生命保険のなかには、「定期付終身保険」と呼ばれる種類があります。
定期付終身保険とは、どのような保険なのでしょうか?また、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
定期付終身保険の特徴や、見直しの必要性について解説します。
「定期付終身保険」とは
定期付終身保険とは、正式には「定期保険特約付終身保険」といい、定期保険と終身保険がセットになった保険です。
終身保険をメインの主契約、定期保険をオプションの特約として契約します。
終身保険と定期保険がセットされている
定期付終身保険はおもに、生命保険のうち死亡保険で提供されている契約形態で、一定額の死亡保障を終身にわたって確保したうえで、一定期間に限り高額な死亡保障を上乗せするために活用されています。
定期付終身保険の種類
定期付終身保険は、定期部分の保険期間や保険料の払込期間の違いにより2つの種類に分けられます。
保険料の払込満了まで保障が続く「全期型」
定期部分の保険期間が、保険料の払込期間と同じタイプが、「全期型」です。
定期付終身保険の終身保険(主契約)部分の保障は生涯にわたって続きますが、通常、保険料の払い込みは「60歳保険料払込満了」や「60歳払済」など、あらかじめ決められた期間が終わると終了します。
「全期型」では、保険料の払込期間が終わるまで定期保険(特約)部分の保障も続きます。
たとえば、保険料の払込期間が30年の場合は、30年間にわたり、終身保険部分と定期保険部分の保険料を払い続けます。
払い込む保険料の金額は契約当初に決まり、保険料払込期間が満了するまで変わりません。
定期付終身保険「全期型」の例
定期部分の保険期間を更新する「更新型」
定期付終身保険のうち定期保険(特約)部分の保険期間を10年や15年などの一定期間とし、その後も保障が必要な場合には更新をするタイプが「更新型」です。
一般的に、更新時には新たな告知や診査は必要なく、従前と同じ保険金額・保障内容で保障を継続することができます。
「自動更新」といって、事前に更新を希望しない旨の連絡をしない限り、自動的に保障が更新される場合もあります。
更新時には、定期保険部分の保険料がその時の年齢に合わせて再計算されます。
契約当初よりも更新時の年齢が高くなるため、保険金額などが同じであれば、通常、更新後の保険料は更新前に比べて高くなります。
終身保険(主契約)部分の保障は、生涯にわたって続きます。
保険料の払い込みは、契約時などに定めた保険料払込期間が満了するまで続きます。
定期付終身保険「更新型」の例
定期付終身保険のメリット
定期付終身保険には、おもに次のようなメリットがあります。
保険料を比較的抑えて、高額な定期保障を確保できる
定期付終身保険は、主契約が終身保険、特約が定期保険で成り立っています。
一般的に、同じ保険金額の死亡保障に契約する場合、年齢や性別などの条件が同じであれば、保険料は定期保険よりも終身保険のほうが高くなります。
終身保険だけで数千万円単位の高額な死亡保障を備えようとすると、保険料も高額になりがちです。
そこで、終身保険部分の保険金額を数百万円とし、定期保険部分の保険金額を数千万円とすると、定期保険の保険期間中には高額な死亡保障を確保しながら、保険料を一定程度抑えることができます。
このしくみを活かし、主に子どもがいる家庭の世帯主が、家族への万が一に備えて定期付終身保険を契約するケースが多く見られます。
更新型の場合、更新時に見直しをしやすい
更新型の定期付終身保険の場合、定期保険部分の保険期間が満了すると更新を迎えます。
更新時には、保険金額を変更したり、特約の追加や解約をしたりできる場合があります。(保険会社、商品、契約内容により可否が異なる場合があります。)
契約から10年や15年といった期間が経過すると、住宅を購入する、子どもが独立する、定年退職をするなど年代に応じてライフプランが変わることがあります。
保険の更新をきっかけに、ライフプランに変化がないかを確認し、万が一への保障をそのときのニーズに合わせて見直すこともできます。
一方で、終身保険部分は生涯にわたって保障が続くため、時期を問わず、万が一亡くなったときの葬儀費用への備えとして常に確保できるしくみになっています。
特約で、医療保険やがん保険など死亡保障以外を付加することもできる
定期付終身保険の保障はおもに死亡保障ですが、特約部分には医療保険やがん保険などを付加できる商品もあります。
商品によっては、3大疾病(特定疾病)保障、介護保障、女性疾病保障など、多様な保障を選択できる場合もあります。
ひとつの契約で、さまざまなニーズに対応することができます。
定期付終身保険のデメリット
定期付終身保険には、いくつかのデメリットもあります。
これらの課題に対応した新しい保険商品が開発されていることから、現在では定期付終身保険を新規に取り扱う保険会社はほとんどありません。
主契約を解約すると特約も消滅する
定期付終身保険は、主契約と特約のセット商品のため、主契約部分の終身保険を解約すると、特約部分の保障はすべて消滅してしまいます。
特約部分の保障は継続したいが、主契約の保障は不要になったというときに、見直しがしにくい場合があります。
更新型の場合、更新のたびに保険料が高くなる
更新型の場合、保険料は更新のたびに高くなります。
10年更新の場合には10年ごと、更新を「40歳」や「50歳」などに設定している場合には、その年齢になると、同じ保障内容でも保険料が高くなります。
特に50代や60代以降に更新を迎える場合には、保険料が大幅に高くなることもあるため注意が必要です。
定期付終身保険は見直しが必要?
