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更新:(公開:2016年4月12日)

【FPが解説】生命保険の見直し方 3つのポイントと基本の考え方を分かりやすく解説

執筆者

加藤 梨里
ファイナンシャルプランナー、CFP(R)認定者、金融知力インストラクター、健康経営エキスパートアドバイザー >プロフィールを見る

生命保険の見直し方 3つのポイントと対処方法を詳しく解説

生命保険を見直そうというとき、どこからどのように見直すかは意外と難しいものです。また、見直しはいつ、どんなときにするといいのでしょうか?

FPが、生命保険見直しのポイントや考え方を解説します。

生命保険を見直す3つのポイント

生命保険は、契約してから長期間そのままにしてしまいがちですが、いざというときに十分に活用するには定期的な見直しが大切です。

見直し方は、加入している保険の種類や内容、契約している人の年齢やライフプランなどに応じて個別に検討しますが、おもに、以下の3つに注目してみましょう。

1.保険に加入した目的(ニーズ)に合った保障か?

当初契約したときに、なぜ保険に加入したのかを思い出してみましょう。

どんな保険も、生活や人生の中でのもしものアクシデントやお金の出費に備えて契約しているはずです。具体的には、以下のような目的が考えられます。

保険に加入する目的例(ニーズ例)
  • もしも病気になった時の治療費にそなえたい
  • もしも死亡した時の家族の生活費にそなえたい
  • 将来、子どもが成長したときにかかる教育費にそなえたい・・・など

保険を見直す前には、こうした目的に対する考えや、それに対応するためのお金の準備が、現状でどのようになっているかを振り返ってみます。

たとえば、はじめに保険に契約したときには子どもが小さくて、これから教育費がかかる時期に向けてお金を準備しておく必要があったものの、今は子どもが独立して教育費がかからないようであれば、教育費を想定した保険はもう不要と考えられます。

このように、時間の経過と共に保険に対するニーズが変わっていないかどうかを考えてみましょう。

2.保障額がニーズに対して合っているか?

時間の経過とともに、必要な保険金や給付金なども変わることがあります。契約している保険から受け取れる保障の金額も確認しましょう。

たとえば、万が一の死亡に備える死亡保険の保険金額は、契約したときの家族構成や年齢などに合わせて設定しているはずです。
契約時には妻と子ども1人を想定して保険金額を設定したが、その後にもう1人子どもが生まれ、今は子どもが2人いるような場合には、必要な保障に対して保険金額が少ないかもしれません。

あるいは、夫が妻のために死亡保険に加入する場合を考えてみましょう。
65歳で公的年金を受け取り始めるまでの生活費を死亡保険で補いたいとすると、契約時に妻が30歳なら、35年分の保障が必要です。

しかし、その後に妻が40歳になれば25年分、50歳になれば15年分と、必要な保障額は時間の経過とともに少なくなっていきます。契約時の年齢を前提に加入した死亡保険は、時間がたつと保険金額を減らせることがあります。

3.保険料を無理なく払えているか?

月々の保険料も重要です。毎月払い続ける保険料が家計を圧迫していないかどうかを確認します。

契約したときよりも収入が下がっていたり、保険以外の生活費が増えていたりすると、保険料の出費が負担になっているかもしれません。
複数の保険に契約しているときにはすべての保険を合計して、毎月いくら支払っているか、それが生活費のうち何%をしめているかを計算してみましょう。

保険料の支出が家計の中で多すぎると感じるときには、無理なく払える金額の範囲内で、必要な保障を確保できるように考え直したいものです。

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生命保険を見直したいタイミング

では、生命保険の見直しはいつ行うのがいいでしょうか?きっかけがないと、なかなか見直しはできないものですね。

しかし人生のライフイベントがあったときはチャンスです。
大きなライフイベントがあると、家計のお金の流れや将来に向けて備えておきたいお金の金額が変わりやすく、一般的に生命保険を見直すタイミングです。
おもな例を挙げましょう。

結婚したとき

結婚して新しい家庭をもったときは、生命保険の見直しどきです。夫婦の働き方や収入に合わせて、お互いにどんな保険が必要かを検討します。

独身のときに加入した保険があれば、それをそのまま活かせるか、見直すかどうかを考えます。
まずは住所や姓、受取人の変更手続きをする際に、保険証券を整理して、契約内容を確認するといいですね。

子どもが生まれたとき

子どもが生まれると、扶養する家族が増えます。ご自身の万が一の死亡後に、家族の生活費を遺族年金と合わせて十分にまかなえるように、新たな生命保険に契約したり、加入中の保険の金額を増額したりするのが一般的です。

生活費だけでなく、子どもの進学時にかかる教育費も想定しておきましょう。

家を買ったとき

マイホームを買ったときも、生命保険の見直しどきです。住宅ローンの契約時には、ほとんどは返済中の死亡時に残債相当の保険がおりる団体信用生命保険(団信)に加入するためです。

団信は生命保険のひとつですから、加入している生命保険が増えることになります。その分、必要な保障額に対して契約している生命保険が過剰になることがあります。
このようなときには、死亡保険の保険金額を減額したり、一部解約したりできることがあります。

老後を迎えるとき

子どもが独立して扶養から外れると、自分の万が一の死亡時にお金を遺すべき家族が少なくなります。これに合わせて、死亡保険の保険金額を減らせることがあります。

また、定年退職をすると給与収入は減りますが、生活スタイルも変わり生活費も減ることがあります。老後の生活に合わせて、死亡時への備えがどれくらい必要かを改めて考えてみましょう。

一方で、退職金などまとまったお金が入ると、老後の生活でどのように使うかを考えたり、しばらく使わない場合には貯蓄や運用を検討することもあります。
お金の貯蓄・運用のために、一部の生命保険を活用するケースもあります。

ご自身や家族の状況に合わせて、慎重な見直しを

自分に合った生命保険の形は、時間の経過やライフプランとともに随時変わります。そのときそのときに最適な保障を確保できるように、定期的に見直すことが大切です。

見直すポイントやタイミングは多様で、どのように見直すかはご自身やご家族の状況や考えに応じて異なります。どんなときにどんな保障が、いくらくらい必要かを整理して、ニーズに合った保険を選びたいですね。
保険の専門家に相談しながら検討してもよいでしょう。

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  • 執筆者プロフィール

    ファイナンシャルプランナー 加藤 梨里

    加藤 梨里(かとう りり)

    マネーステップオフィス株式会社代表取締役
    CFP(R)認定者、金融知力インストラクター、健康経営エキスパートアドバイザー
    マネーに関する相談、セミナー講師や雑誌取材、執筆を中心に活動。保険、ライフプラン、節約、資産運用などを専門としている。2014年度、日本FP協会でくらしとお金の相談窓口であるFP広報センターにて相談員を務める。
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