

健康保険の保険料率 4月から改定
加藤 梨里
ファイナンシャルプランナー、CFP(R)認定者、金融知力インストラクター、健康経営エキスパートアドバイザー >プロフィールを見る

健康保険の保険料率が、新年度となる4月分から改定されます。
中小企業に勤める人などが加入する協会けんぽでは、47都道府県のうち24府県で料率が引き上げられます。
健康保険の保険料の改定について解説します。
ニュースのポイント
- 健康保険料の料率は年度ごとに改定される
- 4月納付分の保険料から新年度の料率が適用
- 加入する健康保険制度により、料率の決まり方が異なる
協会けんぽは過半の府県で料率引き上げ
中小企業に勤める会社員などが加入する協会けんぽ(全国健康保険協会)の保険料率は、都道府県ごとに毎年度定められています。
今年4月納付分の保険料率から、新年度の保険料率が適用されます。今年度は47都道府県のうち24府県で料率が引き上げられます。
引き上げ幅が大きいのは石川県、山梨県、山口県など
このうち、料率の引き上げ幅が大きいのは石川県(+0.28%)、山梨県(+0.27%)、山口県(+0.24%)などです。
一方で引き下げ幅が大きいのは沖縄県(-0.37%)、島根県(-0.34%)、青森県(-0.30%)などです。
また、神奈川県では料率変更はありませんでした。
主な都道府県の保険料率
都道府県 | 令和6年度 | ↑:引上げ ↓:引下げ |
令和5年度 |
---|---|---|---|
石川県 | 9.66% | ↑ | 9.94% |
山梨県 | 9.67% | ↑ | 9.94% |
山口県 | 9.96% | ↑ | 10.20% |
~中略~ | |||
神奈川県 | 10.02% | → | 10.02% |
~中略~ | |||
東京都 | 10.00% | ↓ | 9.98% |
~中略~ | |||
青森県 | 9.79% | ↓ | 9.49% |
島根県 | 10.26% | ↓ | 9.92% |
沖縄県 | 9.89% | ↓ | 9.52% |
引用:全国健康保険協会ホームページより
介護保険料率は引き下げ
40歳から64歳までの人は健康保険料に加えて介護保険料が徴収されます。
協会けんぽの介護保険料率は全国一律で、令和6年度分は1.60%です。前年度(1.82%)に比べて引き下げられました。
国民健康保険の保険料は自治体ごとに異なる
自営業や無職の人などが加入する国民健康保険の保険料(保険税)も、新年度から改定されました。
国民健康保険は都道府県と市区町村などで運営されており、加入者から保険税を徴収しています。
加入者の負担額は所得や世帯構成などに応じて市区町村などが定めていますが、現在は加入者の負担の公平性などの観点から各地で改定が進んでいます。
今年度は、各自治体で保険税額や保険税率の見直しが行われています。
地域や世帯構成などによっては負担額が増えるケースがあるようです。
大企業の会社員などは健康保険組合が料率を定める
大企業に勤める会社員などが加入する健康保険組合では、組合が保険料率を定めています。
保険料率は年度ごとに見直され、4月納付分から新料率が適用されるところが多いようです。
健康保険料とは
公的医療保険に加入する人が納める保険料。健康保険制度は働き方などに応じて加入先の種類が異なり、会社員や公務員は健康保険、自営業や無職の人は国民健康保険、75歳以上の高齢者は後期高齢者医療制度などとなっています。
各制度や地域によって、加入者が負担する健康保険料の算定方法や料率などは異なります。
また会社員や公務員の場合は、保険料の負担は事業主と従業員で半分ずつになっています。
出典:全国健康保険協会「都道府県毎の保険料率」
この保険ニュースの解説者
加藤 梨里(かとう りり)
マネーステップオフィス株式会社代表取締役
CFP(R)認定者、金融知力インストラクター、健康経営エキスパートアドバイザー