自賠責保険　2025年度の保険料は前年度据え置き　来年度は引き下げの可能性も

2025年4月からの自賠責保険の保険料は、前年と変わらず据え置かれます。

電動キックボードなどの料率は昨年度に新区分が設定されましたが、その他の車種については昨年度以降、保険料の変更はありません。

損害保険各社ではデジタル化などの業務効率化による経費削減を進めており、来年度以降には保険料が引き下げられる可能性もあるようです。

自賠責保険の保険料の動向を解説します。

ニュースのポイント

2025年4月からの自賠責保険料は前年度と変わらず
2026年度からは保険料引き下げの可能性も
保険料のキャッシュレス支払いも可能に

2025年4月からの自賠責保険料は前年度据え置きへ

2025年4月から適用される自賠責保険の保険料は、前年度から据え置かれることになりました。

自賠責保険は毎年度、前年の事故件数などをもとに基準料率の改定について検証が行われています。

今年度の損害率（損害率＝（支払保険金／収入純保険料）×100）は130%で、前年度に比べ減少しました。

この結果、今年度の料率改定は必要ないと判断されました。

主な車種の自賠責保険料（2024年4月1日以降）

(単位：円)

車種	12ヶ月	24ヶ月	36ヶ月
自家用乗用自動車	11,500	17,650	23,690
小型二輪自動車 (250cc超)	7,010	8,760	10,490
検査対象軽自動車	11,440	17,540	23,520
検査対象外軽自動車 (125cc超250cc以下)	7,100	8,920	10,710
一般原動機付自転車 (125cc以下)	6,910	8,560	10,170

出典：損害保険料率算出機構「自動車損害賠償責任保険基準料率」2023年1月18日届出

2026年度からは保険料の算定見直しにより引き下げの可能性

2026年度には、自賠責保険料が引き下げられる可能性があるようです。

自賠責保険の保険料は、事故発生時の保険金支払いに充てられる純保険料率と、保険会社が保険事業を行うための経費に充てられる付加保険料率から成り立っていますが、このうち付加保険料率の算定方法の見直しが検討されているためです。

日本損害保険協会が、デジタル化の推進や業務フローの効率化による経費削減の影響額を算出したところ、2023年度の決算に基づく概算でマイナス122億円という結果になりました。

これを受けて、来年度以降の付加保険料率の見直しが検討される見通しです。

2025年1月から、キャッシュレス払いや自賠責証明書のデータ交付が開始

自賠責保険事業のデジタル化を巡っては、今年1月21日から引受・異動・解約手続きをウェブサイト上でできるサービス「One-JIBAI」が既に開始しています。

One-JIBAIに対応する保険会社では、異動・解約の非対面手続きや、保険料のキャッシュレス支払い、自賠責証明書のPDFデータ交付が、契約者自身でできるようになりました。

用語解説

自賠責保険の保険料率とは

自賠責保険の保険料は、車種や地域、保険期間に応じて定められる基準料率によって決まります。
各損害保険会社は基準料率を使用して、自賠責保険の保険料率を設定しています。

自賠責保険の保険料率には、事故が発生したときに保険会社が支払う保険金に充てられる「純保険料率」と、保険会社が保険事業を行うために必要な経費などに充てられる「付加保険料」から成り立っています。

自賠責保険の付加保険料率は法令によって、利潤や損失が生じないように算出されるように求められています。

出典：国土交通省「第150回・第151回自動車損害賠償責任保険審議会の開催結果について」

出典：損害保険料率算出機構「自動車損害賠償責任保険基準料率」2023年1月18日届出

出典：日本損害保険協会「自賠責における業界共同システム「One-JIBAI」の利用開始」