日以降の契約から適用されます。

地震保険料の改定は今後10年程度続く見込み

地震保険の保険料は損害保険料率算出機構が設定する基準料率を基本として決まっており、過去の地震の発生状況や震源の状況などのデータをもとに定期的に見直されています。

直近でも2017年、2019年、2021年に改定が行われましたが、激変緩和措置として、データに基づいて本来必要だった引き上げ幅よりも改定幅が抑えられていました。

過去3回の改定幅が抑えられたことで、本来収納する必要があった保険料よりも不足が生じており、これは今後の改定で保険料を上乗せすることで解消する予定になっています。

同機構によると、不足解消のための上乗せは今後10年程度行われる見込みです。

用語解説

地震保険の保険料の決まり方とは?

地震保険は火災保険とセットで、建物の保険金額は5,000万円まで、家財は1,000万円を上限に、それぞれ火災保険金額の30~50%の範囲内で契約します。

保険料率は、保険金額1,000万円あたり1年間の料率です。
保険金額5,000万円の地震保険に契約する場合、保険料は保険料率に5をかけた金額になります。

地震保険の保険料率は各社一律で、地域や建物などの条件が同じなら、どこの保険会社で契約しても保険料は同じです。

地震保険の保険料を計算する元になるのが、損害保険料率算出機構が設定する基準料率です。基準料率は過去の地震保険の契約や支払データから、将来の地震発生時の保険金支払を予測して算出されています。建物の構造や地域による区分があります。

また、保険期間が2~5年の契約では長期係数が適用され、保険料が割引されます。
ほかに、1981年以降に建築された建物に適用される「建築年割引(10%)」や、耐震診断や耐震改修を行い基準を満たす場合の「耐震診断割引(10%)」、所定の等級を満たす建物の「耐震等級割引(10~50%)」、所定の免震構造に該当する建物の「免震建築物割引(50%)」のいずれかを受けられることがあります。

参考:損害保険料算出機構「地震保険基準料率 届出のご案内」
参考:損害保険料率算出機構「地震保険基準料率のあらまし」

この保険ニュースの解説者

加藤 梨里(かとう りり)

加藤 梨里(かとう りり) マネーステップオフィス株式会社代表取締役
CFP(R)認定者、金融知力インストラクター、健康経営エキスパートアドバイザー

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