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【専門家が解説】ライフィ保険ニュース解説 【専門家が解説】ライフィ保険ニュース解説

令和5年度から介護保険料が見直し 現役世代は労使合わせて1人あたり月額平均6,216円で過去最高水準

執筆者

加藤 梨里
ファイナンシャルプランナー、CFP(R)認定者、金融知力インストラクター、健康経営エキスパートアドバイザー >プロフィールを見る

令和5年度から介護保険料が見直し 現役世代は労使合わせて1人あたり月額6,216円で過去最高水準

毎年4月に見直されている現役世代の介護保険料が、2023年4月から引き上げられます。

介護保険料の金額は加入している健康保険制度や収入額などによって異なりますが、1人あたりの平均にすると1ヶ月あたり6,216円で、制度開始以来で過去最高水準になる見込みです。

国の介護保険制度と合わせて、FPが解説します。

ニュースのポイント

  • 現役世代の介護保険料が引き上げ
  • 1人あたり平均は月額6,216円で過去最高
  • 65歳以上の人の介護保険料も来年度に見直し予定

4月から公的介護保険料が見直し

40歳以上の人が加入する国の介護保険のうち、64歳までの現役世代の人が納める保険料が、4月から改定されます。加入者1人あたりの保険料は、事業主が負担する分を含めて1月あたり6,216円になる見込みで、これは過去最高水準です。

介護保険料は毎年度見直されていて、全体的には上昇傾向が続いています。今回の見直しにより、保険料は国の介護保険制度が開始した約20年前に比べて3倍ほど高くなることになります。

64歳までの会社員・公務員は給与天引きで納付

改定されるのは、4月に納付する令和5年3月分の保険料からです。

会社員や公務員の介護保険料は、加入している健康保険制度や都道府県などが定める料率で、おおよその収入に応じて保険料額を算定します。中小企業等に勤める人が加入する協会けんぽの場合、保険料率は4月から1.64%から1.82%に引き上げられます。

現役世代の会社員などの介護保険料は、健康保険料と合わせて半分は勤務先が負担し、半分を自己負担として給与天引きで納付します。おおよその給与である標準報酬月額が30万円の場合、月額保険料は35,460円で、このうち残りの17,730円が自己負担です。

65歳以上の人の介護保険料は来年度に見直し予定

65歳以上の高齢者の介護保険料は3年ごとに見直されており、令和5年度の保険料は据え置かれます。来年度に見直しを控えていますが、過去の見直しでは上昇傾向が続いています。

また、高齢化などの影響で介護にかかる費用が増加し、現役世代の負担が重くなっていることをうけて、65歳以上の人の負担を見直す検討も進んでいます。介護保険料や、介護サービスを受けたときの自己負担の引き上げなどが議論されているようです。

用語解説

公的介護保険とは?

介護保険は、介護が必要と認定されたときに、介護サービスを利用できる国の公的制度です。40歳以上の人が加入し、保険料を納めます。介護サービスを利用できる要件は年齢によって異なります。

64歳までの人は第2号被保険者といって、末期がんや関節リウマチなど、加齢による特定の病気により介護が必要になったときに、介護サービスを受けられます。65歳以上の人は第1号被保険者といって、原因を問わず、要支援や要介護状態になったときに、介護サービスを受けられます。
サービスを利用したときには、利用者の負担は原則として1割です。

出典:厚生労働省「令和5年度 介護納付金の算定について(報告)」
出典:全国健康保険協会

この保険ニュースの解説者

加藤 梨里(かとう りり)

加藤 梨里(かとう りり) マネーステップオフィス株式会社代表取締役
CFP(R)認定者、金融知力インストラクター、健康経営エキスパートアドバイザー

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