がん保険は、がんの治療や療養などにかかる費用に備えられる生命保険です。
では、どのような保障を受けられるのでしょうか?
がん保険の種類と保障内容について、解説します。
がん保険はがんのみを保障する生命保険
がん保険は、がんと診断されたときや、がんによる入院・手術・治療を受けたときなどに保障される保険です。
幅広い病気やケガが対象となる医療保険とは異なり、がんだけが対象となります。
一般的には、「悪性新生物」または「上皮内新生物」と診断された場合に、がん保険の保障対象となります。
がん保険の種類は大きく4つ
がん保険にはさまざまな保障があります。おもに次のような給付金を中心に、保障内容を選ぶことができます。
診断給付金
がんと診断されたときに、50万円や100万円などの一時金を受け取れるのが「診断給付金」です。
がんと診断された時点で給付され、入院や手術の有無は問われません。がんの治療を開始する前に受け取ることもできます。
治療給付金
抗がん剤治療、放射線治療、ホルモン剤治療など、所定の治療を受けた場合に、契約時に定めた金額が毎月支払われるのが「治療給付金」です。
対象となる治療を受けた月ごとに、月額5万円や10万円などの治療給付金を受け取ることができます。
これらのがん治療は外来で行うこともありますが、がん保険の治療給付金では入院の有無は問わず、通院で治療を受けた場合にも受け取れます。
入院・通院給付金
がんの治療で入院した場合、「入院1日につき1万円」など、入院した日数に応じて給付金を受け取れるのが「入院給付金」です。
また、商品によっては「退院一時金」を付加でき、10日以上など一定期間入院をして退院した際に5万円や10万円などの一時金が支払われるがん保険もあります。
また、がん治療のために通院したときに、「1日につき5000円」など、通院日数に応じた「通院給付金」を付加できるがん保険もあります。
実額補償のがん保険
一部のがん保険には、がんの治療に実際にかかった費用を補償する「実額補償型」があります。
通常は、入院や手術、通院など治療の方法に関係なく、自己負担した治療費が補償されます。
2025年現在販売されている商品では、入院の補償には保険金の上限がなく、保険金額が無制限です。
一方、通院の補償には1,000万円や2,000万円などの限度額が設定されており、その範囲内で実際にかかった費用が保険金として支払われます。
商品によって複数の保障を組み合わせできる
がん保険の保障内容は、商品やプランによって異なります。
ひとつの契約にあらかじめ複数の保障がセットされている場合や、基本的な保障プランを選択し、希望に応じて特約としてほかの保障をセットできる場合があります。
がんと診断されたときにまとまったお金を受け取りたい場合は「診断給付金」を付加できるがん保険を、抗がん剤治療やホルモン剤治療、放射線治療などを継続的に受ける場合に備えたい場合は「治療給付金」を付加できるがん保険を選ぶなど、ニーズに合わせて商品やプランを選ぶことができます。
保障されないがんも、がん保険の注意点
がん保険では、がんの診断時に一時金を受け取ったり、入院や治療時に給付金を受け取ったりすることで、がんにかかる費用に備えることができます。
ただし、保障を受けられない場合もあるため、注意が必要です。
責任開始前にかかったがんは対象外
がん保険には原則として、免責期間(待ち期間、不担保期間、不てん補期間などと呼ばれます)があります。
通常、契約してから90日や3ヶ月が免責期間とされ、これが経過した後に保障が開始(責任開始)します。
このため、免責期間中やがん保険の申し込み前など、責任開始日前にかかったがんは、基本的にがん保険の保障対象外です。
保障対象外のがん・腫瘍
がん保険で対象となるのは、原則として「悪性新生物」および「上皮内新生物」と診断されたがんです。
一般的に、がんが疑われる場合には良性腫瘍や良性新生物、良性ポリープなどが発見されることもありますが、これらはがん保険の保障対象とならないことが多いです。
なお、悪性新生物と上皮内新生物については、基本的にどちらも保障内容はほぼ同じです。
ただし、一部のがん保険では、上皮内新生物の場合には診断時に受け取れる一時金の金額が、悪性新生物に比べて低く設定されているなど、保障内容が異なる場合もあります。
がん保険のしくみを知ってもしもの治療への備えを
がん保険では、がんの診断から入院、治療などの段階に応じて、さまざまな保障を選択できます。
それぞれの保障の内容を理解しておくと、がん保険を検討するときに役立ちます。
もしもがんにかかったときに備えて、まずはがん保険のしくみを知っておきましょう。
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執筆者プロフィール
加藤 梨里(かとう りり)
マネーステップオフィス株式会社代表取締役
CFP(R)認定者、金融知力インストラクター、健康経営エキスパートアドバイザー
マネーに関する相談、セミナー講師や雑誌取材、執筆を中心に活動。保険、ライフプラン、節約、資産運用などを専門としている。2014年度、日本FP協会でくらしとお金の相談窓口であるFP広報センターにて相談員を務める。
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