万が一の死亡や病気・ケガに備える保険は、民間の生命保険のほか都道府県などが運営する共済を利用することもできます。
掛金が1口1,000円や2,000円などと手ごろで、年齢が上がっても掛金が変わらないなどの特徴がありますが、加入できる年齢の上限が60歳や65歳となっているプランもあります。
では、60歳や65歳以上になった場合、共済には新たに加入できなくなるのでしょうか?
また、すでに共済に加入していて60歳や65歳を迎えた場合、その後も保障を受け続けることができるのでしょうか?
共済の加入年齢や継続について解説します。
共済の標準的なプランは、18~59歳の人向け
都道府県民共済(各県の「県民共済」、東京都の「都民共済」、京都府・大阪府の「府民共済」、北海道の「道民共済」など)や、こくみん共済(全労済)には、万が一の死亡に備える「生命共済」、病気やケガに備える「医療共済」などがあります。
これらをまとめてセットで保障する総合保障型の共済を扱っているところもあります。
地域や商品、加入口数などによる違いはありますが、標準的なプランの場合、加入できる年齢を満18歳~満59歳としているものが多いようです。
60歳からでも共済に入れる?
しかし、多くの共済では60歳以上から加入できるプランも用意されています。
総合保障型は60歳~64歳まで新規加入できるものがある
入院保障と死亡保障などがセットになった「総合保障型」のプランは、多くの共済で満64歳まで新規加入できるプランを扱っています。
掛金は年齢・性別にかかわらず一律で、標準的な口数の場合、月1,800円や月2,000円などから加入できるのが一般的です。
ただし、保障内容は59歳以下と60歳以上で異なる場合があります。
たとえば、同じ口数、掛金で加入していても、死亡保障額(病気死亡の場合)が59歳までは400万円、60~64歳では100万円といったように、60歳以上になると保障内容が制限されるのが一般的です。
医療共済にも60歳~64歳まで新規加入できるものがある
病気やけがに備える医療保障をメインとした共済は、「医療保障タイプ」や「入院保障型」などと呼ばれます。
こちらも多くの共済で、満64歳まで新規加入できるプランを扱っています。
掛金は年齢・性別にかかわらず一律で、標準的な口数の場合、月2,000円程度から加入できるのが一般的です。
ただし、保障内容は59歳以下と60歳以上で異なる場合があります。
たとえば、同じ口数、掛金で加入していても、入院時の給付金が1日あたり1万円→6,000円、1万円→7,500円のように、60歳以上になると給付金額が低くなるのが一般的です。
65歳からでも共済に入れる?
共済には、「シニア型」や「熟年型」など、65歳以上から加入できるプランを扱っているところもあります。
総合保障型には65歳~69歳で新規加入できるシニア向けプランがある
シニア向けの共済は、おもに65~69歳の人向けに提供されています。
掛金は年齢・性別にかかわらず一律で、標準的な口数の場合、月2,000円などとなっています。
60歳未満の人に向けたプランと1口あたりの掛金が同じ場合もあり、年齢が上がっても掛金が高くならない手ごろさがメリットのひとつといえます。
一方で、59歳以下や60~64歳向けのプランに比べると、保障内容が限定されている傾向にあります。
標準的な口数の場合、死亡保障額(病気死亡の場合)は100万円や70万円などが中心です。
また、70歳以降になって継続する場合には、同じ口数、掛金で加入していても、死亡保障額(病気死亡の場合)が100万円→50万円のように制限されるのが一般的です。
医療共済にも65歳~69歳で新規加入できるシニア向けプランがある
病気やケガに備える医療共済にも、シニア向けのプランを扱っているところがあります。
多くの場合、65~69歳の人が新規に加入できます。
掛金は年齢や性別にかかわらず、標準的な口数の場合は月2,000円程度です。
医療共済の保障内容も、65歳以上の人向けのプランは年齢が若い人でも入れるプランに比べて限られている傾向があります。
標準的な口数の場合、入院給付金日額は3,000円や5,000円などが中心です。
また、70歳以降になって継続する場合には、入院時の給付金が1日あたり5,000円→3,500円などと少なくなるのが一般的です。
共済に加入中に、60歳や65歳を迎えた場合はどうなる?
都道府県民共済やこくみん共済は一般的に、加入した後には保障対象となる上限の年齢まで、毎年自動的に契約が更新されます。
最高80歳や85歳まで更新が可能な共済もあり、60歳や65歳以上になっても保障を継続できます。
※一部に、保障が生涯にわたって続く終身型の共済を扱っているところもあります。
ただし、プランによっては保障対象となる年齢の上限が65歳などとなっており、65歳を迎えると保障が終了するものもあります。
保障を継続するためには、シニア向けプランなどへの移行や再加入の手続きが必要な場合もありますので、加入中の共済に詳細を確認しましょう。
また、同じプランで継続更新できる場合でも、59歳から60歳になると、保障内容が変わる共済もあります。
加えて、おもに65歳以上の人が加入できるシニア向けプランでも、70歳や80歳になると保障内容が変わるものが多いため、注意が必要です。
60歳、65歳以上の共済の注意点
このように、共済の商品やプランによっては、万が一の死亡や入院などに備えるために60歳や65歳から新たに加入できるものもあります。
また、すでに加入している場合も、継続できるケースが多く見られます。
そのうえで、おもに次の点に注意しましょう。
保障額が低くなることがある
一定の年齢を超えると、同じプラン、同じ掛金でも、保障額が低くなる場合があります。
一例として、死亡保障額(病気死亡の場合)が59歳まで400万円のプランで、60~64歳では100万円、65~80歳では50万円、81~85歳では20万円のように、高齢になるにつれて保障額が大幅に低くなるものもあります。
加入時や更新時には、高齢になったときの保障額が十分かどうかを検討することが大切です。
保障内容が限られることがある
保障額だけでなく、年齢が上がると保障の内容そのものが限定されることもあります。
たとえば、シニア向けの医療共済では通院の保障が付かないことがあるほか、70歳以上になると入院給付金を受け取れる日数の上限が124日から44日に減少したり、手術保障がなくなったりする場合もあります。
年齢が上がるときには、それまで受けられた保障がなくならないか、制限が付かないかといった点にも注意しましょう。
60歳や65歳などの節目には、共済や保険の見直しを
県民共済、都民共済、こくみん共済などの共済には、60歳や65歳以上でも新規に加入したり、継続して更新できたりするプランがあります。
年齢が上がっても保険料が変わらないというメリットがある一方で、保障額が低くなったり、保障内容が限定されたりといった注意点もあります。
これから共済への加入を検討している場合はもちろん、すでに加入している方も、60歳や65歳といった節目のタイミングでは保障内容をしっかり確認することが大切です。
必要に応じて、ほかの生命保険や医療保険を合わせて検討して、保障を手厚くすることもできるでしょう。
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執筆者プロフィール
加藤 梨里(かとう りり)
マネーステップオフィス株式会社代表取締役
CFP(R)認定者、金融知力インストラクター、健康経営エキスパートアドバイザー
マネーに関する相談、セミナー講師や雑誌取材、執筆を中心に活動。保険、ライフプラン、節約、資産運用などを専門としている。2014年度、日本FP協会でくらしとお金の相談窓口であるFP広報センターにて相談員を務める。
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