かわいい犬や猫を新しい家族として迎えたい。そんな思いでペットショップに行ったり、人から譲ってもらったりするときは心が躍るのではないでしょうか。

内閣府※1の調査によると、ペットを飼うことで「生活に潤いや安らぎが生まれる」、「家庭がなごやかになる」、「子どもたちが心豊かに育つ」などのメリットを感じている人が多いようです。

ですが、新しい家族を迎えたらそれだけお金がかかります。ペットを家族の一員として迎え、最期まで大切に暮らすには、一体どれくらいの費用がかかるのでしょうか?

犬や猫の購入費用

ワンちゃんやネコちゃんなどのペットは、知り合いから譲り受けることもありますが、ペットショップやブリーダーから購入するのが一般的でしょう。ほかに、インターネットを通して購入する、保護犬・保護猫を里親さんに引き渡す団体を通して家族を迎え入れる方法もあります。

購入するときには、基本的にペットの代金がかかります。犬や猫の品種、年齢、血統などによって、一匹あたりの販売価格は数万円から数十万円と大幅な差があります。

保護犬・保護猫などを譲り受ける場合には、動物自体の代金はかかりませんが、譲渡に関わる諸費用を譲渡団体に支払うことが多いようです。費用は団体や動物の種類によって異なりますが、保護されていた期間にかかった医療費や生活費、ワクチンの接種費用や避妊・去勢手術費用、ノミやダニの駆除・予防費用などが含まれており、金額は数万円程度が一般的です。

ペットとの生活費用

犬や猫を飼うと、購入代金だけなく、ワンちゃんやネコちゃんたちが暮らす環境づくりのための費用もかかります。具体的に何にどんな費用がかかるのかをみてみましょう。

食費

犬や猫も、家族として迎えたら私たちと一緒においしいご飯を食べさせてあげたいですよね。ずっと元気で暮らしてもらうために、栄養バランスにも気をつけたいもの。ペットフードには年齢や犬種などに応じて最適な栄養バランスを考慮したものもありますので、わが子に合ったものを選ぶことができます。

メーカーや、含まれている食材の質などによってフードの料金には幅があります。また、年齢や体格などによって1日に食べる量が違いますから、1カ月にかかるわが子の食費にも個体差があるでしょう。

ただし、高齢になったり病気をしたりしたときには、療法食など特別なフードを用意して、別途の出費がかかることもあります。

ペット用品・設備費

ワンちゃんやネコちゃんに快適に暮らしてもらう環境を整えるお金もかかります。わが子のおうちになるケージやトイレ、お散歩に行くための首輪やリード、食器や日用品などは、迎え入れたときに用意するでしょう。消耗品なら、古くなったときに買い替えたり修理したりする費用もかかるでしょう。

また、電気や水を使うペット用品なら、毎月の水道光熱費の負担が以前よりも高くなるかもしれません。

健康管理・医療費用

大切なわが子にはいつまでも元気で過ごしてほしいですよね。健康管理のために、予防接種や医療費のお金もかかります。

予防接種やワクチンの費用

犬の場合、狂犬病予防法に基づいて毎年狂犬病の予防接種をすることになっています。予防接種の費用は動物病院によって異なり、数千円のところが多いようです。自治体によっては、所定の期間に摂取すると補助を受けられることもあります。

ほかにも、病気の予防接種や、ノミやダニの駆除、予防を定期的にすることがあるでしょう。かかりやすい病気は犬種や猫種によって異なるものもありますが、たとえば蚊を媒介してうつるフィラリアは、犬でも猫でもかかるおそれはあります。

ノミやダニは衛生面で大切ですが、病気を引き起こす原因になることもありますから、健康管理の費用として考慮しておくと安心です。

これら病気は、動物病院での予防接種や予防薬の投薬のほか、市販の予防薬を飲んで予防できるものもあるようですが、わが子に合った対策を効果的にするためには、かかりつけの獣医師さんに相談してみるとよいのではないでしょうか。

ほかに、私たち人間と同じように、定期的に健康診断をしてわが子の健康状態を確認しておくことも大切です。

病気・ケガのときの治療費

ワンちゃんやネコちゃんたちも、病気やケガをするリスクがあります。私たち人間には公的な健康保険制度により自己負担が抑えられますが、動物の診察や治療にかかる医療費は全額が飼い主さんの自己負担です。

