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更新:(公開:2016年10月24日)

生命保険の配当金とは?保険料が決まる仕組みと合わせてFPが分かりやすく解説

執筆者

加藤 梨里
ファイナンシャルプランナー、CFP(R)認定者、金融知力インストラクター、健康経営エキスパートアドバイザー >プロフィールを見る

生命保険の配当金とは?保険料が決まる仕組みとともにプロが解説

生命保険のなかには、「配当金」が分配されるものがあります。生命保険の運営において生じた剰余金を契約者に還元するものです。

一般的に配当金というと、株式の配当をイメージするかもしれませんが、株式とは少し性質が異なります。

そこで、生命保険の「配当金」のしくみについて知っておきましょう。

生命保険の配当金とは?

生命保険の保険料は、その運営に必要な費用を「予定率」によってあらかじめ設定したうえで計算されています。

そして契約者から集めた保険料を、死亡や病気などに見舞われた加入者の保険金や給付金にあてています。

しかし、実際には保険金や給付金の請求数や請求金額が予定とは異なることがあります。予定よりも、実際の保険運営にかかった費用が少なかったときに、残った剰余金を保険の契約者に還元するものを「配当金」といいます。

保険料を決めるための「予定率」

生命保険の保険料は、3つの予定率をもとに計算されています。

3つの予定率
3つの予定率
3つの予定率

1つは「予定死亡率」といって、性別や年齢ごとの人口に対する1年間の死亡者数の割合を推定したものです。

2つめは「予定事業費率」といって、新契約の募集、保険料の集金、契約の保全、保険金の支払いなど、保険の運営や管理をするために必要な費用を推計したものです。

3つめは「予定利率」といって、保険会社が将来の保険金の支払いに備えて、契約者から集めた保険料の一部を資金源に運用する収益率の見積りのことです。

予定率との実際の差分が配当の元になる

いずれの予定率も、あらかじめ見込んだ保険金支払や費用と、実際の出費に大きな差異が生じないように、統計の専門家によって精緻に計算されますが、結果的には死亡者数や運用利回り、事業費などが予定を上回ったり下回ったりすることがあります。

予定よりも保険運営における出費が少なく、剰余金が残ったときに、契約者への配当金にあてられます。

予定利率において発生した剰余を「利差益」、予定死亡率において発生したものを「死差益」、予定事業費率において発生したものを「費差益」といいます。

生命保険の配当金の大部分は、契約者から受取った保険料の清算や割戻しにあたります。したがって、企業の業績に応じて株主に還元される株式の配当金とは、しくみが大きく異なります。

生命保険は有配当と無配当の大きく2種類ある

生命保険の商品には、配当金が還元される有配当のタイプと、配当金がない無配当のタイプがあります。

また、有配当のタイプのなかでも、配当の原資の違いによって種類がわかれます。

生命保険の保険料は、予定利率、予定死亡率、予定事業費率の3つの予定率をもとに計算されますが、この3つ全てを配当の集計に用いるのが「3利源配当型」の保険です。

ほかに、3つのうち予定利率のみを配当金の集計に用いる「利差配当型」の保険もあります。

生命保険の有配当と無配当の種類
生命保険の有配当と無配当の種類
生命保険の有配当と無配当の種類

いずれのタイプも、配当金を分配する頻度による違いもあります。保険商品によって、毎年分配するもの、3年ごとや5年ごとに分配するものがあります。

なお、有配当タイプの保険であっても、配当金が分配されるかどうかは生命保険全体の運営状況によって決まります。剰余金が生じずに、配当金が出ないこともあります。

配当の有無によって保険料に違いも

配当金の有るタイプか無いタイプかによって、生命保険の保険料に違いが生じることがあります。

一般的には、契約の条件や内容が同じであれば、無配当の保険は有配当の保険に比べて保険料が割安になる傾向があります。

  配当の基準 保険料
設定
保険料
比較
無配当
保険
配当なし 保障部分 保険料安





保険料高
利差配当
保険
利差益が
生じた場合に
のみ配当
保障+
利差益に
よる配当
有配当
保険
利差益・
死差益・
費差益の3つ
による配当
保障+
3利源に
よる配当

有配当タイプの保険のなかでは、利差益・死差益・費差益の3つの利益の全てを配当金に反映する「3利源配当型」の保険と比べると、3つのうち利差益のみを配当金に反映する「利差配当型」の保険の方が、保険料は割安になる傾向があります。

有配当・無配当の保険のしくみを知って、保険選びの参考に

有配当の生命保険は契約後に配当金を受け取れる可能性がある一方で、無配当の保険は保険料が割安になる傾向があります。

また配当金は、生命保険全体の運営に応じて変動するため、必ず受け取れると保証されているものでもありません。したがって、有配当と無配当のどちらの保険が得か、損かは一概には決められません。

しかし、配当金の有無や種類は、生命保険の保険料設定を左右する大きな要因のひとつでもあります。

ご自身のプランの保険料がどのようなしくみで設定されているかがわかると、保険を検討する際のヒントになるかもしれませんね。

※1 出典:生命保険文化センター「配当金の仕組」

  • 執筆者プロフィール

    ファイナンシャルプランナー 加藤 梨里

    加藤 梨里(かとう りり)

    マネーステップオフィス株式会社代表取締役
    CFP(R)認定者、金融知力インストラクター、健康経営エキスパートアドバイザー
    マネーに関する相談、セミナー講師や雑誌取材、執筆を中心に活動。保険、ライフプラン、節約、資産運用などを専門としている。2014年度、日本FP協会でくらしとお金の相談窓口であるFP広報センターにて相談員を務める。
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