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小さなお子さまがいる家庭では「子どもが遊んでいるときにけがをしたらどうしよう」「友達にけがをさせてしまったらどう対応すべきか」と心配になる場面も多いのではないでしょうか。
傷害保険はけがへの補償に特化した保険で、家族全員をまとめてカバーできる商品もあります。ライフステージや既に契約している保険の内容によって、傷害保険の必要性は大きく異なります。
本記事では、傷害保険の基本をおさらいしたうえで、家族や子どもにとって傷害保険が必要かどうかを判断するための考え方を解説します。
記事の目次
傷害保険とは?
傷害保険は、日常の中で突然起きた事故によるけがを補償する保険です。けがの程度や治療期間に応じて、入院保険金や通院保険金、手術保険金などが支払われます。
補償の対象となるのは「急激・偶然・外来」の3要件を満たすけがに限られます。そのため、慢性的な腰痛や既往症の悪化によるけがなどは補償対象外です。
また、「個人賠償責任補償特約」を付帯できる傷害保険も多くあります。個人賠償責任補償とは、他人や他人の物に損害を与えた場合に補償を受けられる特約です。
個人型・家族型・交通事故限定型の違い
傷害保険の契約タイプは「誰を補償するか」と「どの場面を補償するか」の2つの軸で分けられます。
| 契約タイプ | 補償対象者の範囲 |
|---|---|
| 個人型 | 本人のみ |
| 家族型 | 本人・配偶者・同居の親族・別居している未婚の子ども |
個人型は、被保険者(補償対象となる人)本人のけがだけを補償するタイプです。単身の方や、家族がそれぞれ別の保険で補償を確保している場合に適しています。
家族型は、ひとつの契約で家族全員のけがを補償できるタイプです。家族一人ひとりが個人型に加入するよりも保険料の総額を抑えられるケースが多く、お子さまや高齢の親と同居している家庭に向いています。
| 契約タイプ | 補償対象者の範囲 |
|---|---|
| 普通傷害保険 | 日常生活全般のけが(家庭内・通勤中・旅行中など) |
| 交通事故傷害保険 | 交通事故や公共交通機関に関連する事故に限定 |
普通傷害保険は、自宅での転倒、通勤途中の事故、スポーツ中のけがなど日常のあらゆる場面を補償対象としています。幅広いリスクに備えたい方に適したタイプです。
交通事故傷害保険は、交通事故や乗り物の搭乗中に起きたけがに補償対象を絞ったタイプです。日常生活全般のけがは対象外となるものの、そのぶん保険料が割安に設定されています。通勤や通学で自転車や電車などを日常的に利用する方が、交通事故への備えを手頃に確保したい場合に検討するケースが多くなっています。
医療保険とは何が違う?
医療保険でもけがによる入院や手術は補償されますが、傷害保険とは以下の点で違いがあります。
- 補償の対象
- 加入のハードル
- 通院補償の内容
- 個人賠償責任補償の有無
傷害保険はけがに補償範囲を絞っているぶん、保険料が手頃に設定されている商品が多い傾向にあります。健康告知は不要な商品が多いため、持病や通院歴がある方でも加入を検討しやすいでしょう。
医療保険は入院や手術への補償が中心であり、通院のみで治療が完了するけがには保険金が支払われない商品がほとんどです。傷害保険であれば、骨折や捻挫などで入院せずに通院だけで治療を続けた場合にも通院保険金を受け取れます。
医療保険には原則として個人賠償責任補償が付いていませんが、傷害保険では付帯できる商品があります。子どもが友達にけがをさせてしまった場合や、自転車事故で相手に損害を与えた場合の賠償金をカバーできるため、お子さまがいる家庭にとっては心強い補償といえるでしょう。
家族・子どもに傷害保険は必要なのか?
家族や子どもに傷害保険が必要かどうかは、生活環境やすでに加入している保険の内容によって変わります。
加入がおすすめなケース
以下のような状況に当てはまる場合は、傷害保険への加入を検討してみると良いでしょう。
- 家族に小さな子どもがいる
- 自転車を日常的に使う家族がいる
- 高齢の親と同居している
公園の遊具から落ちて骨折する、走り回っていて転んで歯を折るなど、子どもの行動は予測がつきにくく、通院が長期にわたるケースも珍しくありません。傷害保険の通院保険金があれば、治療が長引いた場合の経済的な負担を和らげられます。
自転車事故では自分自身がけがをするだけでなく、歩行者にぶつかって相手にけがをさせてしまうリスクもあります。個人賠償責任補償が付帯された傷害保険に加入しておけば、万が一の賠償にも対応できます。
高齢者の事故の大半は自宅内で発生しており、階段や浴室での転倒による骨折は少なくありません。家族型の傷害保険であれば、同居の親のけがもひとつの契約でカバーできます。
学校の傷害保険や共済で十分なケース
子どものけがへの備えとして、学校で加入する「災害共済給付制度」をすでに利用しているケースも多いでしょう。災害共済給付制度は、独立行政法人日本スポーツ振興センターが運営する公的な共済制度で、全国の95%以上の学校が加入しています。
災害共済給付制度では、学校の管理下(授業中・休憩時間・部活動・登下校中など)で発生したけがについて、医療費の自己負担分に加えて療養に伴う費用として医療費総額の1割分が上乗せで給付されます。つまり、公的医療保険の自己負担3割分に医療費総額の1割分が加算され、合計で医療費の4割相当が給付されるしくみです。
