ペット保険の中には、補償対象を入院や手術のみに限定したタイプがあります。
通院を補償するフルカバー型のペット保険と比べて、どのような違いがあるのでしょうか?
入院・手術のみのペット保険のしくみや注意点を解説します。
手術・入院のみに特化したペット保険とは?
動物病院の受診時には、病気やケガの状態に応じて通院(外来)、入院、手術などで治療を受けますが、このうち入院や手術のみを補償するペット保険があります。
ペット保険の補償範囲
入院および手術について、どこまでを補償対象とするかは保険会社やプランによって異なりますが、おもに次のタイプに分けられます。
手術・入院どちらも補償するタイプ
対象になる病気やケガで入院または手術をしたときに補償されます。
手術のみ、入院のみ、入院が必要な手術のいずれの場合にも補償の対象になります。
手術+手術を伴う入院を補償するタイプ
対象になる病気やケガで手術をしたとき、および手術を含む連続した入院をしたときに補償されます(手術後に数日たってから入院した場合や、入院のみは対象外です)。
手術のみを補償するタイプ
対象になる病気やケガでの治療のうち、手術のみ補償されます(入院費用は対象外です)。
手術・入院のみに特化したペット保険のメリット
補償対象を手術や入院のみに特化したペット保険は、通院への補償がない反面、通院補償のあるフルカバータイプのペット保険に比べて、(動物の種類や年齢などの条件が同じであれば)保険料が手頃な傾向があります。
また、手術1回あたりに対して支払われる保険金の限度額が高く、ペット保険で受け取れる年間の最大支払限度額がフルカバータイプよりも高く設定されている商品もあります。
入院や手術による高額な治療費に手厚く備えたい場合には、手術・入院のみに特化したペット保険を活用しやすいかもしれません。
手術・入院のみに特化したペット保険の注意点
手術・入院のみに特化したペット保険は、通院への補償がありません。また、次のような点にも注意が必要です。
窓口精算が使えない
大手ペット保険会社などでは、動物病院での請求時にペット保険の加入者証などを提示すると、保険金を差し引いて精算してもらえる「窓口精算サービス」を提供していますが、手術・入院のみに特化したプランでは利用できないところが多いようです。
通院プランへの切替が難しくなることも
手術・入院特化タイプから通院を補償するフルカバータイプに変更する場合は注意が必要です。
契約中のペット保険会社で、フルカバータイプに変更する際にも再度申込が必要とされ、健康告知や審査が必要になる場合があります。
別のペット保険会社でフルカバータイプに契約し直す方法もありますが、こちらも新たに申込手続きが必要です。
従前のペット保険に契約したときよりも高齢になっているので、年齢制限で加入できるペット保険が限られていたり、持病により加入が難しくなったりする恐れもあります。
通院補償をセットするかどうか、また通院補償を付けるタイミングは慎重に検討しましょう。
入院や手術に絞って備えたい場合の選択肢として検討を
入院や手術をしたら、高額な治療費が心配です。通院のみで済む程度の病気・ケガであれば家計や貯蓄から治療費を準備できても、入院や手術となると心配、というときに、手術・入院のみに特化したタイプのペット保険で備えられそうです。
通院を補償するフルカバータイプに比べて、保険料が手ごろなケースもあるかもしれません。保障とのバランスをみながら検討してみましょう。
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監修者プロフィール
加藤 梨里(かとう りり)
マネーステップオフィス株式会社代表取締役
CFP(R)認定者、金融知力インストラクター、健康経営エキスパートアドバイザー
マネーに関する相談、セミナー講師や雑誌取材、執筆を中心に活動。保険、ライフプラン、節約、資産運用などを専門としている。2014年度、日本FP協会でくらしとお金の相談窓口であるFP広報センターにて相談員を務める。
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