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更新:(公開:2020年4月2日)

新型コロナの濃厚接触者で仕事を休んでも、給料・休業補償はもらえる?FPが解説

執筆者

加藤 梨里
ファイナンシャルプランナー、CFP(R)認定者、金融知力インストラクター、健康経営エキスパートアドバイザー >プロフィールを見る

新型コロナの濃厚接触者で仕事を休んでも、給料・休業補償はもらえる?FPが解説

新型コロナウイルス感染症の拡大が続く中、身近な人が感染するケースも増えてきているようです。家族や職場で感染者が出た場合には自分が「濃厚接触者」にあたり、仕事を休んだり外出を自粛することがあります。

もしも濃厚接触者になって仕事を休んだら、給料はどうなるのでしょうか?また、休業補償は受け取れるのでしょうか? 新型コロナの濃厚接触者に関する制度を解説します。

※この記事は2022年8月1日現在の情報を元に制作しています。

※新型コロナ関連の制度は常に情報が更新されています。本記事の内容は最新でないことがありますので、必ず最新の情報と合わせてご確認ください。

濃厚接触者で自宅待機になると仕事ができないことも

家族や職場の同僚などが新型コロナウイルス感染症に感染したとき、周りにいた人に影響が及ぶことがあります。

濃厚接触者とは?

新型コロナの濃厚接触者は、感染した人と近距離・長時間接触して、感染のリスクが高くなっている人が該当します。以下が判断の基本ですが、接触時にマスクを付けていたかどうか、会話や飲食をしていたかどうかなど、個別の状況も含めて総合的に判断されるようです。

  • 感染者と1m程度以内で
  • 15分以上の接触があった

出典:厚生労働省「新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)

一般的には、陽性になった人と同居している家族や、車内や飛行機などで長時間同席していた人などは、濃厚接触者と判断されることが多いようです。

ただし、2022年にオミクロン株が主流になって以降、事業所の中で感染者が発生した場合には濃厚接触者の特定は求められていません。
感染者が多数発生していたり、感染拡大のリスクが高い施設など一部を除き、勤務先で陽性者が発生しても、その濃厚接触者に一律に外出や出勤の制限をする必要はないとされています。

マスクを着用せずに会話をしたなど、感染対策を行わなかった濃厚接触者には一定期間の外出自粛が求められますが、感染対策をしていた人は大規模イベントに参加しない、発熱などの症状が出たら速やかに医療機関を受診するといったことに留意すれば、必ずしも出社を控えなければならない訳ではありません。(2022年8月1日時点。待機期間は感染拡大や医療現場の状況に応じて随時見直されており、今後変更される可能性があります)。

しかし、濃厚接触者になり、自身も発熱の症状があって感染の可能性が高いときや、同居している家族が感染してその濃厚接触者になった場合などには、休業しなければならないケースもあるでしょう。

濃厚接触者で仕事を休んだときの給料(休業)補償は?

同居している家族が感染し、自身が濃厚接触者になった場合には外出を控えなければなりません。

待機期間は、陽性になった人の発症日、 または自宅内でマスク着用や消毒などの感染対策を講じた日のいずれか遅い日から起算して5日間で、6日目に待機解除です。または、2日目と3日目に抗原定性検査キットで陰性が確認されれば、3日目に解除できます。

では、自宅待機のために仕事を休んだときには、給料はどうなるのでしょうか?仕事内容や休むことになった際の状況によって個別の違いがあるようですが、休業の判断方法によって、おおまかに以下の方針となるのが基本的なルールです。

休業手当として平均賃金の60%以上を受け取れる可能性がある

勤務先から、濃厚接触者になったことを理由に休むよう指示された場合には、給料または休業手当を受け取れるのが、基本的な考え方です。

濃厚接触者にになり、発熱や咳などの症状がある場合には、かかりつけ医や各地域にある新型コロナの「受診・相談センター」「発熱相談センター」に相談することになっています。そこで相談した結果、仕事をしても差し支えない健康状態と判断された場合には、在宅勤務を可能とするなど、会社側は従業員が仕事を続けられるように最善の努力を尽くす義務があります。在宅勤務で仕事をすれば、出勤扱いになりますのでお給料への影響はありません。

しかしながら、会社が通常行うべき対処なしに従業員を休ませると、従業員は労働基準法で定められた「使用者の責」によってやむを得ず休んだことになります。この場合、会社側は休業手当を払わなければなりません。休業手当は、平均賃金の60%以上とされています。

会社からの指示で休むと休業手当の対象

たとえばコロナの症状がなく仕事ができる状態で、パソコンや通信環境などを整えてもらえば自宅でも仕事ができるものの、会社側の都合で在宅勤務が認められないケースや、会社側の判断で休業を指示されたケースが該当します。このような場合、年次で付与される有給休暇を消化するように、会社側が一方的に指示することはできないのが原則です(会社に、年次有給休暇とは別に病気休暇の制度がある場合には、そちらを利用することがあります)。

