犬や猫と一緒に暮らすには、家族として迎え入れるとき、そしてその後一緒に生活するためにさまざまなお金がかかります。

どれくらいの費用がかかるのでしょうか？

犬や猫を飼ううえでかかるお金についてまとめてみましょう。

犬や猫の購入・迎え入れの費用

犬や猫は、ペットショップやブリーダーからの購入や保護犬・保護猫の譲渡団体などを通して迎え入れるのが一般的です。

購入の場合、犬やネコの品種、年齢、血統などによって、一匹あたり数万円から数十万円の生体価格（値段）がかかります。

保護犬・保護猫などを譲り受ける場合には、動物自体の代金はかからない一方で、ワクチンの接種費用や避妊・去勢手術費用、ノミやダニの駆除・予防費用など、譲渡に際して団体側が負担した諸費用を支払うことが多いようです。

ペットとの生活費用

ペットを迎え入れた後には、一緒に暮らすための生活費がかかります。

アニコム損保の調査によると、1年間にかかる費用は犬で平均約34万円、猫で平均約17万円です。

主な費用の内訳は次のようになっています。

食費

食費は、毎日の暮らしに欠かせません。フードやおやつはメーカーや食材などによって価格が異なります。

また、年齢や体格などによって食べる量が違いますが、フード・おやつに1年間でかかる平均額は犬で約6.4万円、猫で約5.2万円となっています。

項目	犬	猫
フード・おやつ	64,294円	52,328円

出典：アニコム損害保険株式会社「2023最新版　ペットにかける年間支出調査」より引用

ペット用品

ケージやトイレ、食器などの日用品、お散歩に行くための首輪やリード、洋服といったペット用品にもお金がかかります。

このうち日用品については、犬猫ともに1万円程度が平均のようです。

項目	犬	猫
日用品	13,431円	12,796円
首輪・リード	6,245円	946円
洋服	12,590円	268円
防災用品	1,008円	1,264円

出典：アニコム損害保険株式会社「2023最新版　ペットにかける年間支出調査」より引用

光熱費

ペットと一緒に暮らすことで、電気やガスなどの光熱費が追加でかかる部分もあるようです。

項目	犬	猫
光熱費 (飼育に伴う追加分)	16,505円	13,819円

出典：アニコム損害保険株式会社「2023最新版　ペットにかける年間支出調査」より引用

健康管理・医療費など

元気で過ごしてもらうためには、予防接種やワクチンなどが必要です。

また、もしもの病気やケガの際には医療費もかかります。

予防接種やワクチンの費用

犬・猫それぞれに、必要な予防接種がいくつかあります。ノミ、ダニ、フィラリアの予防接種なども重要です。

地域や種類によっては補助を受けられるものがありますが、基本的には動物病院が定めた費用がかかります。

犬の方が猫に比べてお金がかかる傾向があるようです。

項目	犬	猫
ワクチン・健康診断 等の予防費	33,648円	13,864円
サプリメント	10,783円	3,902円

出典：アニコム損害保険株式会社「2023最新版　ペットにかける年間支出調査」より引用

ケガ・病気のときの治療費

病気やケガをしたときには動物病院で診察や治療の医療費がかかります。

原則として、全額が飼い主さんの自己負担です。こうした治療費に備えて保険に加入する場合には、保険料がかかります。

いずれも平均で年間数万円規模のお金がかかり、猫に比べて犬で高額になる傾向がみられます。

項目	犬	猫
ケガや病気の 治療費	56,134円	36,617円
ペット保険料	43,763円	28,097円

出典：アニコム損害保険株式会社「2023最新版　ペットにかける年間支出調査」より引用

シャンプー・カット・トリミング料

トリミングサロンや動物病院でシャンプーや毛、爪、歯のお手入れなどをしてもらう場合に、費用がかかります。

サロン、犬種などによって異なりますが、一般的には猫よりも犬で費用がかかる傾向があるようです。

項目	犬	猫
シャンプー・カット ・トリミング料	48,200円	2,814円

出典：アニコム損害保険株式会社「2023最新版　ペットにかける年間支出調査」より引用

その他の費用

ほかにも、犬や猫の生活にはさまざまな費用がかかる場合があります。

飼い主さんや愛犬・愛猫のライフスタイル、性格などによって差がありそうですが、平均的な費用を知っておくと参考になるでしょう。

項目	犬	猫
しつけ・ トレーニング料	6,343円	0円
ペットホテル・ ペットシッター	4,446円	2,115円
交通費	18,602円	441円
ドッグランなど 遊べる施設	2,631円	10円

出典：アニコム損害保険株式会社「2023最新版　ペットにかける年間支出調査」より引用

ペットの生涯を通じてかかるお金も意識を

犬や猫を迎え入れると、人間だけの生活にはなかったお金がかかります。

わが子が楽しくわが家で暮らせるように、どのようなお金がどれくらいかかるかをあらかじめ知っておきたいものですね。

そして、愛犬・愛猫が安心して過ごせるよう、生涯を通じてかかるお金についても意識して、準備しておけると安心です。

出典：アニコム損害保険株式会社「2023最新版　ペットにかける年間支出調査」

• 執筆者プロフィール

  

  加藤 梨里（かとう りり）

  マネーステップオフィス株式会社代表取締役
  CFP(R)認定者、金融知力インストラクター、健康経営エキスパートアドバイザー

  マネーに関する相談、セミナー講師や雑誌取材、執筆を中心に活動。保険、ライフプラン、節約、資産運用などを専門としている。2014年度、日本FP協会でくらしとお金の相談窓口であるFP広報センターにて相談員を務める。