有効期限切れの健康保険証 2026年3月まで利用可能に

加藤 梨里
ファイナンシャルプランナー、CFP(R)認定者、金融知力インストラクター、健康経営エキスパートアドバイザー >プロフィールを見る

マイナ保険証への移行のために新規発行が終了し、順次有効期限を迎えている紙の健康保険証について、2026年3月までは暫定的に受診時に利用できることになりました。
健康保険証の有効期限と、期限切れになった後の対応について解説します。
ニュースのポイント
- 紙の保険証の有効期限が切れた後も、2026年3月までは保険診療を受診できる
- 紙の健康保険証の有効期限は、最長で2025年12月
- マイナンバーカードを持っていない人などには「資格確認書」が交付
2026年3月まで、暫定的に期限切れの保険証が使えるように
紙またはカード形式で従来型の健康保険証(以下、「紙の健康保険証」)は、マイナンバーカードに保険証の機能を搭載した「マイナ保険証」への移行のため、2024年12月に新規発行が終了しました。
すでに保有している人の健康保険証についても、今年、有効期限が順次到来しています。
紙の健康保険証の有効期限が切れると、通常は医療機関で保険診療を受けることができなくなります。
しかし、マイナ保険証への移行に伴う特例措置として、2026年3月末までは、期限切れの保険証を提示しても医療機関で保険診療を受けることができます。
有効期限が切れた後でも、紙の健康保険証で被保険者番号や健康保険への加入状況が確認できれば、医療機関を受診した際の医療費は全額自己負担(10割)ではなく、保険診療として1~3割の自己負担で済みます。
紙の健康保険証の有効期限
紙の保険証の有効期限は、加入している公的医療保険制度によって基本的に次のように定められています。
※転職や転居などで加入先の健康保険が変わった際には、その時点で失効します。
国民健康保険:自治体により今年7~9月末まで
自営業、パート・アルバイトで職場の健康保険などに加入していない人など、国民健康保険に加入している場合には、健康保険証の有効期限は2025年7月31日以降、自治体によって定められています。
すでに7月末に有効期限を迎えた地域や、9月末という地域もあります
後期高齢者医療制度:今年7月末まで
75歳以上の人が加入する後期高齢者医療制度では、すべての加入者が2025年7月31日に有効期限を迎えました。
健康保険組合・協会けんぽなど:今年12月1日まで
会社員や公務員が加入する健康保険組合や協会けんぽの保険証は、多くの場合、有効期限が記載されていません。
この場合、紙の健康保険証を利用できるのは2025年12月1日までとされています。
期限切れ後には「マイナ保険証」か「資格確認書」で受診可能
紙の保険証の有効期限が切れた後も、2026年3月までは暫定的に利用できますが、基本的には「マイナ保険証」または「資格確認書」を利用することが推奨されています。
マイナ保険証は、健康保険証としての利用登録が済んだマイナンバーカードです。
医療機関で提示すると保険診療を受けられるほか、マイナンバーカードを利用したオンライン行政窓口「マイナポータル」で、医療費や処方薬などの情報を確認する機能なども利用できます。
マイナンバーカードを持っていないなどでマイナ保険証を利用できない人には、従来の健康保険証と同様に本人確認に利用できる「資格確認書」が新たに交付されます。
医療機関で提示すると、保険診療を受けることができます。
資格確認書とは
資格確認書は、マイナンバーカードを持っていない人や、マイナンバーカードを持っていても健康保険証としての利用登録をしていない人などに交付されます。紙の保険証と同じように医療機関の受診時に使うことができ、勤務先や自治体など、加入している医療保険制度から無料で交付されます。
マイナンバーカードを持っていない人には、申請の必要なく、紙の健康保険証の有効期限が切れる前に資格確認書が交付されます。
また、後期高齢者医療制度に加入している人についても、2026年7月末までは申請不要で資格確認書が交付されます。
出典:厚生労働省「健康保険証の有効期限切れに伴う暫定的な取扱いに関する疑義解釈資料の送付について」
出典:デジタル庁「8月以降順次切り替え!健康保険証の注意点は?(後期高齢者医療制度・国民健康保険の被保険者の方)」
この保険ニュースの解説者
加藤 梨里(かとう りり)
マネーステップオフィス株式会社代表取締役
CFP(R)認定者、金融知力インストラクター、健康経営エキスパートアドバイザー

















