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自動車保険料が引き下げの見通し 安全運転サポート車の普及で交通事故減少を受け|ライフィ保険ニュース解説

執筆者:
加藤 梨里|ファイナンシャルプランナー、CFP(R)認定者、健康経営エキスパートアドバイザー

自動車保険料が引き下げられる見通しとなりました。保険会社が保険料決定の参考とする、損害保険料算出機構の「自動車保険参考純率」の改定に伴うものです。

自動車保険の参考純率引き下げは2017年以来で、衝突被害軽減ブレーキなど安全技術の普及により交通事故が減少したことを反映したものです。

ニュースのポイント

  • 自動車保険料の参考純率が平均3.8%引き下げ
  • 安全運転サポート車の普及による交通事故の減少が背景に
  • 各保険会社の自動車保険料も改定の見込み

自動車保険料の参考純率が平均3.8%引き下げ

2021年6月、損害保険料算出機構が、自動車保険の参考純率の改定を発表しました。損害保険料算出機構は、保険会社が自動車保険や火災保険などの保険料決定の目安となる「参考純率」を算出しており、事故の発生状況に応じて定期的に見直しています。

今回の改定により自動車保険の参考純率は、対人賠償責任保険、対物賠償責任保険、車両保険を付保した場合、用途や車種、補償内容など全ての条件での保険料の平均で3.8%、引き下げられます※1

今後、保険会社でも参考純率の改定を受けて自動車保険料率を改定する可能性があります。

安全運転サポート車の普及による交通事故減少が改定の背景に

今回の参考純率が改定された背景には、衝突被害軽減ブレーキなどを搭載した安全運転サポート車の普及があると、同機構は発表しています。

衝突被害軽減ブレーキとは、車両に搭載したカメラやレーダーで先行車や歩行者を検知し、衝突回避のための警告表示やブレーキングを行うシステムです。同機構によると、このシステムを装着した車両は、2019年度時点で31%で、2016年度からの3年間で約3倍に増えています※1。普及により交通事故が減少したことから、自動車保険の参考純率が引き下げられました(一部地域を除く)。

新車割引の拡大、無事故の等級割引が一部拡大も

参考純率の改定に加えて、自動車保険の各種割引・割増率も見直されます。主に 新車割引の拡大やノンフリート等級の割増引率の改定などです。

新車割引の拡大

自動車保険では新車の場合、一定期間割引される「新車割引」を受けられます。これまでは新車登録(初度登録または初度検査の実施)から25カ月以内の自動車が割引対象でしたが、25カ月超49カ月以内に対象が拡大されました。

ノンフリート等級の割増・割引率の見直し

事故歴に応じて保険料の割増・割引がされるノンフリート等級の割増引率も見直されました。無事故の9等級から19等級では割引率が1~2%拡大します。それ以外の等級では割引率の縮小や割増率の拡大により、保険料引き上げの要因のひとつになります。

ほか、運転手の年齢によって補償範囲を限定することで割引を受けられる「年齢条件」や、補償対象の運転者の範囲を限定する代わりに保険料が割引される「運転者限定」についても、料率較差が見直されます。

これらの改定を反映した自動車保険料の参考純率は、たとえば20等級で年齢条件が26歳以上補償、被保険者が30歳代で運転者が本人・配偶者限定の場合、対人・対物賠償責任保険のセット契約でマイナス4.8%の引き下げになる見込みです。同条件で車両保険をセットすると、プラス0.2%の引き上げになる見込みです(詳細な条件、保険会社によって実際の保険料は異なります)。

用語解説

保険料率とは?

民間の保険の保険料は、事故が起きた際に被保険者へ保険金や給付金を支払うための「純保険料」と、保険会社の事業運営などに充てられる「付加保険料」から成り立っています。各社の純保険料部分は損害保険料算出機構が算定した保険料率を基準に決められており、自動車保険のほか、火災保険・傷害保険・介護費用保険の純保険料の算定には「参考純率」が用いられています。「参考純率」は、各保険会社から収集した契約・支払データなどを分析して算出されています。

参考純率は、事故の発生状況データをもとに定期的に見直され、その発表をもとに、各保険会社が自社の保険料を改定します。

※1 出典:損害保険料算出機構「自動車保険参考純率改定のご案内」

この保険ニュースの解説者

加藤 梨里(かとう りり)

加藤 梨里(かとう りり) マネーステップオフィス株式会社代表取締役
CFP(R)認定者、金融知力インストラクター、健康経営エキスパートアドバイザー

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