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更新:(公開:2016年5月20日)

【源泉徴収票の見方】所得(収入)や控除の内容をわかりやすく解説

執筆者

加藤 梨里
ファイナンシャルプランナー、CFP(R)認定者、金融知力インストラクター、健康経営エキスパートアドバイザー >プロフィールを見る

【源泉徴収票の見方】所得(収入)や控除の内容をわかりやすく解説

会社員や公務員などで給与を受け取っている人には、年末調整の後に給与所得の源泉徴収票が発行されます。源泉徴収票には、1年間に勤務先から支払われた収入金額や所得控除などの内訳が記載されています。

源泉徴収票の見方をわかりやすく解説します。

源泉徴収票を見れば収入と控除の内容がわかる

源泉徴収票は、給与などを支払った勤務先が発行する書類です。給与所得の場合は年に1回、年末調整の後に発行されます。

1年間に支払われた金額や源泉徴収された税額、所得税の計算時に控除される所得控除などについて記載されています。(控除とは、一般的にお金を「差し引く」ことを意味します。所得税の計算では、所得の金額から決められた金額を差し引き、課税対象となる金額を算出する際に用いられます。)

おもに重要な項目は「支払金額」「給与所得控除後の金額」「所得控除の額の合計額」「源泉徴収税額」です。これらがどこにあるかがわかれば、源泉徴収票の見方はおおよそ理解できます。

所得(収入)についての項目

収入や所得に関わる情報は、源泉徴収票のどこに記載されているのでしょうか。関連する主な項目は以下の通りです。

支払金額(年収)

1月から12月に、勤務先の会社などが従業員に対して支払った金額の合計が「支払金額」です。

源泉徴収票の「支払金額」
源泉徴収票の「支払金額」
源泉徴収票の「支払金額」

源泉徴収票は所得税の課税額を計算するための書類ですので、給与やボーナス、残業代や住宅手当など、課税対象になる所得が含まれています。通勤手当(交通費の支給)は非課税のため、源泉徴収票の支払金額には含まれません。

勤務先が支払った金額は、従業員側にとっての収入にあたります。ですから源泉徴収票の「支払金額」は、いわゆる額面の年収にあたります。この金額から、後述する源泉徴収税額と社会保険料のほか、住民税を差し引くと、手取りの年収額がわかります。

給与所得控除後の金額(給与所得)

支払金額から「給与所得控除額」を引いた金額が「給与所得控除後の金額」です。

源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」
源泉徴収票の「給与所得控除後の金額
源泉徴収票の「給与所得控除後の金額

給与所得控除とは自営業などでいう必要経費にあたるもので、一定額を収入額から差し引いてから税額を計算できるようにするしくみです。

給与所得控除の金額は最低55万円から上限195万円まで、給与の収入額(源泉徴収票上の「支払金額」)に応じて決まっていますが、源泉徴収票には記載されていません。給与所得控除額を引いた後の金額のみが、「給与所得控除後の金額」として記載されています。これが、「給与所得」の金額になります。

所得(収入)から控除される項目

源泉徴収票では、給与所得控除以外の所得控除についても記載されています。「所得控除の額の合計額」は、各所得控除の合計額です。また、源泉徴収票の下段には所得控除の内訳も記載されています。

源泉徴収票の「所得控除の額の合計額」
源泉徴収票の「所得控除の額の合計額」
源泉徴収票の「所得控除の額の合計額」

社会保険料等の金額

1年間に納めた社会保険料は全額が「社会保険料控除」として、所得税の計算上で所得控除できます。

源泉徴収票の「社会保険料等の金額」(社会保険料控除)
源泉徴収票の「社会保険料等の金額」(社会保険料控除)
源泉徴収票の「社会保険料等の金額」(社会保険料控除)

源泉徴収票では、毎月の給与などで天引きされた健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料、雇用保険料の合計額が社会保険料控除に含まれます。社会保険料控除の金額は、その年12か月分の給与明細で天引きされた社会保険料の合計額と一致するのが一般的です。