学校生活の中でのけがが心配の中心であれば、災害共済給付制度の補償内容で対応できる場合もあります。ただし、補償されるのは学校の管理下で起きたけがに限られるため、放課後に友達と遊んでいるときや、家庭内でのけがは対象外です。学校外での活動が活発なお子さまの場合は、傷害保険に加入し、補償の範囲を広げておくと安心できるでしょう。
子どもが部活・クラブ活動でスポーツをしている場合
子どもが部活・クラブ活動でスポーツをしている場合は、以下の点を確認し、傷害保険に加入すべきかを判断しましょう。
- 災害共済給付制度の補償だけで治療費を十分にまかなえるか
- 練習中に他の子どもにけがをさせてしまった場合の備えがあるか
サッカーやバスケットボールなどのコンタクトスポーツでは、靭帯損傷や半月板損傷といった手術が必要なけがを負う場合もあります。その場合、治療費やリハビリ費用が高額になるケースも想定されます。また、試合や練習試合で他校に遠征した際のけがや、クラブチームなど学校外の活動中のけがは、災害共済給付制度の対象外となる場合があります。
加えて、練習中に他の子どもにけがをさせてしまった場合の賠償リスクについても確認しておきたいところです。スポーツにはルールの範囲内で身体接触が起こる特性があり、通常のプレー中に発生したけがについては、原則として賠償責任が生じにくいとされています。一方で、不注意などにより他人をけがさせた場合は賠償責任が発生する場合もあります。
個人賠償責任補償が付帯された傷害保険に加入していれば、万が一賠償責任を負った際にも対応できるため、備えを検討する価値はあるでしょう。
傷害保険の選び方と加入時の確認ポイント
傷害保険を選ぶ際は、以下の4つのポイントを押さえておくと、自分や家族に合った商品を見つけやすくなります。
- ライフスタイルに合わせて選ぶ
- 家族構成に応じて補償額を設定する
- 必要な補償が含まれているか確認する
- 補償内容が足りない場合は特約も考える
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ライフスタイルに合わせて選ぶ
傷害保険を検討する際は、家族のライフスタイルに合った商品を選びましょう。
例えば、共働きで夫婦ともに毎日自転車で通勤している家庭であれば、交通事故傷害保険で通勤中のリスクに備える方法があります。補償範囲を交通事故に絞ることで、保険料を抑えながら日常的な移動中のけがに対応できます。
一方、小さな子どもがいて週末は公園遊びや家族旅行に出かける機会が多い家庭では、場所や場面を問わずけがを補償する普通傷害保険のほうが安心です。
契約した後も、ライフステージの変化に合わせて定期的にプランを見直しましょう。
家族構成に応じて補償額を設定する
傷害保険の補償額は、家族構成や家計の状況を踏まえて設定しましょう。
家計を支える方がけがで長期間働けなくなった場合、収入の減少が家族全体の生活に影響を及ぼします。家計を支える方が傷害保険に加入する場合は、入院保険金や後遺障害保険金を手厚く設定しておくと、万が一のときにも安心です。
一方、子どもの場合は収入への影響がないため、通院・入院にかかる実費をカバーできる水準を目安に設定するとよいでしょう。
また、高齢者は骨折などのけがから回復するまでに時間がかかる傾向があり、入院やリハビリが長期化するケースも想定されます。入院保険金の日額や支払限度日数に余裕をもたせておくことをおすすめします。
必要な補償が含まれているか確認する
傷害保険は商品によって基本補償に含まれる内容が異なるため、加入前に補償の中身を細かく確認しておく必要があります。
商品によっては、通院保険金が基本補償に含まれていなかったり、「入院後の通院のみ補償」と条件が限定されていたりする場合があります。けがは通院だけで治療が終了するケースが多いため、入院を伴わない通院にも対応しているかを必ずチェックしましょう。
入院保険金や通院保険金の支払限度日数も確認しておきたい項目の一つです。骨折などで通院が長引く可能性を踏まえ、限度日数にゆとりのある商品を選んでおくと安心できるでしょう。
個人賠償責任補償を付帯する場合は、補償の上限額も注目するポイントです。自転車事故などで高額な賠償責任を負うケースに備えるには、上限額が1億円以上の商品を選んでおくのが望ましいといえます。
補償内容が足りない場合は特約も考える
基本補償だけでは不安が残る場合は、特約を追加してカバー範囲を広げる方法もあります。
例えば、携行品損害特約を付帯すると、外出先でカメラやスマートフォンなどの持ち物が破損・盗難にあった場合に補償を受けられます。
天災危険補償特約は、地震・噴火・津波によるけがも補償対象に加える特約です。通常の傷害保険では天災によるけがは対象外となるため、地震リスクが気になる地域に住んでいる方は検討してみてください。
家族の生活環境に合わせた、傷害保険の検討を
傷害保険の必要性は、家族の生活環境やすでに加入している保険の内容によって異なります。小さな子どもがいる家庭や自転車を日常的に利用する家庭、高齢の親と同居している家庭は、傷害保険による備えを検討する価値があるでしょう。補償範囲や特約の内容を比較しながら、ご家庭に合った商品を選んでみてください。
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執筆者プロフィール
金融分野専門ライター
ファイナンシャル・プランニング技能士2級保険代理店にて個人・法人向けの営業およびリスクコンサルティングなどに計10年以上従事したのち、金融ライターとして独立。大手証券会社・保険会社・大手金融メディアでの記事執筆・監修などを手がける。
















