自転車の点検時に貼付される「TSマーク」に緑マークが新設 賠償事故時の補償が拡充
加藤 梨里
ファイナンシャルプランナー、CFP(R)認定者、金融知力インストラクター、健康経営エキスパートアドバイザー >プロフィールを見る
所定の自転車修理店などで点検を受けたときに貼付される「TSマーク」に、2022年12月から新しく緑色のマークが加わりました。
従来から発行されている赤色・青色のTSマークに比べて、自転車事故を起こしたときの賠償責任の補償が充実しています。
TSマークの基本とともに、FPが解説します。
ニュースのポイント
- 緑色のTSマークが2022年12月から新設
- 自転車で人身事故を起こしたときの賠償責任を補償
- TSマークは自転車の点検時に貼付 自転車保険が付帯される
新しい緑のTSマークが誕生 赤・青・緑の3種類に
ブレーキの効きやチェーンの張りなど、自転車の安全性を整備店で点検してもらったときに貼付される「TSマーク」に、2022年12月から緑色マークが新設されました。これまでの赤色と青色に加えて、TSマークは3種類となりました。
TSマークは自転車の安全を確認する専門家である自転車安全整備士が点検したときに発行されるもので、自転車にステッカーを貼付してもらいます。また、TSマークには自転車事故を補償する賠償責任保険と傷害保険が付帯されています。
緑マークの賠償責任保険はすべての人身事故が対象
このうち賠償責任保険について、今回新設された緑色のTSマークでは、自転車乗用中に事故を起こして人にケガや後遺障害を負わせたり死亡させたりして法律上の損害賠償責任を負ったときに、上限1億円が賠償責任保険金として支払われます。
対人事故のすべてが対象になるのが特徴で、死亡または重度後遺障害1級から7級のみを対象とした従来の赤色・青色のTSマークよりも、補償の範囲が広くなっています。ただし、物損事故はいずれのTSマークでも補償の対象外です。
示談交渉サービスも付いている
また緑のTSマークに限り、賠償事故を起こしたときに相手方と示談に向けた交渉を代行する「示談交渉サービス」も付いています。業務中の事故を除き、保険金の支払い対象となる賠償事故を起こした場合に、保険会社が本人に代わって示談交渉を行ってくれるサービスです。
緑色のTSマークが付いた自転車を運転していた人が交通事故を起こし、賠償責任保険金が支払われたときに利用できます。
付帯の傷害保険では入院時に5万円の補償も
賠償責任保険とともにTSマークに付帯されている傷害保険では、自転車事故でケガをしたときに補償を受けられます。
緑色のTSマークの場合、自転車を運転していた人が事故で死亡または重度後遺障害(1~4級)を負った際には50万円、事故によるケガで15日以上の入院をしたときには5万円が一律で支払われます。
ケガを補償する傷害保険は赤色・青色のTSマークにも付帯していますが、保険金額はそれぞれ異なります。
TSマークとは?
自転車安全整備士が点検確認した自転車に貼付されるステッカータイプのマークです。マークには賠償責任保険と傷害保険が付帯しており、自転車の運転中に対人事故を起こして賠償責任を負ったときや、運転していた人がケガをして入院、死亡をしたときなどに保険金が支払われます。保険はTSマークのついた自転車を保有している本人のほか、その自転車を家族や知人、従業員が運転しているときに起きた事故でも対象になります。
自転車の点検や整備を行う安全整備店では赤・青・緑のいずれかのTSマークを取り扱っており、有料の自転車点検整備を受けることで貼付してもらえます。点検から1年間が有効期間で、期間が終了すると保険も無効になります。更新するには再度点検を受けて、新しいTSマークを貼ってもらいます。
この保険ニュースの解説者
加藤 梨里(かとう りり)
マネーステップオフィス株式会社代表取締役
CFP(R)認定者、金融知力インストラクター、健康経営エキスパートアドバイザー