生命保険は、契約した後にも年齢の上昇やライフプランの変化に合わせて見直すことが大切です。
特に定期付終身保険は、一定額の終身保険と一定額の定期保険を組み合わせた商品であり、契約当初から保障額が変わらないまま長期間にわたって継続しているケースも少なくありません。
時間が経つにつれ、本来必要な保障額よりも高いままになっている場合もあります。
おもに60代以降は定期付終身保険の見直しが必要
「全期型」の定期付終身保険では、「60歳保険料払込満了」や「60歳払済」などとして契約しているため、60代まで見直しをしないまま継続しているケースもあります。
しかし保険料の払込期間が終わると定期保険(特約)部分の保障は終了し、保障額が大幅に少なくなることがあります。
このため、特に60代前後にはそのときのライフプランやニーズに合わせて保険を見直すことが大切です。
また、現在では定期付終身保険を新規に取り扱う保険会社はほとんどないため、定期付終身保険を契約しているのは、20代や30代のときに契約し、そのまま50代や60代を迎えているような人が多いと考えられます。
契約から20年や30年が経過することで、商品のスペックが古くなっている可能性もあります。
一部の保険会社では、現在加入している定期付終身保険をもとに新しい保険へ切り替える「転換制度」を提案されることがあります。
転換制度を利用すると、場合によっては新しく契約するよりも保険料を抑えられたり、保険金額や保障内容が充実したりすることもあります。
ただし、転換の際には、現在加入している定期付終身保険の終身部分にある貯蓄機能(積立金)が、新しい契約の保険料の一部に充てられます。
そのため、転換をすると積立金が減り、その後に解約した場合の解約返戻金が少なくなることがあります。
転換を検討する際は、保障内容や解約返戻金がどのように変わるかをよく確認しましょう。
80歳以降など、高齢になると特約部分を継続できない場合も
定期付終身保険に入院特約などの医療保障を付加している場合には、その保障は60歳や65歳など、主契約の保険料払込期間までとされているのが一般的です。
その後も医療保障を継続したい場合には、保険料払込満了時にその後の特約の保険料を一括でまとめて払い込む必要があるケースがあります。
また、医療保障を継続する場合にも、商品によっては80歳までなど、保険期間が所定の年齢で終了してしまうものもあります。
定期付終身保険を長期間にわたって継続する場合には、特約部分の保障がいつまで続くか、保障が満了するときにはどのように見直すかなども考えておくことが大切です。
定期付終身保険に加入している場合にはライフプランに合わせた保険の見直しがおすすめ
定期付終身保険は、終身保険と定期保険をセットで契約することで、保険料を比較的抑えながら一生涯の備えと一定期間の高額な保障を確保できる生命保険です。
更新のタイミングなどに合わせて見直しができますが、更新時には保険料が高くなるなどの注意点もあります。
また、現在では定期付終身保険を新しく取り扱っている保険会社はほとんどありません。
そのため、すでに契約している場合は、契約から長い年月が経過している可能性があります。
保障内容が現在のライフプランに合っているかを確認し、必要に応じて見直すことが重要です。
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執筆者プロフィール
ライフィ編集部
「お困りごと解決のためのお役立ち情報サイト」を目指し、生命保険・損害保険を中心に、健康や家計などさまざまな情報を掲載しています。メンバーは独自の視点でお客さまのお困りごとに日々耳を傾け、編集・発信しています。
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