暑い季節、わが子がなんだかぐったりしている……。そんなときにはもしかして熱中症になっちゃったの?と心配になることがあるかもしれません。

でも、そもそも動物も熱中症になるのでしょうか。いつもと違う様子に気づいたときには、どのように対応すればよいのでしょうか。ワンちゃんやネコちゃんたちの熱中症について知っておきましょう。

動物も熱中症になる!

夏の時期に見舞われやすい熱中症。
環境省※1は、気温が高くなる時期にはペットに対しても注意を促しています。

2019年6月に、ペットを飼っている人に向けて行われた熱中症に関するシンポジウム※1では、ワンちゃんやネコちゃん、うさぎやハムスターなどの動物たちでも熱中症になる危険があると警鐘を鳴らしています。
動物たちは体を毛でおおわれていること、汗腺が少ないかまったく持たないことであまり汗をかかないことなどから、体温調節が人間よりも苦手だそうです。

私たち人間よりも、動物たちには熱中症の対策が大切なのですね。

熱中症になりやすい動物・犬種

では、熱中症になりやすい動物の種類はあるのでしょうか。

上述の環境省※1によると、たとえばパグやブルドックのような「低頭種」と呼ばれる動物は、気道が狭いため体温を下げるのが苦手です。猫では、ヒマラヤンやペルシャ、エキゾチックショートヘアなども同じです。

人間を含め、動物は呼吸をするときに呼気から水分を蒸発させて体温調節をしていますが、気道が狭いと十分に蒸発できずに暖かい空気の影響を受けやすいのです。

また、日本犬やシベリアンハスキーなど、もともと寒い地域に住んでいた「北方犬種」と呼ばれるワンちゃんたちは、たっぷりとした毛におおわれているため、寒さに強いものの暑さには弱いそうです。
体格が大型だと、体温が下がりにくく熱中症になりやすい側面もあるようです。

一方、チワワのような小型犬やミニチュアダックスなどの足の短い犬種も、地面からの熱を受けやすく熱中症になるリスクがあります。

また、犬種にかかわらず肥満の子は要注意のようです。皮下脂肪が厚く体内の熱が外へ逃げにくく、体温調節が難しいためです。

子どもや高齢の子も熱中症に注意

人間と同じように、子どもや高齢の場合も熱中症のリスクが高いようです。

子どもは体温調節機能が未熟で活動的なこと、高齢だと脱水症状になりやすく、呼吸もゆっくりになることで、熱中症になりやすい傾向があるそうです。

特に、糖尿病や腎不全などの持病があると脱水症状になりやすい、心臓病があると熱中症になったときに重症化しやすいリスクもあるようです。高齢になると持病を抱えていることもありますから、わが子の体調管理をより入念にしてあげたいですね。

ペットが熱中症になりやすい環境と対策

このように、動物の種類や犬種、体格などによって熱中症のリスクは異なります。加えて、毎日の生活で、どんな環境で熱中症になるリスクがあるのかも知っておきましょう。

屋外での注意点

夏のお散歩はわが子を炎天下に行くこともあるでしょう。国土交通省の調査※2によると、気温が30度以上になると舗装した路面の温度は50〜60度にまで達することがあります。

路面の温度は気温以上に高温で、日中にかけて急上昇する傾向もあるようです。特に12時から15時の間は極めて高温ですから、ワンちゃんのお散歩には早朝や日が沈んでから出かける、短時間で済ませるなどで、わが子の身体へのダメージを防ぐとよいのではないでしょうか。

普段から屋外で過ごしているワンちゃんやネコちゃんの場合は、1日を通しておうちに日影ができているか確認しましょう。日影がなければ、日光を遮る部分を作ってあげるとよいですね。

車に乗せるときには、ワンちゃんたちを車内に残したままにすると危険です。外気温が25度~27度の晴れた日には、車の窓を閉め切るとすぐに車内の温度が上がり、1時間後には58度、2時間後には62度に達するという実験結果※3もあります。

室内での注意点

わが子が快適に過ごせる温度は22~25度、湿度は50~60%だそうです※1。エアコンを上手に活用して、温湿度管理をしっかりしたいですね。日当たりのよい場所にケージを置いている場合には、日中に太陽が当たり続けることがないように、カーテンをして日陰を作ってあげるのもよいでしょう。

また、飲み水を複数個所に置いて、わが子がこまめに水分補給できるようにしておくのも有効です。

ペットが熱中症になったらどんな症状がでる?

日頃から対策をしておくことは大切ですが、猛暑の時期には、気をつけていても熱中症にかかってしまうことがあるかもしれません。

そんなとき、ワンちゃんやネコちゃんたちにはどんな症状が出るのでしょうか?

動物たちの熱中症の症状

環境省※1によると、軽度の症状では、口を開けてハアハアと大きく呼吸をする、よだれを垂らす、体温が40度近くになるなどの特徴がみられるようです。中等度になると筋肉が震える、吐き気や下痢、呼吸困難などの症状がでることがあります。そして重度になると動かなくなる、意識を失うなどになります。

熱中症が重症化すると合併症を起こしたり、最悪の場合には死に至ってしまうこともあります。死亡例の多くは発症から24時間以内ともいわれていますので、わが子に熱中症を疑ったら速やかに動物病院に連れていってあげましょう。

細かな症状は動物によって異なるため、動物病院などで症状について聞いておくとよいでしょう。

ペットが熱中症かも?動物病院に行くまでにまずすべきこと

しかし、実際にわが子が暑い季節にぐったりしていたとき、飼い主さんが熱中症かどうかを自分で判断するのは難しいのではないでしょうか。

もしも熱中症かな?と思ったら、環境省※1ではまずは涼しいところで休ませる、意識があって自力で飲むことができれば水を飲ませる、体を冷やしてあげることが奨められています。

体を冷やしてあげるときには、22度~28度の水をかけてあげる、首、脇、内股など太い血管が通っている部分に冷たい水をあてる、風を送るなどが効果的なようです。

こうした応急処置をして、動物病院に連絡をしてみるとよいのではないでしょうか。病院に連れていく前に早めに体を冷やしてあげると、重症に至るのを防ぐ効果も期待できるようです。

熱中症はペット保険の対象になる

もし、熱中症で動物病院にかかったら、症状に応じて血液検査やレントゲン検査のほか、点滴や冷水浴、酸素吸入などの処置が行われるケースが多いようですが、これらの治療の費用はペット保険の補償対象になります(ただし、飼い主側に重大な過失や故意があれば補償の対象外です)。

わが子の熱中症でかかった治療費は、ペット保険でおりるのです。このことを知っておくと、いざというときに費用の負担を気にせずに早めに病院に連れて行ってあげられますね。

大切なわが子は、私たち以上に暑さに弱いことがあります。日頃から快適な環境を整え、体調の変化をよく観察し、わが子と暑い季節を快適に過ごしたいですね。

※1 出典:環境省「熱中症対策に係るシンポジウムの開催について」
※2 出典:国土交通省「路面温度上昇抑制機能を有する舗装技術の効果確認」
※3 出典:環境省「熱中症に関する保健指導」

  • 監修者プロフィール

    ファイナンシャルプランナー 加藤 梨里

    加藤 梨里(かとう りり)

    マネーステップオフィス株式会社代表取締役
    CFP(R)認定者、金融知力インストラクター、健康経営エキスパートアドバイザー
    マネーに関する相談、セミナー講師や雑誌取材、執筆を中心に活動。保険、ライフプラン、節約、資産運用などを専門としている。2014年度、日本FP協会でくらしとお金の相談窓口であるFP広報センターにて相談員を務める。