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その他の費用

わが子には毎日清潔に過ごしてほしい、素敵なおしゃれをさせてあげたい。犬や猫を飼う楽しみには、そんな思いの実現もあるのではないでしょうか。ほかにも、ワンちゃんやネコちゃんとの生活では、人間だけの生活ではかからなかったお金がさまざまかかります。

美容・お手入れ費用

シャンプーや毛、爪、歯のお手入れは、飼い主さんが自分でする場合には費用はかかりませんが、ワンちゃんやネコちゃんのお手入れは人間より難しいことも。トリミングサロンや動物病院でお手入れをしてもらうこともできますが、費用がかかります。料金はそれぞれのサロン、病院、犬種や猫種によって異なります。

服・アクセサリー費用

カラーリングや靴、服など、ペットのオシャレにこだわる人もいるでしょう。犬用、猫用のお洋服などのおしゃれグッズは、ペットショップなどはもちろん、100円ショップで手軽に買えるものもあるようです。おしゃれへのお金は飼い主さんがどれくらいかけるかによって差がありそうですが、一般的にはワンちゃんにお金をかける人が多いようです。

しつけ・トレーニング費用

犬の場合にはしつけにお金がかかることが。わが子の性格や犬種によっては、ドッグトレーナーによるしつけ教室や出張トレーニングなどで訓練や調教、しつけが必要になることがあります。

お留守番費用

また、旅行に出かけるときや長時間留守にするときには、ペットホテルやペットシッターなどの利用代がかかることもあります。

人とペットのライフプランを考えることも大切

このように、ワンちゃんやネコちゃんを迎えると、それまでになかったお金がかかります。わが子が一生を終えるまで楽しく過ごしてもらうために、どれくらいお金がかかるかをあらかじめ知っておくと安心ですね。

また、わが子との生活でかかるお金を考えるときには、わが子と飼い主さんのライフプランを踏まえて長期的なビジョンをもつことも大切です。

犬や猫の寿命は一般的に15年前後で、人よりも早いスピードで年をとります。年齢を重ねると病気にかかりやすくなったり、体力が衰えたり、介護が必要になったりと、若い頃とはライフスタイルを変えてあげる必要も出てくるでしょう。このようなわが子の変化に応じて、医療費や生活でのお金のかかりかたが変わってくることもあります。

わが子を最後までお世話してあげられる?自分のライフプランも重要

ライフプランを考えるのは、わが子だけでなく飼い主さん自身も大切です。自分や家族の就職、転居、結婚、出産など、人生のイベントによって生活環境が変わったときに、ワンちゃんやネコちゃんたちと暮らし続けられるか?ライフスタイルの変化によってわが子との暮らしが難しくなってしまったらどうするか?などは先に考えておきたいものですね。

また、病気やケガで入院したときにわが子のお世話を依頼できる人がいるか、あるいは自分や家族が高齢になって体力や健康面で衰えを感じたときにわが子のお世話をしてあげられるかなど、いざというときや長期的な将来のイメージも持っておくとよいのではないでしょうか。

ペットを飼うことは、大事な家族が増えることですよね。大切な家族を迎えたものの「やはり飼えない」と安易に手放すのはとても残念なことですから、かかるお金についてもゆとりをって考えておきたいもの。自分や家族の人生計画、生活環境、経済的な負担などを慎重に検討してから迎えてあげると安心ですね。

※1 出典:内閣府 平成22年「動物愛護に関する世論調査」

参考:国民生活センター「現代のペット事情 特集2 ペット取引トラブルと購入時のポイント」(2013年1月)

  • 監修者プロフィール

    ファイナンシャルプランナー 加藤 梨里

    加藤 梨里(かとう りり)

    マネーステップオフィス株式会社代表取締役
    CFP(R)認定者、金融知力インストラクター、健康経営エキスパートアドバイザー
    マネーに関する相談、セミナー講師や雑誌取材、執筆を中心に活動。保険、ライフプラン、節約、資産運用などを専門としている。2014年度、日本FP協会でくらしとお金の相談窓口であるFP広報センターにて相談員を務める。