車を持っていなくても入れる自動車保険はご存知でしょうか。自動車保険は車を購入するタイミングで入る方が多いと思います。
しかし、免許を持っている方の場合、車を持っていなくてもレンタカーや両親、知人の車を借りて運転する機会もあるかと思います。
そんな時に役立つドライバー保険についてご説明いたします。
ドライバー保険とは?
自動車保険はマイカーを持っている方が自分の車にかける保険です。
そのため、保険に加入する時は、自動車の登録が必要になります。自動車の車種や使用用途によって保険料も変わってきます。
しかし、最近は「若者の車離れ」と言われることもあり、運転免許はとったけど、車を買わない、レンタカーやシェアカーを利用するので車を持たないという方も増えてきています。
そんなマイカーを持たない方向けの自動車保険がドライバー保険なのです。
車ではなく、免許に保険をかける、という意味で免許保険と呼ばれることもあります。
自動車保険だけでは足りない?ドライバー保険の必要性
万が一借りた車で事故を起こしてしまっても、車を買った時に自動車保険に入っていれば、その保険を使えるので問題ないのでは。と考える方もいらっしゃるかもしれません。
ドライバー保険に入る必要はあるのでしょうか。
1.自動車保険が使えない場合がある
損害保険料率機構※1によると、2018年3月時点で、自動車共済を含む、自動車保険の対人賠償の普及率は88%。
対人賠償の補償に限られますが、ほとんどの車に自動車保険がかけられているといえます。しかし残りの12%の車は任意保険が未加入で、そもそも自動車保険が使えないことになります。
その他にも自動車保険が使えないケースがいくつかあり、その場合にも運転者が事故の責任を負う可能性があるのです。
自動車保険が切れていた
自動車を購入したときに保険に加入していても、保険の更新を忘れて、保険が切れていた。というケースも考えられます。
自動車保険の支払い条件に該当していない
自動車保険に加入していても、運転者の年齢や、範囲といった支払い条件があり、条件外の場合があります。
2.自動車保険を使うと貸主に負担がかかる
車についていた自動車保険を使える場合でも、注意が必要です。自動車保険を使うことで保険の加入者である貸主に負担をかけてしまうことがあるのです。
保険料が上がる
自動車保険を使うと、事故の種類によって翌年の保険料が値上がりするため、経済的な負担をかけてしまいます。
保険会社との事故対応の手間
また、事故報告や事故解決のための保険会社とのやりとり、保険会社へ提出する書類など解決までの間、さまざまな手間がかかります。
ドライバー保険は、借りた自動車に乗る際の、自動車保険が使えない、車の貸主に負担をかけてしまうという2つのリスクに備える保険です。
借りた車は、普段乗りなれない車のため、車の操作や乗り心地がいつもと違い、運転に集中しにくかったり、いつも以上に緊張してしまうことが多いかと思います。
ドライバー保険に加入していることで少しでも安心感をもって運転に集中できるのではないでしょうか。
ドライバー保険の期間は大きく2種類
では、ドライバー保険は具体的にどんなものがあるのでしょうか。
ドライバー保険は、保険期間によって2種類に分けることができます。
1.1年更新型のドライバー保険
1年更新型で、通常の自動車保険と同様に等級制度があり、事故の有無によって毎年保険料が変わるしくみです。
運転者の年齢によっても保険料が変わりますが、保険料は年間2~5万円程度。年間通じて借りた車を乗るという方は1年更新のドライバー保険がおすすめです。
また、対象となる「借りる車」の範囲も広く、比較的自動車保険に近い設定になっていますが、自動車保険と違い「車両保険」がないので注意が必要です。
2.1日から入れる1日自動車保険
1日単位で入れる保険で、1年更新型のドライバー保険と区別するため、「1日自動車保険」とも呼ばれています。
最短1日~最大7日間の自動車保険です。一般的に3プランから補償を選ぶことができ、運転者の年齢に関係なく、補償期間とプランで保険料が決められています。
保険料は1日あたり500~2,000円程度。車を使うレジャーに合わせて加入ができ、年間に数回程度車を乗る、という方は1日自動車保険がおすすめです。
ドライバー保険と1日自動車保険の違い
| 保険期間 | 保険料※ |
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ドライバー 保険 | 1年間 | 2~5万円 / 1年 |
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1日自動車 保険 | 1~7日間 | 500~2,000円 / 1日 |
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※保険会社やプランによって異なります。
自動車保険とドライバー保険の違い
それでは、自動車保険とドライバー保険は同じなのでしょうか。
車両保険の補償範囲
ドライバー保険は一般の自動車保険に比べ補償範囲が狭くなっていたり、オプションの特約が少なくなっていたりします。
特に車両補償については注意が必要です。ドライバー保険には車両補償がなく、1日自動車保険は車両補償つきのプランであっても、補償金額が300万円までなど制限があったり、10~15万円な自己負担額が設定されています。
ドライバー保険・1日自動車保険、ともに対人賠償、対物賠償は無制限に設定できるため、自分が運転している時の「相手への賠償」に備えると考えた方がよいかもしれません。
等級制度の違い
ドライバー保険は自動車保険と同様に等級制度がありますが、自動車保険に引継ぎができません。1日自動車保険は、契約の実績により、自動車保険を契約する際に保険料が割引になるものもあります。ただし、1日自動車保険と自動車保険の取扱い会社が同じ場合に限られるため、注意が必要です。
車の使用頻度に合わせてドライバー保険の検討を
ドライバー保険は保険期間によって2種類あります。車を借りて乗る頻度に合わせてドライバー保険を選んでみてはいかがでしょうか。
普段運転しない方でも、「保険に入っている」という安心感で、ドライブやレジャーをより楽しめるのではないでしょうか。
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※1 出典:損害保険料率算出機構「自動車保険の概況2018年度版(2019年4月発行)」第31表
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監修者プロフィール
加藤 梨里(かとう りり)
マネーステップオフィス株式会社代表取締役
CFP(R)認定者、金融知力インストラクター、健康経営エキスパートアドバイザー
マネーに関する相談、セミナー講師や雑誌取材、執筆を中心に活動。保険、ライフプラン、節約、資産運用などを専門としている。2014年度、日本FP協会でくらしとお金の相談窓口であるFP広報センターにて相談員を務める。
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