ネコちゃんと暮らしていると、腎臓病など泌尿器の病気にかかりやすいという話を聞いたことがあるのではないでしょうか。一般的には高齢のネコちゃんで腎臓病にかかるケースが多く、加齢によりさまざまな病気のリスクが高まるなかでも特に注意してあげたい病気です。

そこで、ネコちゃんの腎臓病とペット保険の活用法をご紹介します。

腎臓病には慢性と急性の2種類ある

私たち人間と同じように、ネコちゃんも歳を重ねるにつれ体の機能が衰え、かかりやすい病気が出てくるようです。

いわゆる腎臓病には、おもに2つの種類があります。腎臓の機能が数時間から数日の間に急激に低下する「急性」と、数ヶ月単位でゆっくり進行する「慢性」です。

腎臓は、血液をろ過して尿を作り老廃物を排泄したり、体内の水分量や塩分量を調節したりする働きをもっています。これがうまく機能しないと、尿の量が増える、尿たんぱくが継続的に出るなどの異常がみられ、進行すると最悪の場合には命の危険にかかわることもあるそうです。

しかし特に慢性腎臓病はゆっくり進行するため症状に気が付きにくく、診断されたときには重症になってしまっているケースが少なくないようです。ネコちゃんは自分で体調が悪いことを言葉で伝えられませんから、腎機能の変化に早めに気づいてあげたいものですね。

慢性腎臓病の治療と費用

万が一、慢性腎臓病にかかると完全に治癒するのは難しく、進行を遅らせる治療が中心になるようです。ですから、大きな手術をしたり長期間の入院をしたりするよりは、通院中心で治療をすることが多いようです。進行度が初期であれば食事療法や水分補給を、症状に応じて輸液や薬物療法なども行われます。

治療にかかる費用はネコちゃんの症状により数千円~1万円を超えるなど個体差があるようです。

慢性腎臓病に備えるペット保険のチェックポイント3つ

このようなネコちゃんの慢性腎臓病でかかる治療費に備える方法のひとつとして、ペット保険を活用する場合には、どのような点に注目するとよいのでしょうか。

慢性腎臓病の治療は症状を抑えることや、進行を遅らせることがメインですから、定期的・継続的な通院に対応できると安心ですね。

ペット保険のなかには通院をしたときに保険金を受け取れるものがありますが、商品によっては回数や金額に上限を設けているものがあります。もしもわが子が腎臓病の治療を受けるときにどれくらい対応できるか、ペット保険を検討するときには商品による違いをチェックしてみましょう。おもに、次の3つに注目するとよいのではないでしょうか。

1.通院で受け取れる日額の上限

通院をしたときに保険金を受け取れるタイプのペット保険のなかには、1回の通院で受け取れる日額に上限を設けているものがあります。商品やプランにより異なりますが、おおむね1万円前後のものが多いようです。一方で、1回あたりの上限額を設けていないペット保険もあります。

2.年間に受け取れる限度額・回数

1回の通院での保険金額の上限とは別に、年間で受け取る保険金額の総額や通院の回数に上限を設けているペット保険もあります。

回数に上限がある場合には、通院について年間20~30日程度とされているものが多いです。

一方で、年間の回数には制限を設けずに、年間50万円までなど金額の上限を設定しているペット保険もあります。年間に受け取る保険金額は、通院だけでなく入院や手術と合わせてカウントするペット保険がほとんどで、保険会社やプランによっては上限額を100万円以上にできるものもあります。

ほとんどのペット保険は1年更新のため、これら通院の通算回数や金額は更新時にリセットされるものが多いです(ただし、手術の回数は場合によって前年分から通算するケースもあります)。

3.更新時の条件

ペット保険は、一度契約するとわが子が生きている限り更新して続けることができます。契約中に慢性腎臓病にかかって動物病院で治療を受け、保険金を受け取っても、原則としては次年度も引き続き継続できることが多いようです。

ただし、ペット保険会社によっては更新時に審査があり、契約中の保険金を受け取る回数が多いときや、そのときの病状などによっては更新ができない、あるいは更新後の契約には条件が付くことがあります。

条件が付くときには、「部位不担保」といって特定の部位については補償の対象外にする、「特定疾病不担保」といって特定の病気は対象外にする、あるいは保険料が通常よりも割増されるなどで扱われます。慢性腎臓病は長期にわたって病気と付き合いながら過ごすことになりますから、条件付きで更新したときにはどこまでカバーされるかをイメージしておきたいですね。

慢性腎臓病の予防・早期発見につながるペット保険のサービス

保険というと、入院や通院をしたときに利用するイメージが強いものですが、実は病気にかかる前から活用できるケースもあります。わが子の異変や症状について相談したり、病気のリスクをチェックしたりできるサービスがついているペット保険があるのです。

24時間獣医師に電話できる健康相談サービス

一部のペット保険では、契約しているワンちゃんやネコちゃんの健康相談をできるサービスがついています。

なんだか食欲がない、おしっこの色がいつもと違う気がするなど、いつもと様子が違うけれど、病院に行った方がよいかどうか判断に迷うときや、調子が悪いときにどのようにご飯をあげればよいかわからないなど、わが子の健康に関わる幅広い相談に対応してもらえます。慢性腎臓病は重症化するまではっきりした症状が出にくいこともあるようですから、飼い主さんが小さな異変に気が付いたときには早めに相談できると安心。24時間365日、無料で利用できるものもあるので、心配なときにはいつでも相談できますね。

ペット保険で腎臓病の不安や負担を軽減

いつも元気なネコちゃんも、高齢になってきたら腎臓病など健康に気をつけてみてあげたいもの。できるだけずっと一緒にいるために、わが子の様子を日頃からチェックしておきたいですね。ペット保険のサービスで、予防のコツや早期発見のきっかけを得ることができるかもしれません。

もしも腎臓病にかかってしまっても、早く異変に気づいて進行を抑えることができれば、ネコちゃんも飼い主さんも負担を軽減できそうです。わが子に幸せな時間を楽しんでもらうために、ペット保険を上手に活用したいですね。

参考:厚生労働省「eヘルスネット 慢性腎臓病」

  • 監修者プロフィール

    ファイナンシャルプランナー 加藤 梨里

    加藤 梨里(かとう りり)

    マネーステップオフィス株式会社代表取締役
    CFP(R)認定者、金融知力インストラクター、健康経営エキスパートアドバイザー
    マネーに関する相談、セミナー講師や雑誌取材、執筆を中心に活動。保険、ライフプラン、節約、資産運用などを専門としている。2014年度、日本FP協会でくらしとお金の相談窓口であるFP広報センターにて相談員を務める。