また「37.5度以上の発熱があったら休業すること」「咳が出ているときは休業すること」など、一定の症状を理由に会社側が定めたルールで休業を命ぜられた場合も、原則として「使用者の責」による休業にあたります。この場合も、休業手当の対象になります。

<会社の指示で休み、休業手当の対象になるおもな例>
  • 在宅勤務が可能にもかかわらず、休業を命ぜられた
  • 「発熱したら休むこと」など、会社側のルールにより一律で休業を命ぜられた

ただし、国の特別措置法による営業自粛要請などによって勤務先が営業休止するような場合には、事業主から従業員へ休業手当を支払う義務はありません。
休業に伴う補助制度を活用して、従業員に休業手当が支払われるところもありますが、実際に手当が支払われるかどうかは勤務先によって異なります。

自己判断で休むと休業手当は対象外

一方で、自分の判断で仕事を休む場合には、休業手当の対象にはなりません。風邪で休むのと同じように、自己都合での病欠と扱われます。

発熱がある、咳がでている、頭痛がするなどの症状があれば会社の指示がなくても自己判断で休むことがあるでしょう。PCR検査の結果がまだ判明していない段階では、それは体調不良での病欠とされるわけです。当然、年次有給休暇は使えます。

また、休業が4日以上連続した場合には4日目から傷病手当金の対象になります。これは新型コロナに限らず病気やケガで仕事を休んだときに、おおよその給料(標準報酬月額)の3分の2相当の金額を、日割りで受け取れる制度です。

上記が基本ではありますが、会社によっては、独自の病気休暇・特別休暇制度を活用できることがあります。年次有給休暇とは別に有給扱いになるところもあります。現状で法的な決まりはありませんが、こうした制度を整備するよう、国は企業に呼びかけているところでもあります。

実際に給料が支払われるか、休業手当の対象になるかどうかは個別事例に応じて総合的に判断されます。具体的な対応は勤務先に確認してみましょう。

検査して新型コロナ陽性になると手当が変わる

では、濃厚接触者が結果的に新型コロナの陽性と判明したらどうなるのでしょうか?

検査の結果が出るまでの間は上記のように会社の指示の有無によって給料や休業補償の取扱いが決まりますが、検査の結果が陽性だった場合には、また取扱いが変わります。

検査結果が陽性で、新型コロナの感染者になったときには休業手当の対象にはなりません。その代わりに、病気により休業したときに受けられる傷病手当金の対象になります。PCR検査の結果が判明する前からコロナの症状があって仕事を休んでいれば、その期間を含めて4日以上連続して休業したときに支給されます。

業務上や通勤上での感染であれば労災保険の対象になります。指定の医療機関で治療を受けると医療費は無料になります。また、療養のために仕事を休み、給料が出なかった場合には労災保険の「休業補償」が給付されます。

コロナの濃厚接触者になったら、休業補償について職場に相談

濃厚接触者になり新型コロナの感染が疑われる状態になった場合は、急に仕事を休むことになり、給料が減ってしまう心配が大きいかもしれません。休業手当が支給されるか、または会社に独自の病気休暇や特別休暇の対象になるかどうかは、個別の状況や会社の制度により判断がわかれることがあります。万が一濃厚接触者に該当したときには、勤務先に連絡するとともに、利用できる制度を確認してみるとよいですね。

濃厚接触者の待機期間や休業のルールは、コロナの感染拡大状況に応じて今後も随時変更されることがあります。最新のルールを確認することも大切です。

個別具体的なケースでの休業補償の有無・申請方法などの詳細は、必ず勤務先や最寄りの各機関にご確認ください。

※この記事は2022年8月1日現在の情報をもとに制作しています。

※1 出典:厚生労働省「新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)」
※2 出典:厚生労働省「新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)」
※3 出典:「新型コロナウイルスに関するQ&A(労働者の方向け)」
※4 出典:厚生労働省「職場で新型コロナウイルスに感染した方へ」  

  • 執筆者プロフィール

    ファイナンシャルプランナー 加藤 梨里

    加藤 梨里(かとう りり)

    マネーステップオフィス株式会社代表取締役
    CFP(R)認定者、金融知力インストラクター、健康経営エキスパートアドバイザー
    マネーに関する相談、セミナー講師や雑誌取材、執筆を中心に活動。保険、ライフプラン、節約、資産運用などを専門としている。2014年度、日本FP協会でくらしとお金の相談窓口であるFP広報センターにて相談員を務める。
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カテゴリー:働き方別・生命保険の選び方
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