生命保険料の控除額

生命保険や医療保険、個人年金保険の保険料を払い込んだ場合、その保険料のうち最大12万円を所得控除することができます。

契約先の保険会社から届く証明書を年末調整の前に勤務先に提出しておくと、源泉徴収票に生命保険料控除額として記載されます。

地震保険料の控除額

地震保険の保険料を支払った場合には、最大5万円の地震保険料控除を適用することができます。こちらも保険会社の証明書を勤務先に提出すると、源泉徴収票に記載されます。

その他の控除

ほかに、家族を扶養している場合に適用できる「配偶者控除」や「扶養控除」、住宅ローンを借り入れて要件を満たす年に適用できる「住宅ローン控除(住宅ローン減税)」などが記載されていることもあります。

課税される内容

源泉徴収票では、所得税の課税の内容や内訳もわかります。

課税所得額

課税所得とは、所得税の課税の対象になる所得のことです。所得税は、上述の「給与所得控除後の金額」から「所得控除の額の合計額」を差し引いて、所得税率(5%~45%)をかけて計算します。

したがって、所得税の対象になる「課税所得額」は以下の金額になります。ただし、課税所得額は源泉徴収票の中にはどこにも記載はありません。

課税所得額の計算式
課税所得 = 給与所得控除後の金額
– 所得控除の額の合計額
源泉徴収票の「源泉徴収税額」
源泉徴収票の「源泉徴収税額」

なお、「課税所得額」と似た言葉に「課税標準額」がありますが、これは住民税の計算の基礎になる金額です。収入が給与のみの場合には源泉徴収票で確認できる「課税所得額」と同額になることがありますが、基本的には源泉徴収票に書いてあるわけではありません。

正確な「課税標準額」は、お住まいの市区町村から発行される納税通知書や課税証明書(納税証明書)などで確認できます。

源泉徴収税額(所得税)

課税所得額に所得税率をかけたのが、所得税額です。源泉徴収で申告と納税を行う会社員や公務員の場合には、源泉徴収票の「源泉徴収税額」が、1年間の所得税の確定額です

※2037年までは、基準所得税額の2.1%が、復興特別所得税として所得税とあわせてかかります。

源泉徴収票の「源泉徴収税額」
源泉徴収票の「源泉徴収税額」
源泉徴収票の「源泉徴収税額」

年末調整では、源泉徴収税額のうちすでに毎月の給料やボーナスなどから天引き済の金額を精算します。給与天引きで払い過ぎていた場合には払い戻しを、少なかった場合には年末調整時に追加で徴収されます。

源泉徴収票の(摘要)欄に、年末調整による調整額が記載されていることもあります。

源泉徴収票は収入の証明書として使うことも

源泉徴収票では、その年の収入や所得税額の内容がわかります。収入証明書として、住宅ローンの借入時や賃貸住宅の契約時、行政の給付金受給の際などに必要になることもあります。

勤務先から源泉徴収票が発行されたら、大切に保管しておきましょう。

※2023年10月現在の情報をもとに執筆しています。社会保険や税の詳細は勤務先や加入先の保険者等でご確認ください。

出典:国税庁「令和  年分 給与所得の源泉徴収票」
出典:国税庁「No.1410 給与所得控除」

  • 執筆者プロフィール

    ファイナンシャルプランナー 加藤 梨里

    加藤 梨里(かとう りり)

    マネーステップオフィス株式会社代表取締役
    CFP(R)認定者、金融知力インストラクター、健康経営エキスパートアドバイザー
    マネーに関する相談、セミナー講師や雑誌取材、執筆を中心に活動。保険、ライフプラン、節約、資産運用などを専門としている。2014年度、日本FP協会でくらしとお金の相談窓口であるFP広報センターにて相談員を務める。
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